気がつけば地獄

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 355
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048969406

作品紹介・あらすじ

中屋紗衣は、都内近郊に暮らすパート勤めの37歳の主婦。
ある日、紗衣が夫に内緒で購入した美顔器が、別の住所宛の荷物と入れ替わって届いてしまう。
その誤配達を企んだのは、夫の不倫相手・夏希。
夏希はSNS上で誤配達に困っている紗衣を発見し、身元を隠して交流を深めていく。
SNS上で距離を縮めていく二人、変わりゆく夫婦関係……。
予測不可能、衝撃展開のサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • くるたんさんのレビューを読んで手にした本です。

    「気がつけば地獄」夏希にとっては本当にそうだろう。意図せず不倫に落とし込まれ、絶望と嫉妬を無理やり渡された。
    不安から祐一の愛情にすがるようになり、自分でも制御が効かない状態になってしまう。
    不倫を擁護するつもりはないけど、この場合、夏希はどのくらい悪いのか?被害者じゃないのかと思ってしまう。
    とにかく諸悪の根元は祐一。最低の男である。

    紗衣の夏希に対する気持ちは最終的には、どっちに振れるのか。最後の台詞ではどっちにも取れる感じだったので、あと少しだけ続きを読みたくなる本でした。

    • くるたんさん
      raindoropsさん♪
      こんにちは、またまたありがとうございます♪

      ほんとうに主悪の根源はこの旦那でしたね〜。
      女性陣は賢いと思うので...
      raindoropsさん♪
      こんにちは、またまたありがとうございます♪

      ほんとうに主悪の根源はこの旦那でしたね〜。
      女性陣は賢いと思うので、もっと別のところでこの能力を発揮してもらいたいと思いました✩⡱
      2023/02/09
    • raindropsさん
      くるたんさん、こんにちわ。
      コメントありがとうございます。

      女性陣の仕返しが読みたくなりました。
      紗衣と夏希はいい友達になれたかもなあ、と...
      くるたんさん、こんにちわ。
      コメントありがとうございます。

      女性陣の仕返しが読みたくなりました。
      紗衣と夏希はいい友達になれたかもなあ、と思ってしまいました。ぜっったいに無理だけど。
      2023/02/09
  • 気がつけばラスト!の一冊。

    妻、浮気夫、その愛人。宅配便の誤配達を機にこの三人の日常が絡まり転がりだす物語。

    この設定、展開は興味津々のスタート。

    三人それぞれ丁寧に描かれる心情描写は何より軽快で読みやすい。

    うなずいたり、笑ったり、怒りもあれば時折悲しみも味わったり。
    気がつけばラスト!というぐらいの一気読み。

    この妻も愛人も元々は女性として賢いし魅力的だと思う。だからその賢さ、魅力をこの浮気夫に対しでなくそれぞれの場で輝かせられたら良いな。

    結末といい、読み手にその後をあれこれ想像させるこの魅せ方も巧いと感じる面白さだった。

  • タイトルに興味を引かれ読み始めると…
    ドロドロした恋愛小説かと思って、やめようと思ったけど、最後の最後まで読んで良かった。

    途中やめないで繋ぎ止めたのは荷物の行方が気になったからかも。

  • 浮気をしている夫
    それに気づかない妻
    そして浮気相手の女性

    浮気相手の女性が仕組んだ罠をきっかけに、妻と浮気相手はTwitterで知り合い、その罠から抜け出そうとして最後は、、、

    とても読みやすくドラマ的で空いている時間で読み進められるほど面白い作品でした。
    妻以外の女性との甘美な時間を過ごすのは男性にとって危険な魅力なのかもしれませんが、それはみんなが不幸になる結末しか訪れない最低の行い。
    タイトルの『気がつけば地獄』はいったい誰にとっての地獄だったのかとふと考える。
    一番の地獄は、自分は独身だと女性を騙して浮気した夫かもしれないが、自分のせいじゃないのに地獄を味わうことになった浮気相手の女性と妻の2人が切ないです。
    日常的にな面と非日常的な面が垣間見え、本当に楽しめた作品でした。

  • サレ妻にぐいぐい近づいてくる不倫相手の女がコワイ。 
    もうちょい痛い目見てたらスッキリするんだけど、意外になんの天罰もくだってないので、ちょっとモヤモヤ……。

