真夜中乙女戦争

著者 :
  • KADOKAWA
3.22
  • (30)
  • (43)
  • (57)
  • (37)
  • (13)
本棚登録 : 1447
レビュー : 75
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048962414

作品紹介・あらすじ

愛って、なんだ。永遠って、なんだ。眠れない夜は、どうすればいい。
この退屈は、虚しさは、どうすればいい。
どうせ他人になるのに、どうして私たちはどうでもいい話をしたがるのだろう。

どうせ死んでしまうのに、どうして今こうして生きているんだろう。
死ぬまでに本当にやりたかったことって、一体なんだったのだろう。

この春、青春小説史上、恋愛小説史上、犯罪小説史上、
最高に過激で孤独、そして正しく、美しい夜更かしが始まる。

著書累計、20万部突破。この一冊が、すべての絶望を紙屑にする。

         ***

友達はいない。恩師もいない。恋人もできない。好きな人の好きな人は私ではない。夢も趣味も特技もない。InstagramもTwitterもYouTubeもくだらない。なにもかもが眩しく、虚しく、どうでもいい。
東京で一人暮らしを始めた大学一年生の「私」は、夜になっても眠ることができない。やりたいこともなりたいものもなく、無気力な日々の中、「私」はサークルに入り冷酷で美しく聡明な「先輩」と出会う。しかし彼女一人を除いて誰とも馴染めず、すぐそのサークルとも疎遠となる。そんな「私」を唯一潤わしたのは、毎晩のように東京タワーの近くまで歩いて行き、毎晩のようにタワーだけを眺め続ける、そんな無意味な行為だけだった。 講義にもサークルにも行かず、散歩をするか、あるいは図書館で勉強を続けるだけの生活に半ば絶望していた夜、図書館横の喫煙所に佇んでいると見知らぬ男が「火、ある?」と声を掛けてきた。
この男との出会いが、これから起こることのすべて―悪戯、銅像破壊工作、大学破壊工作、暴動、そして東京破壊計画―つまり、最悪の始まりだった。一方、「私」と「先輩」の距離はだんだんと接近していく……。

感想・レビュー・書評

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  • 不要不急なデートがしたい

  • 読み応えがある
    文字量が多いが個人的には面白くスラスラ読めた。
    所々に素敵な文章がある

    “ 人は長所によって好かれ、欠点によって愛される”

  • 真夜中乙女戦争
    F著

    なんだろ。
    好き嫌い分かれると思うこの作品。

    自分は好き。
    文字のチョイスに、世界観。
    全てがハマる。
    読み終わってモヤモヤする感情。
    どこかで感じた気持ちが中々晴れない。
    時間が経って気づいたのは、映画「ファイトクラブ」と重なる。
    あの絶望的な感じ。
    変わることができる希望と憧れ。
    破壊と再生。

    映画のオマージュに小説のオマージュ。
    色々と面白かった。

    「ずっと好きでいるなんてできない」

    やっぱFさんの本は面白い。

  • どうしようもない夜に、どうしようもない自分に向けて読む。「失望しても絶望しない」のが大切。

  • Fという初めて知る作家。情報はゼロであるものの、「真夜中乙女戦争」というインパクトのあるタイトルと、東京タワーの装丁に惹かれて購入。
    この小説はきっと、私が物語内の登場人物(大学生)と同じくらいの年代だったら、人生を変えてしまうくらいの影響を受けたかもしれないなと思った。
    物語の内容というよりは、言葉の印象がとても強い。格言集を読んでいるような感覚の物語。

    自分が何をしたいのか、どうなりたいのか、よく分からないまま虚ろに生きてしまう世代というのは恐らく多くの人にある。何か特別なものになりたいという願望とか、だけどそうなれないと分かってしまった時の絶望とか。
    自分は他の人間とは違う特別な存在なのだ、という自意識が、この小説の主人公の中でも爆発している。中で、どころか外にも漏れ出ている。いわゆる中二病というものなのだろうけど、それが揶揄する意味合いで意図的に書かれているものなのか、それとも作者の内面そのものなのかは判別できない。

    何かを変えたいという衝動が、親友であった佐藤を遠ざけ、かくれんぼサークルの先輩に心惹かれ、黒服という数多の人の心を操る男に心酔するきっかけとなる。
    自分が惹かれる人間は特別のような気がする。だけどそれも買い被りで、醜く駄目な部分を持ち合わせる普通の人間だということに気づく日が来る。

