ラブリー・ボーン

制作 : 片山 奈緒美 
  • アーティストハウス
3.11
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本棚登録 : 193
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048981200

作品紹介・あらすじ

ある冬の日、少女は殺された。けれど、少女は天国から愛する家族を見守りつづける。「みんなのこと大好きだから、ずっとそばにいるから、だから…」。いつもと変わらぬ学校からの帰り道、家に帰れば大好きな家族が待っているはずだった。けれど近道をするために通ったトウモロコシ畑で悲劇は起こった。近所に住む男に、14歳の少女スージーはレイプされ、殺されてしまったのだ。愛する娘の死に、家族は静かに崩壊していく。父親は犯人を追うことだけに人生を費やし、娘を守ることができなかった罪の意識から母親は家を出ていってしまう。妹と幼い弟は、姉の"影"を感じ、自分の存在に不安を募らせる。そのすべてをスージーは天国から見守り、けっして聞こえることのない声を愛する家族にかけつづけていた。「わたしの死をひきずらないで。ただ忘れないでほしいだけなの…」。家族の崩壊と再生、そして永遠に消えることのない愛を描き、全世界からかつてない熱狂で迎え入れられた、250万部突破の驚異のデビュー小説。

感想・レビュー・書評

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  •  小児愛の傾向がある連続殺人鬼にレイプされ遺体を隠蔽、廃棄された14歳の少女が、死後天国から残された家族や友人を見守る……というあらすじから誤解しがちだけど、この話はミステリではないし、劇的な犯人逮捕も少女の霊が犯人に鉄槌を下すことも霊能力者が捜査に協力することもない。少女は無力に家族を眺めることしかできないし、時間は淡々と過ぎ去っていく。基本的に、この話は残された家族のその後、家族の一員を失った傷とそれから徐々に癒えていく様子を描いたものである。
     それはいい。寧ろ好みだ。過度に悲惨になることもメルヘンになることもない、良いバランスだったと思う。どうしても納得できないのが、事件から数年後、少女の霊が霊感持ちの友人の体を借りて当時好きだった少年(今は青年)とセックスをする降りである。
     無惨にレイプされ殺された少女に救いを与えたかった、という狙いなのだとは思うし、それを否定したくはないのだが、如何に体を借りた友人と少年(だった青年)が相思相愛の関係になっているとはいえ、友人の許可もなく体を借りてセックスをするというのは、構造的に「少女が友人をレイプした」ことにならないだろうか。
     百歩譲って友人に許可をもらって体を借りる、二人がセックスをするとき体に同居させてもらって体感するなどだったらここまで拒否感は抱かなかったのだとは思うが、少女の「現世に関われない」というルールを破らせてまで与える「救い」にしては、やや安易過ぎないかなとは思った。単純に私の好みじゃなかっただけかもしれないけども。
     そこ以外は少女は現世に直接影響を及ぼさないので、結局は単なる二人の初夜で、少女が取り憑いたというのは幻想なのかもしれない。この話は死者に救いがあってほしいという願いでもあるのだから。ただ、他の展開はいやに現実的なだけに、その箇所だけ酷く浮いて見えた。

  • スージーは殺された女の子。彼女が残された家族を天国から見守っていく。そして残された家族は長い再生の道に。レイプと殺人という重い話題を取り上げているが、それに家族の再生という希望を描いている。天国ってその人その人の天国があるというのは納得。信じたいな〜。

  • 辛すぎてまだ全部読めていない。文体がふんわりしてるからこそ余計つらい。

  • 映画を観て気になり原作を借りた。
    ストーリーは分かっていたものの、映画ではなんでこうしちゃったんだ…と思いながら読みすすめた。
    展開の変わりが分かり難いせいか、読み難く、読み終えるのに苦労した。

    初っ端からレイプされ殺されてしまう主人公、彼女が天国から家族や好きな人、犯人を観察し続ける。
    思わぬ悲劇に家族は打ちのめされつつも、必死で生きる姿が描かれていて、何度も悲しくなった。
    天国から見ている、というのは、死んだ者としてやりたくなる行動ではあるけど、後から死者に見られていたんだ、と思うと恥ずかしくなりそう。スージーの母のように、平常心を失って浮気に走る姿を見られてたりしたら…
    しかしスージーは家族の事を大きな愛で包み込んでいて、物語は静かに進む。

    最後にラブリーボーンの由来というのか、言葉が出てくるけど、ピンと来なかった…

    この作品が作者の処女作であるのに驚いたが、更に作者自身もレイプ被害者と知って驚いた。
    辛いなぁ…

  • 映画を観たので原作も。
    解説(斎藤由貴)で知ったが、著者本人も被害者なのだとか…うう。
    ファンタジーだけどサスペンス。

  • もしワタシが死んで幽霊になったとしたら、1週間ぐらいで成仏して意識も何もかも消え去ってしまいたい。

    本書は惨殺された少女が天国や時には地上から、残された家族や友人、自分を殺した男などを何年にもわたって眺める話。

    読んでると本書は優しく悲しい話なんだろうって思う。
    でも、もしもワタシが同じ境遇(幽霊ってこと!)になったら、これは拷問か何かじゃないかって思ってしまうかもしれない。
    そう感じてしまって楽しめなかった

  • 映画が気になりながら見逃し、原作を読みたいと思っていた。ただ、死んでしまった女の子が遺された家族を見守る…という設定と知っていたので、お涙ちょうだいに流れていたらいやだなあという不安はあった。
    結果、読みながらつい涙が出そうになるシーンは数知れずあったが、陳腐なファンタジーもの、ゴーストものではまったくなく、静かな感動とともに読了した。
    青春の手前で、これ以上ない残酷な手段で人生を閉ざされた少女が主人公でありながら、本書は見事な青春の書であり、ミステリ的要素も含みつつ家族の絆を見つめ直す物語という様々な要素を巧みに織り上げた稀有な良書となった。

  • すごく長い映画をみた気分。
    ところどころ読みにくいところもあったけど、余韻が残る一冊。
    天国の描写もおもしろいし、地上に戻るタイミングも定石と違う感じ。
    印象に残ると思う。

  • 14歳で殺された少女スージー・サーモンの目線で語られるこのお話は、10代の人にぜひ読んでほしいです。今、生きていることが、どれほど素晴らしいか感じることのできる一冊です。

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