ひきこもりの弟だった (1) (メディアワークス文庫)

  • KADOKAWA (2017年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (354ページ) / ISBN・EAN: 9784048927055

作品紹介・あらすじ

ラスト、読む人に【幸せとは何か】を問いかける――。圧倒的衝撃の“愛”の物語。
【あらすじ】
『質問が三つあります。彼女はいますか? 煙草は吸いますか? 最後に、あなたは――』
 突然、見知らぬ女にそう問いかけられた雪の日。僕はその女――大野千草と“夫婦”になった。互いについて何も知らない僕らを結ぶのは【三つ目の質問】だけ。
 まるで白昼夢のような千草との生活は、僕に過ぎ去った日々を追憶させていく――大嫌いな母、唯一心を許せた親友、そして僕の人生を壊した“ひきこもり”の兄と過ごした、あの日々を。
 これは誰も愛せなくなった僕が、君と出会って愛を知る物語だ。

みんなの感想まとめ

愛とは何かを問いかける物語が、読者の心に深く響きます。日常の描写を通じて、主人公が過去のトラウマや人間関係に向き合う様子が描かれ、感情の言語化が巧みです。多くの登場人物が深みを持ち、それぞれの視点から...

感想・レビュー・書評

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  • 『この本を読んで何も感じなかったとしたら、それはある意味で、とても幸せなことだと思う』。
    その通りだと思う。繊細な心ほど、ギシギシと踏みつけられ灰色に穢されていく雪のように。苦しくて堪らなかった。ただ歳を重ねて生きていくだけの者の、途切れることの無き生と死への恐怖の叫びの乱文。飲み込まれぬよう、引き摺られぬよう、何度深呼吸を必要としただろうか。
    当事者でありながら、ある意味では兄も被害者なのだろう。しかし弟一人に背負わせた代償はあまりに理不尽で大き過ぎるものだった。弟はじゃあ何の為に生まれてきたのだ。彼にだって一人の人間として、幸せになる権利はある。だとしたら、やはり責任は親にいくのだろうか。
    誰が悪いとか考えても、ぐるぐると永久迷路から抜け出せず飢え尽きてしまいそうで、結局誰が悪だとか他人には決められないのだ。
    大事なのは、どんな状況であれ、幸せになる権利を自ら手放さないことなのではないか。
    彼等は確かにあの日、自らその一歩を選び掴み取ったのだ。それは傍目には多少歪であれ、宝物だと思う。

  • 恋愛小説読もーって軽い気持ちで読んだら号泣した。帯にある三秋縋さんのコメント「この本を読んで何も感じなかったとしたら、それはある意味でとても幸せなことだと思う」がまさに的確。多くの人が読んで何も感じない人生であって欲しい。

  • もう読むの何回目かわからない。小説の中でいっちばん好き。全シーン好き。全登場人物に厚みがあって好き。


    タイトルがダブル(トリプル?)ミーニングになってることに読み終わったあと気づいて戦慄した。

    感情の言語化上手すぎて、私の感情のレパートリー広がりました。とにかく好きです。

  • 筋道がたった作品が好きな人にはオススメできないというのが感想です。

    この本では、ありふれた日常の描写が多いのですが、他の小説と違ってその話が別のところにつながるということはなく、ありふれた日常はありふれた日常として終わってしまいます。だから、話がいろいろとつながっていることが好きな人は違和感を覚えると思います。でも、実際に考えてみると、全てが全て繋がっているということは普通に生きていればなく、繋がることもなく終わってしまうことの方が多くあると思います。そんなことを思わせる作品でもありました。

    この本の終わり方に関しても、好きな人、好きじゃない人がはっきりわかれると思います。作者もそれを承知の上で書いたことはわかるのですが、私にとってはあまり好きじゃない終わり方でした。いろいろと矛盾と未解決の問題があるままに終わってしまっているので、綺麗な終わり方が好きな人には受け入れられないかもしれません。

    それでも、この本に魅力があります。それは今までに読んできたことがないよな恋愛観だと思います。こんな恋愛、夫婦関係を望んでいる人は少なからずいるのではないでしょうか。少なくとも私はその一人なので、主人公にすごく共感しました。

  • もし啓太が弘樹に「学校に行け」「仕事を探せ」なんて言わなければ、あんな風にはならなかったのに。
    もし弘樹が昔の弘樹だったら大人になっても昔の弘樹。  
    千草とも一緒に幸せになってほしかった。
    そういえば、最後の所では啓太は誰と結婚したんだろう。
    新人社員の白井麻美?
    それとも、千草?
    相手が千草じゃなくっても・・・・・啓太と千草にはずっと幸せでいてほしい。

  • 出会ったばかりの人と結婚した、引きこもりの兄を持つ弟の話。主人公に感情移入し過ぎてめちゃくちゃしんどい。兄も母も同僚も酷い、そんな中妻の千草が救い。薄氷を踏むような2人の関係が、ずっと続いてほしい。

  • 誰もがある程度共感しうる部分。
    - 共依存。
    - 周りの人に対する反面教師的な考え方。
    - 何でもない日常への渇望?
    - 幼少期の経験が自分の性格にもたらす影響。
    - 他者を愛することと、道具や自分の足りないものを埋めるための道具として利用することの違いとは。

    見たいなものがあるので、ここら辺に少しでも考えがある人は共感しやすいのかなぁと。

    ストーリー自体は、割かし、シンプルなので、伏線祭りみちな小説が好きな人にとっては、少し物足りないかもと思ってしまうかもしれません。

  • 他人を愛することが出来なかったふたりが、愛を自覚した結果、別れを決断する。好きだからこそ、相手の為に別れるしかない。何とも皮肉な結末に、とても哀しい気持ちになった。
    それでも、きっと啓太も千草もこれから幸せな家庭を築いてくれるだろうと期待が持てる結末に、ほんの少しだけ安堵しました。

