- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048969574
作品紹介・あらすじ
【本文より】
仲良かった友達は皆、私立の中学校へ進学。急に一人ぼっちだ。
私の母校の中学校はいくつかの学校が一つに合併した学校であった為、とにかく人が多かった。
人が多ければそれだけ沢山の友達ができると思っていたが、全然上手くいかない。
お昼ご飯は給食ではなく、お弁当であった。小学生の頃の近くの席同士の人と机をくっつけて食事をともにする形式とは違い、お弁当を一緒に食べたいと思う人を誘う形式である。
給食がないことは少し寂しいが、お友達を作るチャンスでもある。
勇気を出して周りの子にオファーをかけるも、「ごめん、無理」とのこと。
明日は明日の風が吹くのだ。また明日誘えば良い。
ある時、「小学生の頃のあだ名」がクラスで話題となり、不意に「あだ名」があるかどうかを問われた。
私はそもそも会話には参加していなく、聞いていただけなので話を振られて嬉しかった。
そして私は小学生の時、仲が良かった子にあだ名を貰っていたのだ。
私は咄嗟に「ななんばって呼ばれてたよ!」と会話に参加できた嬉しさも相まって、よく分からないテンションで答えた。
会話は一瞬静まり、「え、山姥みたい」と誰かの小馬鹿にしたような声が響く。
その発言から私は、何も言葉を発することはできず、友達もろくにできないまま会話は終了した。
それから2週間が経った頃、教室に入ると違和感を抱く。私以外のクラスの女の子の鞄に赤いふわふわの大きなキーホルダーが付いているのだ。
最初はその赤ふわの意味がわからなかったが、男子がそれについて触れる。
一体それは何なんだと。
どうやら話を盗み聞くに、私以外のクラスの女の子全員で懇親会が開かれ、皆でお揃いの赤ふわキーホルダーを買ったとのこと。
なるほど。明日は明日の風は吹かない(続)
感想・レビュー・書評
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2023年読了
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人と違うことでいじめられた学生時代。
そんな中で音楽や映画に自分の世界を見出し、社会経験を通して視野を広げ、無敵の今がある。
きれいな筋だなと思うけど、刺さりはしなかった。
いい出会いをたくさんされているな、とは思った。
学生時代は人並みにうまく生きてきたけど、稲妻に打たれたようにのめり込めたといえるものはないし、大人になるにつれてどんどん捻くれのねじりが酷くなっている。
かといって特別不幸じゃない。
そんな話が好き。 -
文章はとても読みやすかったし面白かったのですが、本人もネットで叩かれたと書いていた、ちょっと恐めなタトゥーが入っている写真が巻頭にあって、それがどうしても気になってしまったので星二つにしました。
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飾らない文章で時にはクスッとなり、非常に読みやすかった。あの、画面越しで見ていた「岡奈なな子」が今の姿に至るまでの軌跡を記している。思想や自分自身についてあまり多くを語っていないのも良い意味で彼女らしい。(こんなことを書くと私の何がわかると言われそうだが笑)
辛い経験、楽しかった経験人間誰しもが抱えているワケで。そんな岡奈なな子の様々な体験を簡潔にまとめた一冊。 -
すっと心に入ってくるエッセイ
惹かれる -
YouTuberさんのエッセイ。
とても読みやすくて、すっと心に染み込んでくるような文体だった。 -
変に取り繕ったり着飾ったりしないでありのままの自分を魅せているのが
その他大勢のアイドルyotuberと違う魅力。
このエッセイでも暗い過去も包み隠さず記されている。
生きづらさを抱えている人は共感してより彼女のことを身近に
そしていとおしく感じられるのではないでしょうか。
映画と音楽チョイスのセンスの良さが好き。 -
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岡奈なな子ちゃんは最近お気に入りのユーチューバー。
今まではキラキラした美容系ユーチューバーばかり見ていたので、飾らないなな子ちゃんは新鮮で、画面から溢れる昭和レトロな雰囲気にすっかりハマった。彼女に出会えたおかげで生活感あふれる日常の風景も、エモくて今この時しかない特別なものに見える様になった。
美人で、友達もいて、料理を美味しそうに頬張る彼女は私にとっての癒しであり、彼女の書く本はどんな素敵な楽しいエピソードで溢れているのだろうとこの本に手を伸ばした。彼女に壮絶な過去があったなんて微塵も思ってもいなかった。
数々の困難を乗り越えてきた、しなやかな強さ、達観した考え方、これらがなな子ちゃんの「おかん」的な安心感を形成しているのではないかと感じた。ますます応援したいと思えた。読んでよかった。