    夫は、最後にボロを出すところがマヌケだなぁ。そのほかも、いろいろ残念な男。

    しかし、夫婦だからって、気持ちを何でも言い合えるわけじゃないのが現実。むしろ、夫婦だから言えないこと、言わないこともあるんですよね。
    とりあえず目の前の平穏を優先させて、自分の心の中にはじゃりじゃりと砂が溜まっていく感じ……他人事じゃないような。

  • ドラマを見ているような感覚に陥って
    最近の読書の中では最短記録かな?
    2日間であっとゆうまに読んでしまいました。

    夫が不倫している女と、その夫の不倫相手の女が現代ならありえそうなsnsで繋がるというお話。

    女性は特に?恋に落ちていると
    誰でもsns探偵になれますよね。笑

    私は夫がいるので、夫が不倫したら〜と思って読んでいて、主人公の夫が家になんとなく帰るのを遅くしたいとか、そーゆー気持ち、私も夫にさせてるんだろうな…とか、男性目線でも書いてあったので勉強になりました。

    これからはなるべく無言の圧力や、
    イライラをぶつけるのはやめよう…。
    なるべく。笑

  • 不倫がテーマなのにドロドロ感が薄くてさくっと読めた。
    荷物が気になってしょうがない。

  • 図書館で借りた。
    難しい言葉はなく、短い文が多く、サクサク読める。
    漫画みたいな印象。
    「予測不可能、衝撃展開のサスペンス」とあるが、
    そんなでもない。
    胸のじゃりじゃりとか、家族の輪郭をなぞるとか、
    独特の言い回しはなるほどと思わせる。
    夏希の心理描写も、
    なるほど不倫女はこんなふうに考えているのかもな、
    と思わされた。
    祐一が紗衣の不倫を疑うのは胸糞だった。
    不倫している方が相手を疑うのはあるあるなんだろう。
    はっきりしたのは紗衣の変化と夏希の就職で、
    肝心なところは結論が出ずに終わる。
    体験談なら本当に知りたいのはその先の地獄だ。
    そこは読者に想像させる構成だった。
    荷物の中身も結局分からないし。
    読んでいる最中はそこそこ楽しいが、
    終わると残念に思う作品だった。

  • 終始、ザワザワ。
    不協和音が鳴り響く。

    でもめっちゃ面白い。

    登場人物を身近に感じ、すぐ傍で起こってもおかしくないリアルさを秘めている。

    都内近郊に暮らす37歳の主婦・紗衣、その夫でSNS系が大嫌いな祐一、夫の愛人・夏希。
    物語はこの三人を中心に展開して行くのだが、巷に溢れる不倫物とは一味違う。

    不倫=ドロドロのイメージは微塵も感じず、当初、夏希に抱いていた怖さは読み進むに連れ、共感へと変化する面白さがある。

    妻の不満、夫の不安、夏希の揺らぎ、どれも手に取る様に伝わる。

    女の強かさと男の甘さを思い、見返したタイトルに嗤う。

  • 図書館にて。
    コミック版をネットで読んでいて、書籍が出ているとあったので取り寄せてみた。
    愛人が、手の込んだ面倒くさい嫌がらせをしたら、それが思わぬ方向へ…というところから始まる。
    途中、夫の独白場面があってびっくり。
    妻と愛人のどろどろで突き進むのかと思ったら、夫のぼくちゃんかまってよ的な言い訳が出て来てほほうというかんじ。
    愛人はものすごくいいタイミングで姿を消してエスバーのようだった。
    振り回された奥さんには同情するが、真相がわかったこの後の描かれてない展開にも心から同情する。
    こういうこと、きっと実際にあるんだろうな。
    娯楽として、読み物として消費して申し訳ない気がする。

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著者プロフィール

1964年大阪府生まれ、群馬県育ち。2008年に第3回『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞。翌年、受賞作を表題とした短篇集『枯骨の恋』でデビュー。14年7月に刊行された『残花繚乱』がTBS木曜ドラマ劇場で「美しき罠〜残花繚乱」として連続ドラマ化される。17年公開の映画『嘘を愛する女』の小説版がベストセラーに。著書に『気がつけば地獄』『生き直し』『パパ』『フリー!』などがある。

「2024年 『母をさがす GIベビー、ベルさんの戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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