  • ページをめくる手が止まらなく一気読みした。

    ちなみに僕は主人公と似た境遇の現在30歳の男で、兄が2個上で中学1年から今に至るまでひきこもっている。似た立場の方が読む際参考にして頂ければ幸いだ。

    この小説を読んでいて、僕はこの物語に出てくるすべての登場人物に嫌悪感を抱いた。特に主人公は自分は決して幸せになれないのだと、悲劇のヒロインよろしく世の不幸を一身に背負っていますみたいなセンチで自分本位な思考回路、表面上はなんでもないふり、まともなふり、そして自分をとりまく家族や環境へ責任転嫁。自分を見ているようで気持ち悪くなった。読了後、丸2日くらい精神的に不安定になった。

    僕はこの物語はバッドエンドだと解釈した。これを、ハッピーエンドとまではいかないが、よしとする人は多くいると思うし、そういう人たちは精神的に成熟した大人なのかもしれない。ただ、僕はそんな大人ではなかったしそうはなれないと思う。そしてこの小説を読んで、そんな風になりたくもないと思った。

    僕はこの小説がきっかけで、そんな大人には、この主人公のようにはならないと決心できた。幸せになる勇気を持てたと思う。(背中を押してとかそういうのは全くなく、反面教師的に)

    ともかく、僕は最良のタイミングで最良の本と出会えたと思う。Google検索の有能さに感謝。いろんな人に感謝。

  • ラスト、読む人に【幸せとは何か】を問いかける――。
    誰も愛せなくなった「僕」が、「君」と出会って愛を知る物語。

    『質問が三つあります。彼女はいますか? 煙草は吸いますか? 最後に、あなたは――』
    【三つ目の質問】を中が予想しつつも、気になって読んでしまったw

    突然、見知らぬ女にそう問いかけられ、僕はその女――大野千草と“夫婦”になった。まるで白昼夢のような千草との生活は、僕に過ぎ去った日々を追憶させていく――大嫌いな母、唯一心を許せた親友、そして僕の人生を壊した“ひきこもり”の兄と過ごした、あの日々を。

    理不尽な辛い思いをした人も、自分の人生を投げ出さず、前に進み続けることでしあわせを手にして欲しい、と願う。

  • ★第23回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》受賞作
    【ラスト、読む人全ての心を揺さぶる――。 痛切で歪な“愛”を描いた、圧倒的衝撃作!】

    『質問が三つあります。彼女はいますか? 煙草は吸いますか? 最後にあなたは――』
     突然見知らぬ女にそう問いかけられた雪の日。僕はその女、大野千草と夫婦になった。
     互いについて何も知らない僕らを結ぶのは【三つ目の質問】だけ。まるで白昼夢のような千草との生活は、僕に捨て去ったはずの過去を追憶させていく――大嫌いな母、唯一心を許せた親友、そして僕の人生を壊した“ひきこもり”の兄と過ごした、あの日々を。
     これは、誰も愛せなくなった僕が君と出会い、愛を知る物語だ。

  • とても面白かったです。
    街中で初対面の人に『結婚しませんか』と言われ物語が始まります。非現実的だなーと思いましたが、よく見てみると日常に存在してもおかしくないようなストーリーでした。最後悲しかったです...。

  • めっちゃ前に読んで忘れた。

  • 好きだけど エンドがねぇ...

  • 過去と現実のお話が交互に展開されていくタイプの物語。
    この過去の話からどうやって現実の主人公につながっていくんだろう、と考えながら読めたのが楽しかった。

    物語途中にある登場人物それぞれの心理描写も、ぐちゃぐちゃしていてリアルだなと思った。

    タイトルにいろんな意味を持たせていておもしろいと思った。ひきこもりである兄の弟という意味、ひきこもっている弟という意味。
    でもこれらがすべて、「だった」という過去形の表現がされていることは、この物語の中での救いであって、啓太というひとりの人間の成長なのだろうなと思う。

  • 自分が親や兄弟姉妹と仲良くなかったら、この物語は理解しやすい。
    “愛着障害”という言葉がある。まさにそのことを切実に訴えているのかと思えた。
    お兄さんが弟に宛てた手紙の中には、家族関係に恵まれなかった現代人が抱える様々な思いが凝縮して表現されているのかもしれない。

  • とっても切ない作品でした。切り口が斬新で、内容も心に刺さる作品でした。結末は、・・・ 一読の価値ありです。

  • これまでの作品の中で、一番モヤモヤと胸糞さが入り交じる感じがした。

    他の方も感じた賛否両論。

    ラストも眉間のシワが残る感じ。

    おっちゃん的には星2。千草が健気だったからの星2。

  • タイトルから引きこもりの弟がいる兄か姉のお話だと思ってたのですが、〝引きこもりの兄〟がいる弟のお話でした。

    序盤での3つ目の質問が気になって夢中で読んでしまいました。過去と現在が交互に描かれているのですが、心が痛い。過去がとにかく辛いです。親族に同じような方がいたので何となく分かりますが、そうなんですよね。長男だから、今は辛いだけだから…貴方が言うから…。妙にリアルで読むのがとても辛かったです。

    愛ってなんだろうね。難しい。最後、啓太は千種とお別れして別の奥さんと…お母さんとも和解して子供もいて…幸せそうでよかったですが、千種と幸せになって欲しかったです。

  • 母や兄と過ごした子どものころの日々がかなり丁寧に描かれていたため読んでて辛かったんですが、ぐいぐいと惹きこまれてページをめくる手が止まりませんでした。終わり方は賛否両論ありそう。

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著者プロフィール

第23回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞した『ひきこもりの弟だった』でデビュー。

「2019年 『消えてください』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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