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本棚登録 : 149
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048972017

感想・レビュー・書評

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  • 『闘争領域の拡大』は半笑い、『素粒子』は無表情で読んだけれど、本作には(変態シーンは薄目で読んで)引き込まれたし、気持ちが揺さぶられる点もあった。ウエルベックが進化する書き手であることがわかって良かった。

    恐るべきラッキー展開とヴァレリーの夢の女っぷりが凄まじい。呆れるよりも、こんな物語を創作してしまうウエルベックの抱える思いが気の毒でたまらない。主人公その他のげんなりさせる考え方を切り捨てられず、大事なものが自分以外ない状態の人はこんな風に考えるのかと、ひとつ新しい世界が開けたような気持ち。文学の力じゃないでしょうか。

    観光業界小説としても興味深かった。南国に旅立ちたくなった。

  • 性風俗は常に禁止を追い求める。そしてある禁止を侵犯してしまうと、次の禁止を探す。禁止は社会とともに移り、禁止は社会によって投影される。ウェルベックはヨーロッパ的思考の限界、もっと言えば我々の存在する世界そのものの行く着く袋小路にウェルベックは先回り、途方にくれながらマスターベーションをしている。そんな印象を受ける。

  • フランス人「全裸中年男性」の、一瞬の幸せとその前後のアップダウンを描いた小説。

    観光の様々な魅力や過激なセックス、テロの恐怖、死などが独特かつ圧倒的な描写で描かれている。
    さらに人種差別、女性蔑視、イスラム嫌悪など炎上必至案件も、何に忖度することもなく盛り込まれている。

    300ページ以上の小説なのに、終始こちらを揺さぶりながら速度を緩めずに突っ走り続け、なおかつそこから全く緻密さが抜け落ちていない、稀有な本。

  • 閉塞した西洋の価値観を胸の悪くなるような文章で明らかにし続けるウェルベックの作品。白人至上主義を糾弾する白人。イスラムテロを先取りしたとか言われるが同時代感覚が鋭いのだろう。もっと読み込んでいきたい。

  • バカンスに持って行く本として、グリシャムの「法律事務所」、バルダッチの「全面支配」を選んじゃうミシェルはやっぱり冴えないおじさんだよー。「ホロー荘の殺人」のヴァレリーの方に一票だな。

  • 書店で見つけ、購入。
    日本は海外の現代作家の紹介が少なすぎる。
    本作も、日本人かと思うぐらい繊細な描写。(具体的な繊細さ。例えば周りの人に気を遣う所とか)


    完読ならず。
    amazonにて売却済み。

  • エグい。だけど面白い。人間の肉欲を突き詰めて描いた小説です。

  • インモラルにも程があるんじゃ…

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著者プロフィール

1958年フランス生まれ。ヨーロッパを代表する作家。98年『素粒子』がベストセラー。2010年『地図と領土』でゴンクール賞。15年には『服従』が世界中で大きな話題を呼んだ。他に『ある島の可能性』など。

「2023年 『滅ぼす 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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