- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048936088
作品紹介・あらすじ
あの頃の僕らはまだたくさんの高いものに世界を囲まれて、息苦しさを覚えていた。自由に走り回っているようで、ふと気づくと自分がどこにも行けないような気がして焦り、苛立ち、空を仰いでいた。僕たちが『魔女』に出会ったのは、そんなときだった。
あれから十年、学校の屋上から落ちて死んだはずの稲村が突然生き返った。思い返すのは、例の魔女のこと。あの場に居合わせた僕ら六人は、どうやら命を一つ分だけ貰ったらしい。
一度だけ死んでも大丈夫。
なら命一つ犠牲にして、一体いまの僕らに何が成し遂げられるだろう。
感想・レビュー・書評
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魔女か~。
小学生のときに魔女をたすけたら、お礼にもうひとつの命をもらった、
というのが話のはじまり。
ちょっと百合っぽい。
20180531詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『魔女』にもらった命をきっかけに、罪を背負いながらも、それぞれの願いを叶えた高校生達の物語。残機が1つ多くても、生まれ変わった先がどうなるかなんて分からないよなあ、なんて。
展開がなかなか読めず、最後までじっくり読めました。「もうひとつの命」「もうひとつの魔女」の順で、是非どちらも読んでいただけると、さらにこの作品を楽しめると思います。 -
高校生の頃が懐かしくなる
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魔女からもらった木の実。
一度しか死ねないからこそ、生きている間に沢山の事を経験しそれを踏まえ考え行動するのにな。
一回生き返る事ができるとわかると、少しの無茶も出来てしまうんだろうな。 -
やはり特殊設定を使いながらキャラクターたちの本心を淡々とドライに描きつつ、心を震わせる物語を丁寧に描いています。 かつて野外学習で魔女と出会った六人。魔女を救った彼らは命を一つ増やす果実をもらいます。それを食べたうちの一人、稲村は数年後の葬式で劇的に復活を遂げます。 六人はそれぞれ不条理な場面に出くわします。そこで浮かび上がる心情があまりにも切迫していて、心に刺さります。 特に死人死人はコンパクトながら虚しさと、か細い光が差すクライマックスに(和田塚とセットで)涙が止まりませんでした。
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【その夏、彼らは罪を背負い、ひとつの願いを叶える。青春を生き迷う、少年と少女の物語。】
あの頃の僕らはまだたくさんの高いものに世界を囲まれて、息苦しさを覚えていた。自由に走り回っているようで、ふと気づくと自分がどこにも行けないような気がして焦り、苛立ち、空を仰いでいた。僕らが『魔女』に出会ったのは、そんなときだった。
あれから数年、自殺した稲村が生き返った。思い返すのは、例の魔女のこと。あの場に居合わせた僕ら六人は、どうやら命を一つ分だけ貰っていたらしい。一度だけ復活できる。なら命一つ犠牲にして、僕らに何が成し遂げられるだろう。 -
腰越、和田塚、江ノ島、稲村、七里、藤沢。人間関係が理解できなくて読後にネットで解説を探してやっと落ち着いた。友だちとは呼べないような幼馴染たちだが、どいつもこいつもといった個性派。木の実の使い方を間違っているとしか思えない。まあ、好んで手に入れた命ではないので無駄使いしても仕方ないのかな。藤沢以外は見ていただけで何をしたわけでもないのに貰った命だ、ギャンブルで得たお金みたいな使い方になるわけだ。自殺してなりたい自分に生まれ変わるのはありだと思うけど、稲村もよりによって藤沢になることはないだろう。
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ふとした拍子にもうひとつの命を手に入れた6人の少年少女。
なんと、死ねば願い事が叶うらしい。
等身大の少年少女たちは、何を願ったのか、願いは叶ったのか、その願いは……。
たった一度きりの人生、もがいてあがいて必死に自由に好きに生きよう。