ビブリア古書堂の事件手帖スピンオフ こぐちさんと僕のビブリアファイト部活動日誌 (電撃文庫)
- KADOKAWA (2017年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048927550
作品紹介・あらすじ
鎌倉のとある高校で、友達には秘密で小説の朗読配信を行っていた前河響平。中二病溢れる小説も書き綴っていたが、ある日、その小説を書いたノートを学校で紛失してしまう。
拾ったのは図書部員の卯城野こぐち。小動物系で、読書に熱中すると作品世界に入り込んでしまう読書少女だった。熱中しすぎる性格のため、人の多いところで読書が出来ないこぐちにとって、唯一安心して読書ができるのが旧図書室。しかし、利用者のほとんどいない旧図書室は廃止の危機に陥っており、二人は旧図書室を護るため、オリジナルルールの書評バトル「ビブリアファイト」に挑むことに──。
お勧めの本をプレゼンするビブリアファイトでは、実在の名作を多数紹介。原作小説の栞子さんも登場する、本好き高校生たちの青春の1ページ。
感想・レビュー・書評
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初めてのジャンルで、新鮮な気持ちのまま読破。スピンオフも普段はあまり読まないけれど、本作は面白かった。ビブリアファイトの面白さと高校生の初々しさがなんだかこそばゆい感じだった。なんと言っても、登場人物達の、本が好きという気持ちに共感。シリーズ全部読みたくなった。
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図書館本、久しぶりのラノベ。図書館ではヤングアダルト部類。
いやー、やっぱり面白いわ。ラノベ。
好きです、ヤングアダルト。
ビブリア古書堂のスピンオフ作品。原作の特徴を掴みつつ、こちらはミステリーではなく、ビブリオファイトを取り上げている。なんとなく栞子さんに似た主人公なのも、原作ファンからすると良いのではないだろうか。名作を現代のラノベが好きそうな世代に向けて解説しているところが、原作とは違ってここもまた良い。
本好きな人は読んでみては。 -
ビブリア古書堂の事件手帖が好きで、そのスピンオフというタイトルに惹かれて手に取った。
舞台は共学の高校の古い図書室。高校生の男女を中心としたビブリオバトルのような本のおすすめ合戦だ。
作者は主人公の男の子のようなラノベ好きだと思われる。ちょいちょい男子高校生の下品な目線が入る。その下りはいらないのでは?と思うが作者の好みだろうか。 -
2巻まで刊行。2巻で終わりでも納得する。
ネタ元のシリーズはまったく読んでいないが充分楽しめました。その元シリーズの 主人公の胸については情報を得ていたので、それの描写が沢山あって良かったです。
ヒロインのこぐちさんの脇の女子高生達が良かった。特に2巻で登場のお嬢様学校の図書委員長と主人公の絡みは友情なのか委員長の方に恋愛感情があるのか想いを馳せる。色んな本が紹介されていて読んでない本もあって人生足りないよね -
★わたし、この部屋で、響平さんと本の話をするのが楽しくて(p.226)
五つのメモ
・次々現れる刺客から「旧図書室」を守るため、なぜかビブリアファイトとやらをする羽目になったこぐちさんと響平くん。一度負けたらおしまいというマジンガーZや仮面ライダーやセーラームーンなどとある意味同じ構図。「頑張れ読書部! 高校生活の平和を守るため!」
・独自性は「ビブリオバトル」ではなく「ビブリアファイト」であること。ルールはこんな感じに? 既存のビブリオバトルよりスピーディでゲーム的と思われる。
・放課後のオープンイベントとする。
・紹介する本は二十面ダイスでカテゴリだけ決めておく。
・紹介する本は学校の図書室から選ぶ。
・紹介する本は伏せておいてよく、登壇時に発表すればよい。
・判定員は自由参加だが関係者は応募できない。
・先攻後攻は当日ジャンケンで決める。
・先攻後攻の順で各自五分間その本のプレゼンを行う。
・本への理解を深めるため相手のプレゼン後質問できる。
・より多くの判定員に「読みたい」と思わせた方が勝ち。
