ブラックベリー・ワイン (BOOK PLUS)

  • KADOKAWA
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048970235

作品紹介・あらすじ

執筆に行き詰まり、ロンドンで荒んだ生活を送るジェイ・マッキントッシュ。少年時代にある炭坑町で出会った不思議な老人ジョーとの夏の思い出を描いた作品は、ベストセラーとなったが、それも14年前の話だった。世界中の珍しい野菜や果実を育て、ワインやジャムを作り、おまじないを信じ、かつての冒険を熱っぽく語るジョーに少年ジェイは夢中になった。しかし、老人は、ある日忽然と姿を消してしまったのだった。思い出の炭坑町を訪れたジェイは、奇跡的にジョーの作った6本のワインを見つけ、持ち帰る。そして、まるでそのワインの不思議な力に導かれるように、南仏の田舎村ランスクネに移り住むことを決心する。気のいい村人たち、奇妙な隣人マリーズとその娘ローザとともに、そこでジェイを迎えたのは、なんと、懐かしいジョーの亡霊だった…。謎と愛と友情が絶妙に溶け合ったワインがもたらす小さな奇跡。薫り高く芳醇な味わいで、人生の不思議と喜びを歌い上げる、大人のための寓話。

感想・レビュー・書評

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  • おとぎ話風な世界観が印象的な「ショコラ」という映画、結構好きな映画です。
    図書館で「ショコラ」の原作者、ジョアン・ハリスが書いた本を見つけたので借りてみました。

    主人公はイギリス人の作家、ジェイ・マッキントッシュ。
    大ヒットした一冊の本があるものの、それももはや過去の話。
    今は別名で書くインチキっぽいSF小説でなんとか食いつないでいる状態。
    ジェイの心は少年時代の、元炭鉱労働者のジョーと過ごした日々の中をいまだにさまよい続けている。
    ある日偶然、フランスの田舎の不動産物件のチラシを目にしたジェイは、いてもたってもいられず、フランスへ旅立つ。
    ジョーが作ったワインの瓶をカバンにつめて。

    ジェイの少年時代と、現在の場面とが交互に語られ、
    イギリスの炭鉱の町と、フランスの田舎の村の風景が叙情的に描かれます。
    物語のエンジンがかかり始めるまで、ややもたつく印象はあるものの、フランスの村での生活が始まって、ミステリアスな隣人の女性マリーズが登場してからは完全に物語の世界にひきこまれてしまいます。
    閉鎖的な農村とそこで暮らす人々のキャラクターや、ジプシー、おまじないのような不思議な風習などは、「ショコラ」と重なるものがありますね。

    イギリスの炭鉱の町のはきだめのような場所、とか、フランスの農村の家のたたずまい、とか、日本人としてはやはり漠然としたイメージしか描けません。
    海外旅行の良さのひとつは、「ああ、こんなところだったんだ」と、本や映画の中の世界を実感をもって感じることができることでもあります。

    海外旅行、そろそろ行きたいなあ、と思わせてくれる一冊。

  • ベストセラー『ショコラ』の村を舞台にした、もうひとつの奇跡。特別な自家製ワイン
    「スペシャルズ」がもたらす、大人のためのファンタジー作品です。有名作家のジェイが
    全てを投げ出して向かったフランスの小さな村。そこに居るはずもない懐かしい人との再会
    過去の苦い思い出、気になる隣家の母娘…。少年時代と現在とが交互に語られていきます。
    少年と老人、鉄板の組合せ。興が乗るまで時間がかかりましたが、後半は一気読みでした。

  • 『ショコラ』と同じ村が舞台になっているが、こちらの方が現実的だった。にもかかわらず読み始めたら止まらなくなってしまった。
    ジョゼフィーヌやクレルモン夫妻、ルーやナルシスなど懐かしい面々に再会できた。

  • 軽く読むと、大人のファンタジーだけど
    掘り下げて読めば深い問題が見えてくるのはショコラとおんなじ。

    田舎の生き残る道って難しいんだろうな…

    それにしてもジョアン・ハリスの作品は海外文学らしい読み辛さがないのに外国の匂いがして好きだなぁ。
    訳のうまさもあるのだろうが。。

  • 「ショコラ」の続編。というか、物語としては別につながっていないのだが、同じ村を舞台にしているので、登場人物が数名再登場。「ショコラ」を薦めてくれた友人はこちらの「ブラックベリー・ワイン」の方が良い!と言っていたが。私としては「ショコラ」の方が好きかも。「ショコラ」の時も若干感じたが、数ページずつ交互に語り手が変わったり、今回で言えば、現在と過去が交互に語られたり…というのは、あまりに続くと鬱陶しいかんじがする。気分が分断されるというか。ということで、はじめの方はそれが気になってあまり感情移入できなかった。が、それなりに良い話ではあるのでなんとなく良い余韻は残る。(歯切れの悪い言い方だなぁ…^^;) (2003 Dec)

  • 高校卒業前に読んだ、上質なワインの味わいの大人な物語。

  • 大人向けの上質なメルヘン小説。

  • おもしろかった

  • 執筆に行き詰まった作家ジェイは、ロンドンを離れ、少年時代に出会った老人が作ったワインの不思議な力に導かれフランスへ移り住む。ワインがもたらす人生の奇蹟と喜びを歌い上げる大人のためのファンタジー。

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