地獄に祈れ。天に堕ちろ。 (電撃文庫)

著者 :
制作 : 東西 
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 11
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049126662

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  • 死者が(すなわちゾンビが)あふれる幽離都市・東凶で、特殊金属の身体を持つ亡者専門殺し屋・ミソギが出合ったのは、イギリスから来た対ゾンビ専門のエージェント・アナテマに所属するアッシュ姉弟と、コンテナで密輸されたラリった少女。不本意ながらアナテマと共闘することになったミソギは亡者の麻薬・通称Asの出本を探るうちに、生死をひっくり返すようなどでかい災厄が東凶に降りかからんとしているのを知る――

    と、書くとお行儀が良いのは重々承知の上で、

    あふれるゾンビ! 変幻自在の四肢ついでに滅茶苦茶カッケー車を乗り回す主人公属性男子! 金髪碧眼トラウマ持ちでついでに頭も回るエージェント! 犬猿の仲バディに、ふわふわ描写がキレッキレの少女に、正統派ヒロインに妙齢眼鏡閻魔にハッキンドローンJKにフランケン女児に地獄からよみがえる名刀!! あ、それとミサイルも追加で! ミサイル! 宇宙から発射されるチョーでかいやつ! こんな要素てんこ盛りでどうするんですか。てんこ盛りなのに書ききっているぞすごい。

    キャラクター描写は毎度のことながら秀で、きちんと使い切っているのが非常に良い。累氏も良い。名前から当初、随分辛気臭いしゃべりをする女性だな……と思った(それが良い)ら、挿絵を見るとナイス中年男性で累ちゃんどこ行ったんだとしょ気たのも事実だが、非常に良い味が出ていたなと思った。ハッキンドローンJKと合わせて終盤まで非常に良かった。生かし切れていないのが残っているのは誰だ、と考えたところ約一名思い当たるキャラクターがいたが、想定されているエピソードに対して実際に開披されたものが少なかったせいだと思われるため続編に向けての布石なのだろう。

    描写に関しては先述の累氏のミスリード(勝手に誤読しただけかもしれないが)等、やや偏りがあるか? と思われたが支障が出るほどではない。戦闘描写は相変わらず優だがやや嵩を減らしたか。
    今回、九岡作品の特色だと思っていた長目のタメ(停滞)があまり感じられなかった。タメに相当する展開はあるのだが、タメつつタメの長さを上手く掻い摘んでいる印象だった。

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著者プロフィール

『エスケヱプ・スピヰド』にて第18回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、作家デビュー。

「2019年 『地獄に祈れ。天に堕ちろ。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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