- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048933384
作品紹介・あらすじ
聖職者志望の青年コルの旅の連れは、「お嫁さんにしてほしい」と迫ってくる賢狼の娘ミューリ。海賊の島から出た二人は、嵐に巻き込まれウィンフィール王国の港町デザレフにたどり着く。
教会が機能していないその町で、コルは「薄明の枢機卿」と呼ばれ、まるで救世主のような扱いを受けることに。
そしてコルはミューリの求愛に向きあうべく、自らを「兄様」と呼ぶことを禁止し、関係を変化させようとするのだった。
そんなコルたちの前に、イレニアと名乗る商人の娘が現れる。彼女はなんと羊の化身であり、“ある大きな計画”に協力してほしいと持ちかけてきて――?
感想・レビュー・書評
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狼と香辛料では広げられなかった方へ物語が深まりはじめてワクワクしました。
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月を狩る熊の話が出てきて物語のゴールが見えてきた感。教会の思惑とかわくわくする。
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どんでん返しのどんでん返しな展開だった。
ふー、長かった。読むのに疲れたのは、年齢のせいだろうか。 -
ようやくすこし面白くなった。したたかで可愛い羊の商人と、クジラ聖人、それに鳥たちも活躍。ミューリとコルのキャラが弱めなので、周りを濃いので固め、コルもミューリも周りに助けられて問題を解いて行くというパターンが安定。これだったら続きも読みたい。
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青臭い理想だけを胸に旅立ったコル坊と、兄様への想いだけを胸に彼の後を追ったミューリですが、聖典の俗語翻訳や聖職者の結婚などの宗教改革、そして新大陸など、ホロとロレンスが旅をしていた頃はぼんやりと「中世」だった舞台が、現実の世界史とうっすらとリンクし、そこにどうやら新大陸に渡ったらしい「月を狩る熊」が絡んで、話がずいぶんと大きくなってきました。
そんな中でも、ミューリのかわいさは相変わらず…どころではなく、一層パワーアップしています。これまでは単に元気に跳ね回っていただけだったのが、この巻では恥じらい、例えば裸で髪の毛を洗われるのはなんとも無いのに尻尾を洗われるのは恥ずかしい、だとか、コルとのこれまでの関係を改めて一歩前に進むことを望むのならば、まず「兄様」って呼び方を変えてみよ、と言われて試そうとして「うぅぅぅ……こんな、だって……コっ……トっ……!」と口ごもる様子とか、そんな気持ちの萌芽が見られて、読んでいるほうとしても一緒に恥ずかしがったり歯痒かったりして転げまわるなど、ラノベを読む楽しみを満喫させていただきました。
一方で、夢見がちなワナビーという典型的なダメンズだったコル坊ですが、「立場が人を作る」の例のとおり、「薄明の枢機卿」という二つ名が一人歩きしている後ろを付いて歩いているうちに、人を疑ってみることや人脈を十分に活用することなど、まだまだ途上ではあるものの世慣れてきた様子が見えます。特に、やられた相手にやり返すその方法が秀逸(おそらくロレンス譲りですね)で、絶妙に意地悪です。
ただ、プロットが「旅行先で起きている問題を解決する」という「水戸黄門」モードなのは相変わらずです。これと、ミューリが食べているものがいつもいつも美味そう(骨せんべいはビールがいくらでも飲めそうです)なのはもう様式美として受け入れたほうがいいのかもしれません。
あと、この巻では「あの金髪」に加えて魅力的な羊娘(イラストの虹彩が羊の目になっているのが笑えます)が登場し、一方でデバウ商会のヒルデさんとか、エーブ・ボラン(名前だけですが)といった懐かしい名前も現れて、新旧のキャラクターが充実してきました。羊娘が出てきたんだから、羊飼いのノーラさんも出てこないかな…とか、エーブ・ボランは、そう言えば羊毛で勝負して財を成したんだっけ、と思いを馳せたあと、当時の女性キャラは、みんな結構な年になってることに気がついて愕然としました。今後、ご本人達が出てくるのかどうか気になります。ロレンスはおっさんが結構板についているようですが、女性キャラたちはどう年齢を重ねているのでしょうか。
さて、ミューリとコルはいよいよ英国国教会のお膝元、「メイフラワー号」の出航地であるイングランド(を模したと思われるウィンフィール王国)で活動を開始します。
1巻の時点で、旅立ったコル坊の動機と、「禁欲の誓い」から「プロテスタントとして新大陸に渡っちゃうんじゃね?」なんて思っていましたが、本当に新大陸の話が具体性を帯びてきました。ただ、足跡が地形に見えるほどの「月を狩る熊」も新大陸に向かったそうで、そんなに風呂敷を広げちゃって大丈夫なの?どうやって畳むの?って思います。イレニアさんは腹を括っているようですが、コル坊もミューリもそこまでの固い意志はないようですし…。 -
前巻がなんとも苦しかっただけに、今巻に流れる前向きな雰囲気がとても嬉しい。
うん、こういう話が読みたかったのだ。
それにしても、当初からの宗教改革に加え、新大陸とさらには月を狩る熊とは。
なんだか一気にスケールが大きくなってきたなあ。
二人が新大陸にわたって月を狩る熊と対峙するなんて展開がもしかしてある?(さすがにないか)
やっぱり若い二人の物語なので、「狼と香辛料」に比べ、冒険の無謀さ加減も大きくなってくるのかな。
しかもコルに二つ名まで付いちゃって!
これはもしかして英雄物語になってしまうのだろうか?(笑)
ちなみに今回のコルはヘタレでは無かったので名誉挽回だ。
こうやって人は成長していくんだね。
最後の危機は、まあ、すんなり終わると思ってなかったので予想通り。
この後、羊さんとの絡みもまたあるのかな?
あと、いろいろ懐かしい名前が出てきてそれも嬉しかった。
半分は商人の話だったところも、ある意味懐かしい。
ということで、次巻も楽しみに待とう。 -
コルとミューリはウィンフィール王国のデザレフに流れ着く。
羊の女商人イレニア・ジゼルに協力して、教会から徴税することに。
イレニア・ジゼルのいう、西の大陸に国を作るという話はどこまで本当なのか、聖遺物の聖人ネックスの布はあるのか。 -
おもしろかった。ミューリもどんどん可愛くなっていくし。関係性の変化もたのしい。