笑う書店員の多忙な日々 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 213
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048938808

作品紹介・あらすじ

その筋では知られる書店『四谷書廓堂』の文庫文芸担当として働く女性店員、楠奈津。なによりも本を愛する彼女が、日々店にやってくる困ったお客様や出版社の営業担当を相手に奮闘する姿をコミカルに描いていく――。

感想・レビュー・書評

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  • フェアを組む不安感と高揚感。書店員の本を愛する気持ちをひしひしと感じた。

  • 本屋さんにバイトに! と思ったら…。

    店員になって初めて見えてくる、裏事情。
    好きな本を仕入れるのではなく、売れる本を。
    食べて行かねばならないので、仕方ない事とはいえ
    夢を持ってバイトにくると、きついかも?

    そんな新人さんと、文庫本担当のベテランが織りなす
    ボケと突っ込みのようなやりとり。
    最後には、いいコンビになって悪巧み(?)を
    完璧に仕上げてました。
    しかし、ここまで仕上げてくれると
    作者冥利にもつくかと。

    1か月続いた人にのみ、教えてくれる神様も
    なかなかに存在感がありました。

  • 書店のスト―リーとして、ミステリー風なのか?、それとも本の蘊蓄型風なのか?、お仕事系なのか?・・・と思いながら、手に取った本であり、作者 石黒敦久氏も、始めて読む作者の本である。

    東京 四谷にある個性的な店員ばかりいる書店で働く 楠奈津が、新人のバイトの佐和と共に、書店での出来事やら、仕事、新人発掘、売り込み、等など、余り知られていない書店の内情迄、書かれていて、「そうだったんだ!」と、書店でのポップス一つでも、感心することがあった。

    プロローグに始まり、第4章迄書かれているのだが、その題名も 面白い題名をつけている。

    書店内での、仕事仲間での言葉は乱暴的(体育系的?)なのだが、こんな書店があれば、良いだろうなぁーと、思った。
    最近は、小さな本屋さんが、無くなって、大型書店ばかりに、なって来ているから、、、
    コンビニでも、病院内の売店でも、本が、近くに存在することは、有難いのだが、、、、本についての話が、出来るような、この本の中の佐和さん的な人が居たら、子供達も、もっと本好きが増える事だと思った。

  • テンション高めの書店を舞台にしたお仕事小説。書店ならではの苦悩が書かれているけど、悲壮感を吹き飛ばすように笑いに変えて働く書店員さんたちを見習いたくなる。あんなにパワフルに楽しく働けたらいいなぁ!シリーズ化してほしい!

  • 書店員…店長以外はチーフもバイト…。
    世知辛い…。
    定時になったらタイムカード切って残った仕事をこなす…。
    減価率7割の我々に残業代を払う余裕があるのでしょうかとか何とか…。
    どの程度現実を反映してるのか分からないけれど、話の内容よりも、その辺りが気になって。
    ブラックだなぁ…。
    大学生のバイト程度ならまだいいけど。

  • 5年勤務する書店員と、新人お嬢様書店員の成長話。
    紗和ちゃんがお嬢様だけど嫌味のある感じじゃなくて素直で真っ直ぐな感じがかわいい
    奈津さんも豪快でドンとしている人で、よく笑う人はやっぱり良い先輩だなと思わせてくれる本
    本屋さんで働くということがどういうことか全く知らなかったけど、水面化でも本を売ろうとしていること、お客様と接する重要な場であることを知ることができる。面白い!

  • 書店員入門書として新米書店員に読んでみてもらいたい一冊。

  • 東京の小さな書店で働くことになったアルバイトの紗和。
    教育係の奈津をはじめ、個人経営店とは思えない監視システムを構築している剣崎など、店員は個性派ぞろい。

    特にこれといった特徴のある本じゃなかった。
    作家先生とその娘の話の時は謎を解く話、最後の新人作家の本を仕掛ける話はお仕事小説。
    謎の話はともかく、本を仕掛ける話は本屋のチーフ達を説得するときには苦労していたけど、他のところはトントン拍子に進んでいる。他の本なら2,3章かけて進めるところを1章だけにしてるからなんか軽い感じになっている。

  • ちょっと読みにくい箇所と、店舗名を2箇所、誤植のか誤字なのか間違っていのが気になるけどそれなり面白かった。

    フェアで展開する「佐藤君は終端速度で」がどんな本なのか読んでみたい!

  • あの神様って出てくる必要あった?