・やはり、それぞれの本をどう紹介するかがキモであり見処。読者であるぼくらが読みたくなるかどうかですね。なるほどそういう視点なのね、と。未読の『甲賀忍法帖』と『とある魔術の禁書目録』は読みたくなりましたよ。個人的にはいきなりビブリアファイトシーンから入ってくれてもよかったような気もしました。
・謎としては、こぐちさんが旧知のように接してくる理由(すぐ判明する)。こぐちさんの「一番好きなあの本」とは。こぐちさんは危険なので家で読書するのを禁じられているらしいがどう危険なのでしょうか。
・ラノベとしてステロタイプとも言える各種美少女も取り揃えられています。栞子さんも登場。
■その他のメモ
【赤い文字の謎】最初のお題。一般には『緋色の研究』という題名で有名な、ホームズ登場の巻ですね。おそらく子供用に編集し直された比較的新しいものかと。中学生の頃『シャーロック・ホームズの冒険』から入った僕には「緋色の研究」はタイクツでした。僕個人のホームズ観は前川クンと近く、彼はけっこうダメ人間でおだててないといけないめんどくさいタイプで道徳心も薄い危なっかしいヤツという感じです。前川響平クンの「おっさん同士のラブコメ」という評は秀逸。ホームズものではワトソンの存在が大きいです。ホームズはツンデレか? このときは響平クンが先攻への反論を入れたこと、シリーズ全体に言及したこと、犯人の名前を言ったことは僕も減点やんと思いました。
【赤い蝋燭と人魚】響平クンがこぐちさんに薦められた本。響平クン評は《面白かった。と言うか怖かった》p.183。《これ、タイトルからしてメルヘンなファンタジーだと思っていたけど、思いっきりホラーなんだね。文章かっこよかった。》p.184
【旭山扉/あさひやま・とびら】生徒会長。ゆるふわ系美女。中身は黒い。美少女好き。「ビブリアファイト」を考案した。
【卯城野こぐち/うしろの・こぐち】高校一年生。本を読み始めると周囲の音がまったく聞こえなくなる美少女。そのとき気づかせるため身体に触れるとさすがに我に返るがとてつもなくエロい反応を示してくれるので響平クンは楽しみにしている。大人向けの本は不意に性的な描写や暴力シーンがあったりするので苦手で、基本的には児童書を読みたい。《国語の教科書は渡された日に全部読んで、気になる作家はチェックするのは基本でしょう?》p.91。う~ん、ぼくもまあ、そうしてましたけどね、基本かどうかは・・・
【お題】ビブリアファイトで取り上げられた本は・・・『名探偵ホームズ(1)赤い文字の謎』/『李陵・弟子・名人伝』VS『甲賀忍法帖』/『ふしぎの国のアリス』VS『若草物語』/『ゲド戦記Ⅰ 影との戦い』/『とある魔術の禁書目録』VS『はてしない物語』。
【片倉/かたくら】クラスメイト。男子。
【片倉聖羅/かたくら・せいら】こぐちさんより小柄で童顔で私服なら小学生にしか見えなさそうなロリ系美少女だが二年一組の先輩。当然見た目へのコンプレックスが強い。前河くんのクラスメイトである片倉の姉。学年トップクラスの成績。真中さんとは異なりこちらは文系。例によって勝ち気。図書室を自習室として開放せよという目的のために第三の刺客として挑戦してくる。前河くん的には勝手に自習したらいいのではという感じだったがこぐちさん的には図書室はそこにある資料を利用する場であって自習の場ではないと、珍しく譲らなかった。
【鎌倉文士カフェ】こぐちさんのクラスが学園祭でやる。ゆかりの文士紹介とカフェ。真中先輩は紹介に黒沼健を入れるべきと言った。
【響平/きょうへい】→前河響平
【ゲド戦記Ⅰ 影との戦い】文化祭で行われたブックファイトで前川響平クンがプレゼンした。ル=グインは少し読んでましたが『ゲド戦記』の合本版やったかセット販売やったかが出たときそれに気がついて読んでみました。
【甲賀忍法帖】山田風太郎著。真中先輩が出してきた「異能バトル」もの。ストレートに面白そうに見えるプレゼンでした。
【こぐち】→卯城野こぐち
【刺客たち】生徒会副会長の楯石律、TRPG同好会の真中双葉、自習室が欲しい片倉聖羅。あとストリートダンス同好会の氷川、文芸部、漫研、将棋部、コスプレ同好会、家電製品友の会とのファイトは作中では描かれなかった。
【志田】ビブリア古書堂の常連のせどり屋。
【篠川栞子/しのかわ・しおりこ】ビブリア古書堂店主。
【高山知佳/たかやま・ともか】図書部顧問。図書室担当の教師。スポーティな印象だが司書資格も持っている英語担当教諭。
