11分間

  • 角川書店
3.61
  • (21)
  • (37)
  • (66)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 318
感想 : 41
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048972123

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2013.01.12読了。

    やっぱりパウロ・コエーリョの本の中でこれが一番好き。

    マリーアという少女が故郷を離れ、売春婦になる話。

    初めて読んだときはまだ十代で、愛についても、性についても読んでてわからないことだらけだったし、衝撃的な内容だらけで...
    ただマリーアの考え方?思考パターンが自分と似ている部分があり、親近感が湧いて、単純にマリーアの物語として読んだ。

    今回読み直してマリーアの心のさらに深い部分を理解できるようになった。
    それはマリーアよりも私が年上になりいろいろ経験したから。
    そしてマリーアの中にいろんな自分を見ている気がした。

    パウロの本で私は精神、哲学の部分が好きでこの11分間でも考えさせられることがたくさんあった。

    セックスについてのいろいろな話は興味深く、醜くもあり、美しくもあった。

    また時間が経ってから、できれば結婚したあとに、読んでみたいと思う。

  • 「むかし、あるところに、マリーアという名の売春婦がいた」マリーアは、ブラジルの田舎町に育った美しい娘。恋愛に失望し、スイスの歓楽街で売春婦をして暮らしている。セックスによる陶酔など一度も味わうこともなく、日記帳だけに心を打ち明ける毎日。だが運命的な出会いが、マリーアに愛の苦しみと痛み、そして至上の喜びをもたらそうとしていた――。
    原題:Onze minutos
    (2003年)

  • ・自分が知らないことは何でも質問するように決めていた
    ・私の中に3人いる「純真な少女」「運命の悪女(支配権はこちらが握る。彼らは虚勢を張る必要がなくなる)」「慈愛に満ちた聖女」
    ・人間は魂の中にとんでもないファンタジーを持っている
    ・自分のものを何か手放すこと。大切なものを、人に求める前に、こちらから差し出すこと。
    ・一番深い欲望は、誰かに近付きたいという欲望
    ・可能なかぎり徹底的に自分を投げ出すこと、引き換えに何も求めずに自分の心を差し出して、相手にゆだねること
    <あら、あなたはそのことにちういて考えていたいの?ならどうぞ。お望みのようにするといいわ。私はもっと大切なことに時間を使うから。>
    ・喜びの探求の方が、痛みの必要性よりも重要。
    ・二人が愛し合っているのは、お互いがお互いを必要としないと分かっているから。
    ・男にとってセックスより大事なことースポーツ。他の男の体なら理解できる。
    ・セックスのとき、男は何かに恐れを持っているようだった

  • 途中まで私とマリーアは同じ考えだった。

    「すべてのものが大切なものだ。人生を濃密に生きている人は時間のすべてを楽しみ、セックスがなくても不足を感じない。その人がセックスをするのは過剰によってなのだ。それはワイングラスがいっぱいになりすぎて自然とあふれるからなのであり、絶対的に不可避だからであり、その人が人生の呼びかけを受け入れたからであり、その瞬間、その瞬間だけ、その人は抑制を失うことに成功したからである」

    ある意味冷静である。成熟しているとも言える。
    しかしマリーアは運命的な出会いをしてセックスの神秘世界を知り「映画の世界w」と思っていたものに加わる勇気をもつ。
    平たく言えばそういうこと。
    信じるか信じないか。私にはわからないので、保留ということで。

  • 何度読んだかわからないぐらい読んで、表紙がぼろぼろになった。今回も良かった。
    今日が人生の始まりの一日であるかのように生きる。

  • この本、女性ファンが圧倒的に多いと思うのと同時に、本のように自分自身のからだを研究しつくし知っている女性は少ないと思う。

    私はこの本に救われた想い。どうしようもなく嫉妬心が出てきた時の美しい解消法はなるほどと実践したくなり、素直に生きることの大切さや本心に耳をすますことだとかは改めて思い出すことができた。