  • 書店員経験者です。分かるー!接客は理不尽…いろいろあったなー。

    気になるキャラクターさん達。シリーズ化するかしら?
    一人称の転換が激しくて何度も躓いた私は、やっぱり歳をとったんだろうか…

  • 書店お仕事小説。ビブリオバトルに勝てる本か…何だろうな。参考・引用文献リストつけてほしかった。

  • 体育会系の書店で働く新人バイトと教育係の物語。店内を見張る隠しカメラが仕込まれていたり、お店に住みつく神様(比喩でなく)がいたりと型破りなお店なんだけど、厳しいながらも楽しそうな環境だと感じる。こんな本屋が近所にあればいいのになあ。
    フィクションながら、書店や出版の業界のことも主に最初の二章で紹介してくれている。田口幹人著『まちの本屋』の直後に読んだのだけど、なんか繋がりがあって面白かった。特に「新刊は年に8万冊も出ている」というところから、書店員は全ての本に向き合うことはできない、でも頑張って向き合おうとしているという想いが両書とも通底しているように思われて、その想いにフィクションとノンフィクションの両方で触れられたのが面白かった。
    誤植がわりと目についたのは残念。午前と午後が間違っていたりとか。たくさんの本が出るからその全てに向き合えない、というのを、図らずも示してしまった感じ。でも、本書でも語られているように書店員さんが一つ一つの本に向き合えないのは仕方ないとしても、せめてメーカーたる出版社は、出す本の全てに誇りと愛情を持ってほしいんだけどなあ。ということで星1つ減。
    本屋さんの話ということで、作中作が主に2作出てくるけれど、この2つともが素晴らしい。第三章のヨマドーの作者の語りは、主人公二人の普段の会話が軽いこともあってとてもインパクトがあるし、第四章の『佐藤君は終端速度で』なんて、作者にこれ一冊改めて書いて出してほしいくらい。
    お仕事小説は、基本こんな風に登場人物が暑苦しいくらいのほうが好みだなあ。作者さんの続巻、お待ちしてます。

  • 残念な仕上がり。

    盛り込みすぎたから?描き切れていない要素が多すぎて、肝心のストーリーも雑な展開に感じる。

    最も突っ込みたいのは書店の仕掛けで売り切った500冊。その作者。顔も見えない。どれだけ凄い作品を書いたにせよ、その作者の人間像がスルーされていたのでは、ね。

    小説って、人間を描くんですよね。
    物語になんの影響も与えていない神様なんかを登場させてお茶を濁すくらいなら、もっと本に関わる人々をしっかり描きましょうよ。

    書店員ものは数多いですが、独自の視点や世界観で自分らしく仕上げた作品もいくつもあります。

    ストーリーに没入できなかった時点で、私の中では読まなくてもよかった作品です。

  • 四ッ谷駅前の老舗書店を舞台にしたお仕事小説。

    書店員は体力勝負とはよく聞くが、それにしても全般的に体育会系すぎるノリで、でもそれが心地よい「チーム」に見える面白さがある。そこに入り込んできた深窓の令嬢系本好きとの対比も良い。

    中編4つは各編ごとにまとまっていて、書店員の様々な側面が見られる。それらを通じての成長物語になっている構成も綺麗。だけど個人的には、もうひと押し心に刺さるものが欲しかったのと、少し不思議な要素がちょっと空回っている感があった。

    キャラが良いのでもし続刊があればもっと暴れて欲しいな。

  • こんな書店があったら楽しいだろうなぁ。でも書店を舞台にした小説では、たいがいやりがいはあるけど金は出ない風に描かれているので、そういう面でも書店の将来が心配です。
    さて、本文中に何カ所か違う書店の名前が出てきます。元の原稿では文誠堂だったんでしょうか。メディアワークスはこういう校正ミスが残念。

  • 最近増えて来た(気になるから目につくだけかな)書店もの。ファンタジーだったりキャラが立っていたり、色んなアプローチがあるので、これはどんな本かな、と読んでみる。表紙絵も好みだったし。
    結構リアルな書店事情に夢と優しさをプラスした感じ。全てIT化されていたり、隠し監視カメラをいくつも設置したり、って実際は中々難しそうだから、その辺が(書店員の)夢をプラスかなって。
    第四章の、あらすじ紹介にもある新人作家の作品をを仕掛ける話が一番面白かった。

  • 作者の成長を感じる。次の作品でどこまで変わるのか、また楽しみに待ちたい。

  • 【書店員って、ほんと大変な仕事だ。それでも、私は本を愛してる。】

     東京の小さな書店で、個性的な店員に囲まれながら働く楠奈津。文庫文芸担当の彼女は、新人バイトの紗和とともに膨大な仕事に埋もれていた。
     ある日、某出版社から持ち込まれた新人デビュー作のゲラを読んだ奈津は衝撃を受け、全店フェアを提案する。だが、「なぜ新人の作品を?」「情熱だけで売れるわけないだろ」と周囲から猛反発を受ける。
    「私が売りたいと思ったんですよ。売れてほしいと思った。それじゃいけないんですか!」
     果たして、奈津の想いは報われるのだろうか――?

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著者プロフィール

2016年に『人生はアイスクリーム』(メディアワークス文庫)にてデビュー。他の著作に『笑う書店員の多忙な日々』(メディアワークス文庫)がある。

「2021年 『ただの地方公務員だったのに、転属先は異世界でした。 ~転生でお困りの際は、お気軽にご相談くださいね!~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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