【楯石理津/たていし・りつ】生徒会副会長。四角い眼鏡で長身でショートカットの理路整然とした美人タイプ。
【TRPG】テーブルトーク・ロールプレイングゲーム。マスターによる設定と会話とダイスの出目によって冒険する。コンピュータ系のRPGはここから派生したのでしょうけどロールプレイ部分が弱く感じられるのは自動化により役割へのなりきり感が減じたからでしょう。旧図書室にはその黎明期のルールブックがかなりあり真中双葉率いるTRPG同好会としては守っていくことに異存はなかった。個人的にも数冊ルールブックを持っていますがまあ、読む本としておもしろいというものではないですね。ただ、設定というのは好きですし、少しずつバージョンアップさせていけたりするその動きは刺激あります。
【とある魔術の禁書目録】最後のビブリアファイトで響平クンが選んだ本。個人的にマンガとアニメは鑑賞済ですが原作小説は読んだことがありません。
【図書部】「旧図書室」を根城にする伝統ある部。図書委員とは別。旧図書室にある本は元は「きたかまくら文庫」という文庫だったらしく誰かから寄贈されたようだ。傾向としては児童書が多いのでこぐちさんに向いている。
【ナイトオブミッドナイト】前川響平の自作小説。かなり痛い。
【はてしない物語】最後のビブリアファイトでこぐちさんが選んだ本。原作も映画も鑑賞済です。
【氷川】ストリートダンス同好会。第四の刺客。
【ビブリア古書堂】前川響平クンが覗いてみたときはいつも屈強で強面の青年が店番をしている。
【ビブリアファイト】旭山扉考案のゲーム。新しいことをしたというのが内申書的においしいからのようだ。既存のビブリオバトルを参考にさらにスピーディにゲーム性を高めたもの。
【ヒロイン】第三ファイトのカテゴリは二十面ダイスを振った結果「ヒロイン/女性主人公」となった。真中先輩は「ヒロインだけに広いんだか狭いんだかわからない」とか言った。これって図書部に任せてるけどTRPG同好会にも関係あるのでは?
【ふしぎの国のアリス】片倉聖羅さんが「ヒロイン/女性主人公」のお題として取り上げた本。ルイス・キャロル著。個人的には和田誠さんの挿絵の文庫本を愛読しています。
【前河響平/まえかわ・きょうへい】語り手の「僕」。高校一年生。痛いタイプの小説を書きその朗読をネット配信している。各作品への評価は思いがない分ドライで的を得ておりおもしろい。
【真中双葉/まなか・ふたば】二年生。気の強そうなメガネ美少女。入学以来常に成績最上位で特に理数系では全国でもトップクラス。TRPG同好会会長。そういえば最寄りの図書館で最近、近所のTRPG愛好者の会を主催している方のお薦め本の紹介があったなあ。その方も女性だったような。
【李陵・弟子・名人伝】ビブリアファイトの二つ目のカテゴリ「異能バトル」のお題として取り上げたのはこの中の「悟浄出世」「悟浄歎異」の二編。既読ではありましたがも一度読みたくなりましたよ、響平クン。個人的なベスト百冊に筑摩書房の文庫サイズの日本文学全集『中島敦集』を入れてます。前川クンの「山月記」評は《無駄にプライドだけ高かった詩人の李徴が虎になってしまう話だ。》と身も蓋もないけど的を得ている。
【若草物語】第三ファイトのカテゴリ「ヒロイン/女性主人公」のお題としてこぐちさんが取り上げた作品。オールコット著。中学生の頃旺文社文庫で読みましたが、うすぼんやり残っている記憶では、「貧乏や貧乏や」とよくこぼしてるわりには日本人的感覚からするとけっこう裕福やん。ということでした。あと、ベスがけなげです。響平クンの日常系萌え小説というのは目から鱗ではありました。ぼくやったらベス視点にして他の姉妹たちの普通に続くであろう人生にサチアレという感じにしたかも。 -
ずっと欲しかった本です!
ビブリアファイト、楽しそうです!
相手にいかに楽しく興味を持ってもらえるかが勝負の鍵ですね!
どの本も面白そうでした!
自分だったらどう紹介するかな~とか考えながら読んでました!
こぐちさんの守ってあげたくなるような、庇護欲をかりたてられるオーラが可愛いです……
本から現実に戻すときはちょっとためらいますけど……
ビブリアファイトやってみたいです! -
大好きなビブリア古書堂がある街の高校が舞台