    そういうことを、私がやってみたとして理解してくれる(少なくとも動じない)パートナーがいる安心感・幸福感に満たされたかんじ。

  • 娼婦のお話

  • まじめな本ではあるものの、読後、色褪せる小説。展開そのものが強引で、都合よくコエーリョの感性と主張を織り交ぜただけのこと。そもそもマリーアに魅力がない。性的魅力がない。艶かしさに欠ける。11分間というのもおかしい。無機質な若い女性が最後まで無機質だったのも、11分間というタイトルのせいなのかもしれない。

  • 感情が変われば、体が変る。出稼ぎ娼婦マリーアを聖娼婦に昇華させることで、生身の女性ということに目覚めさせる。肉体と心の一致がオーガズムを与えるー、ということか?ブラジルとスイスー。温度差を感じる場所設定が面白かった。後半終わり、図書館司書が唐突にグイグイきた意味は、マーリアのさまざまな問題(のひとつでもあるような気がする)を捕捉するためのエピソードなのかもしれない。ラストはオヨヨな甘いハッピーエンド。2人の今後がかえって心配になった終わり方だった。

  • なんというかなぁ。多分いい事言ってるんでしょうけど、どうも理解できそうで理解できない。私自身に恋愛経験が少ないからでしょうか。脱いだり着たり会話したり、そんな時間を除けばたったの11分間。その時間をどう過ごすのかによって、もしくはその時間を使わず二人の心の中に持っておくことできっと何かが見える。この本は読んだ時の年齢や状況によって受け取る側の感想が変わりそうだな。

  • 毎日たくさんの本を読む友人がFacebookで紹介していたので読んでみました。
    哲学的で私にはちゃんと理解できないところもありました。11分間について、難しく考えなくても良いのかもしれません。
    一番ひかれたのは主人公の強い心。辛い時に「あなたはまだそのことを考えていたの?なら好きにしなさい、私は別のことに集中するから」と心を整理し、周囲の音に、今に、集中するところ。いいことばかりではない人生でそのようにして過ごしてきた彼女から、知恵を学びました。

  • この小説の主人公は、ブラジルの若い女の子。
    ひょんなきっかけからスイスに渡り、売春婦になる。
    1年だけ。1年だけと決めて彼女は売春婦を続けるうち恋をしてしまう。

    この本の主題 それは、まさにセックスと愛なのだが、娼婦のような職業が彼女のような生温い態度で勤まるのかどうか疑問だし、簡単に足を洗える環境と本人の強い意志があるのかどうかもわからない。
    けれど、コエーリョは、主人公を理知的な向学心のある女性として描こうとしているし、彼女は特殊な売春婦だったのかもしれない。

  • 売春婦が主人公で、官能的な表現も多々あるけど、決して官能的なだけの小説ではない。
    聡明な主人公のマリーアがただひたすらに愛について思考を巡らし考察を続ける様子を描き出す言葉が、詩的でとても美しいと思った。
    マリーアの日記が挿入されて物語が進む形式が物語への理解を深めてくれる。
    ラストシーンも好きです。
    好みが分かれる作品かなとは思うけど、読めてよかったと思う。

  • 一言で言ったら"エロ小説"。人によって好き嫌いが分かれると思う。でも、エロ小説という一言では片づけられない示唆的な言葉がいたるところに散りばめられてあって、すごく楽しかった。深いこともさらって書かれていたので勢いに乗って読めた。
    Paulo Coelhoさんはブラジル生まれなのでブラジルのことや、ブラジルでの迷信(ブラジルでは静電気が起きない!とか、初めて入る家を出るときは、自分でドアを開けて帰ってはいけない!とか・・)だったり、人間の起源の言い伝えだったりが書かれていて初めて知ることが多かったです。

    人は結局孤独で、愛されたくて、対になる人(愛)を探して生きているんだな~。

  • 聖人(だと思う、この人は)パウロ・コエーリョが書いた小説。
    聖人がセックスをテーマに書く、というので少しどんなものかと思ったのだが、特別どうということもなかったな。
    相変わらず思索を描くのがとてもうまいと思った。


