青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 254
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049128505

作品紹介・あらすじ

忘れられない高校生活も終わり、咲太たちは大学生に。新しくも穏やかな日々を過ごしていた、そんな秋口のある日――。
「さっきの本当に卯月だった?」
 アイドルグループ『スイートバレット』のリーダー・卯月の様子がなんだかおかしい。いつも天然なあの卯月が、周りの空気を読んでいる……? 違和感を覚える咲太をよそに、他の学生たちは誰も彼女の変化に気づかない。これは未知なる思春期症候群との遭遇か、それとも――?
 新しい場所、新しい人との出会いの中で、咲太たちの思春期はまだ終わらない。新たな物語の始まりを告げる、待望のシリーズ第10弾。

感想・レビュー・書評

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  • TVアニメやら劇場版やら有ったけど、原作はかなりお久しぶりな本作。
    でも舞台を大学に移して咲太の人間関係が若干変わっているせいもあってか、あまり戸惑うことなく読めたかな?

    今回、思春期症候群の被害者となるのは表紙にもなっている卯月。その症状とは空気が読めるようになること
    今回、卯月が陥る思春期症候群の症状はこれまでと比べたら実害はあまりに少ないもの。本人も周囲も最初はそうと気付かなかったくらいだし
    けれど、卯月が空気を読まずに天然発言やらその場を盛り上げる役割を担い、「周囲とは違う」人物で有ったためにそれは単純に空気が読めるようになっただけに収まらないのは面白い

    これまでの本シリーズは高校という閉鎖的空間を舞台にそこで見えない苦痛を持ちながら暮らす少女達や、家族や社会の中で上手く生きれない少女達の姿を描いてきた
    舞台を大学に移してその傾向がどうなるのかと不安に思っていたけどそれは杞憂だったようで。高校とは異なる、大学ならではの空気感が充分に描かれているね
    高校は皆が同じだったから同調圧力が作り出す空気にどう付き合っていくか、という点が問題になったけど大学では皆が同じであるという見える証を失ってしまったから他人と異なる存在になることを恐れるし、異なる者を見下し笑う風潮が存在してしまう
    そんな空気を皆が作り出そうとしているから、空気を読まない卯月は特殊な存在となり、いわば浮いてしまっていた

    だからこそ、卯月に思春期症候群が発症する理由になるし、症状も他の人にとっては「そんなの当たり前じゃん」と言いたくなるようなものであっても、卯月にとっては世界が崩壊するに等しい衝撃を与えてしまう
    空気を読まずに天真爛漫に明るく振る舞っていた少女が自分を取り巻く人々の態度の裏を知ってしまった瞬間の描写はあまりに辛い……

    でも、この症状って何も悪い面ばかりじゃないんだよね
    思春期症候群ってその症状には無慈悲なものも有ったけど、花楓を除いて本人が望んだ何かが反映されたものばかりだった
    その為か、時には本人に何かしら益を齎しそうな場合もあった。
    それは今回も同じというか、「周囲が何を考えているか判るようになった」って別に当たり前のことで悪いことではない。卯月も症状を理解した上で今更戻るなんてキツイと言ってるし

    なら問題となってくるのはそれとどう付き合っていくかになるわけで
    ここで救いとなるのは元々卯月が持っていた本質の部分。卯月は空気が読めなかったけど、それ故にスイートバレットや皆を引っ張る存在でも有った
    つまり卯月って「空気」を作り出す側でも有ったんだよね。卯月がそういった傾向を持っていたから、のどかを始めとしたスイートバレットは彼女を中心に纏まってきた
    でも、だからといってスイートバレットの面々が卯月に頼りきりだったかといえばそうではなく。
    現実を知ってしまって歌えなくなった卯月を、同じように現実を知っていてそれでも卯月が歌う夢を目指してきたのどか達だから卯月に必要な「空気」を作り出すことが出来る
    そして、卯月はそれに乗って更に大きな「空気」も作り出せる
    あのラストはアイドルものとして王道展開だったけど、それだけにとてつもない程に感動的だったね


    そうして穏やかに終わると思っていたら……
    何だかラストに色々な意味でとんでもない人物が登場したね!?

  • 青ブタ大学生編開始。
    なんだけどヒロインが卯月だとは思わなかった。
    さすがに今までそんなに強い絡みがあったわけではないので最初は違和感があったけど、うん、いつもの青ブタですね。
    ただ今回の現象はあえて思春期症候群にするほどではなかったような気もするけど。

    空気を読めなかったづっきーが空気を読めるようになってぶつかった悩みはある意味みんな持っているもので、だからみんなが乗り越えてきたものなんだよね。
    そしてそれはスイートバレットの仲間たちならなおさらだ。
    だから、もともとそんなに心配はしていなかった。
    空気を読まない天才の咲太もいたし。

    大学生編になっても麻衣さんは当然として、理央や朋絵に会えたのが嬉しい。
    特に朋絵との会話はいつも楽しいなあ。
    心のオアシスだよ^^ 

    ラストで何でも知ってる翔子さんも知らなかったイレギュラー霧島透子登場で、さて次回はどうなるんだろう?
    ていうか何者?
    そして前巻のランドセル麻衣さんはどこへ?
    次回のヒロインは美織なのか?
    いろいろ分かんない伏線を残して、次回へ。
    早く出てくれたらいいなあ。

  • 咲太の進学に合わせて舞台が大学に変わった故、登場人物が増加。
    その関係で多少ややこしくなったのに前巻の謎は沢山なのに解消されず……
    次の巻で漸く1つ解消されるかな?というフラグが立って終わり。
    面白いのだがネタ切れ感も否めない……

  • 大学生編ということで新キャラ登場
    とはいえ現時点でこれが原因で何かに巻き込まれるわけでもなく、、、まあ今後のフラグかな?

    のどかが所属するアイドルグループのリーダー・広川卯月(づっきー)が、なんか大人しくなっちゃた?周りの空気を読んだり変な感じ、、、
    まあ当然のように自分らしさは大事って感じのエンディング

    最後は見えないはずの架空(?)のシンガー霧島透子登場
    大学生になってもあまりかわらず、いつもらしくていい感じの青ブタでした

    磁性のあるイチャイチャは物足りないけど

    以下再読のための備忘
    ・「世界で一番かわいい彼女なら、確かにいるな」
    ・「宇宙で一番かわいい彼女ならたしかにいるけど、教えません」
    ・「お兄ちゃん、いい加減スマホ買おうよ」「花楓の口からそんな言葉を聞く日が来るとは思わなかったよ」
    ・「そんな顔はしていません。思ってるだけです」
    ・「この前も言ったけど、僕の麻衣さんはあげないからな」「時々、貸してよ」「ふたりとも、私は物じゃないわよ」
    ・「みんな、何かになりたいんだよ」「『これが自分だ』って誰かに誇れるもの」
    ・「冥土の土産に教えてあげる」「そこは、選別代わりにしといてくれないか?」


  • 大学生編。ひととおりの登場人物は出てくるが良くも悪くもみんな少し大人になっている感じ。思春期症候群と呼んでいいのかどうか微妙な話ではあるんだけど。しばらく前から匂わされていたあの人も登場。

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著者プロフィール

1978年生まれ、神奈川県出身の作家。代表作は『さくら荘のペットな彼女』、『青春ブタ野郎』シリーズなど。

「2020年 『青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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