    ラストが解釈しかねる部分があった。現実か妄想か。どこまでが現実でどこからが妄想なのか。それともどちらか片方なのか。
    象徴として現れる東京タワー。これ、スカイツリーだと雰囲気出ないんだよな、と思った。これは何の違いなのだろう。

  • すごく読み辛い文章だった。読む人にもよるんだろうと思う。とにかく今の私に会う本ではなかった。時々心に直接触ってくるような文章はあるものの、全体的にはとにかく読むのが苦しい一冊。

  • 2018/06/10
    この本に完全同意じゃない私は結構幸せなのかなって

  • 爆弾のような絶望を抱え、破壊衝動になけなしの筋道を立てた主人公が同志といろいろやらかす小説ーー明らかにノンフィクションであるものはあえて除くーーで、いちばん面白いのはイリヤ・エレンブルク『トラストDE』か、村上龍『愛と幻想のファシズム』か。稀代の名作映画『ファイト・クラブ』の、チャック・パラニュークによる原作もすばらしい。ーーと思っていたが、新たに衝撃的な一冊に出会った。平成生まれの匿名の著者による『真夜中乙女戦争』は、先の時代の各人が描き得なかった闘いを、平成の最後の年に露わにする。
    ストーリーは、いわば現代の日本の大学生の日常における『ファイト・クラブ』だ。しかし、イラク戦争を描く『ジャーヘッド』がベトナム戦争を描く『フルメタル・ジャケット』へのオマージュであり批判であるように、『真夜中乙女戦争』は前世紀末ーー日常を覆う資本主義を打破する展望がまだあり得たかもしれない時代ーーに描かれた『ファイト・クラブ』への批判である。『ファイト・クラブ』では、資本主義と消費社会を撃って主人公は自由になれた。けれども、『ファイト・クラブ』の問題意識は、2018年の日本の学生にとって、もはやリアルではないのだ。この時代にはこの時代の闘い方がある、のだろう。
    カタい話はさておき、この本は純粋にエンタメ精神の産物でもある。抑制の効いた美文からは、感傷の垂れ流しに堕するのを防ぎ、日本語のリズムや視覚効果にさえ気を遣って言葉を選ぶ著者の才覚が伝わる。著者による図版はただ目に心地よいだけではなく、計算されたリズムを感じさせる。時折主人公のツイッターであろう一文や、ラインメッセージと思わしき短文、そしてネタバレになるので述べないが謎の誰かによって発せられたセリフが挿入され、さまざまな種類の言葉で織りなされる世界を、遊びごころ豊かに、かつ巧妙に作りあげている。
    メタフィクションの傾向があるところも面白い。実在の大学や企業、先行する映画や小説、著者の前作まで登場する点も興味深いが、本の最初のうちに述べられる「主人公がいつまでも運命のなにかと出会えないまま終わる小説はこの世に存在しない」「虚構は虚構、現実はいつも圧倒的現実だ」という主人公の独白ーーおそらく著者の独白でもあるだろうーーが、端的にこの本の自己言及性を表している。冒頭の場面からほんのすこしだけ時が経ったという設定の、最後の一文を読み終えた読者は、そのとき伏線を回収するとともに、自問自答するかもしれないーーではこの本はどうなのだろう?と。この、本来フィクションたる小説の枠を飛び越えて突き付けられる問いは、そのまま主人公の自問自答でもあるのではないだろうか。主人公は、この「ほんのすこし」の間に、「運命のなにか」と出会えたのだろうか?そもそも小説とはなんだろう?これは小説なんだろうか?主人公がこの一冊をかけて求めた「永遠」の、「運命」の、自分の独白なんぞを否定し去る夜を、彼は「ほんのすこし」の間ーーそれはこの本一冊の間でもあるーーの末に掴めたのだろうか。そして著者は?ーーこの問いが、本来バラバラである読者と、主人公と、著者の存在を一瞬だけ結び付ける。おそらくは計算ずくの構造によって。見事である。そして切ない。

  • 京都の森見登美彦、東京のF、もしくは、ガラの悪い森見登美彦って感じ(笑)

    作者は、森見さんと村上春樹さんを相当意識してると思った。くるりのばらの花とか出てくるあたり、同世代かな?

    映画化されると聞いて、ずっと池田エライザさん想像しながら読んでました。小説より映像化した方がわかりやすそう。

  • 生きているならそれでよしとする。

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著者プロフィール

1989年11月生まれ。神戸出身、新宿在住。男。著作に『いつか別れる。でもそれは今日ではない』『真夜中乙女戦争』。

「2020年 『20代で得た知見』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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