    結論は、みんなもっとセックスに明るくなろうよ、ということだ。
    うん。うん。その通りだと思う。

    しかし物語の展開と主人公のマリーアの思索の展開も早すぎて少し軽い。それぞれのキャラクターの背景描写もどことなく浅い。
    聖人もセックスというテーマの重さに少し力が入ったのかな?
    著者こそそれについてもっと明るくならなきゃいけなかったのに。
    悪い本ではないです。

  • パウロ・コエーリョは物事の真髄を綴って見出そうとする作家さんなのかしらと思った。
    途中で読むのをやめてしまったのだけど。

  • ちょっと前に話題になってましたね。図書館で見かけて、どんなもんかと借りてみました。
    ちょっとオトナな童話といったところでしょうか。
    主人公の売春婦マリーアが聡明で、考えさせられながら読めるのがよかった。愛とは?誰もが必死で求める11分間とは?
    安い官能小説ではなかったです。
    ラストはいかにもドラマチックでいいなあと素直に思いました。

  • 「わからなくていいの。私は、あなたの知らなかったことを発見したから教えただけ。プレゼントするっていうことを。自分のものを何か手放すこと。大切なものを、人に求める前にこちらからあげること。・・・・・・」

    やっと読めました。一体どうなるのかと、なんだか必死だけどゆっくりと読み進めていたのでありました。
    数奇な流れで売春婦となったマリーア、愛を求めたいけれど求められない。
    そんな彼女が見つけた愛は、本当に続いていくのかな、そんなことを思った。

    作者パウロ・コエーリョ、ファジルと一緒になにか大使をやっているようです。
    もう何作品か読もうかな。

    【5/22読了・初読・大学図書館】

  • コエーリョばかり読んでる。
    欲しいことばがすべてそこにあるので。

  • 中身見ず買ってみたものの・・
    これはエロ文学の分類?になるものなのかな

  • ものすごく過激。

  • 愛に諦めたあとで、愛を知った人が読むと理解できると思う。
    私もまだ性的な問題を抱えてるから3割も判ってないと思う。
    あんなおじさんが書いたとは思えない繊細な女性の文章。
    流れるような翻訳だった。

  • パウロ・コエーリョのいままでの作品のなかで、いちばんリアルで、いちばん心にしみました。リアルな愛について、とっても真剣に考えてしまう作品。
    愛って、即物的だけどとっても難しいもの。

  • 2月13日

  • 初めてのパウロコエーリョ。
    ここから好きになった。

  • 1:2:セックスなんて11分間の問題だ。脱いだり着たり意味のない会話を除いた“正味”は11分間。世界はたった11分間しかかからない、そんな何かを中心にまわっている−。(あまりに引用されすぎる言葉だけど、矢張りインパクトのある文章なので。)3:町田リブロにて、結構昔。4:えろい。と一言で言ってしまうのは気が引けるけれど、感想を述べるならまずは言うべき言葉かも。セックスが主題の本なのだから当たり前と言えば当たり前。えろい。素敵。エロスと聖なるもの、醜さと美しさ。リビドーが愛に昇華される瞬間の描写がさすがコエーリョ!と膝を打ちたくなる。読了後誰かと愛あるセックスをしたくなります。5:本文より、L・ザッヘル=マゾッホ『 毛皮を着たヴィーナス』

  • 読んですぐ、人に貸してしまったが、改めて読むと赤面。意外とセキララなんだもの…

  • 2005/8/3 日記で。

  • 誰でも意味があって面白い人生を探すものだと思うけど、一人の若い女性はこんな風に探すんじゃないかな。

  • よかったー

全41件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

1947年ブラジル、リオデジャネイロ生まれ。現代において最も影響力のある作家の一人といわれている。2002年よりブラジル文学アカデミー会員。著作の多くが世界的ベストセラーとなり、88か国語に翻訳され、これまで170以上の国々で3億2000万部以上を売り上げた。多くの名誉ある国際的な賞を受賞しており、そのなかにはフランスのレジオン・ドヌール勲章がある。2007年には国連ピース・メッセンジャーに任命された。

「2021年 『弓を引く人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

パウロ・コエーリョの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×