恋に至る病 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.80
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本棚登録 : 1817
感想 : 96
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049130829

作品紹介・あらすじ

やがて百五十人を超える被害者を出し、世間を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた「最初の殺人」を回想し始める――

感想・レビュー・書評

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  • 「宮嶺は私のヒーローになってくれる?」
    宮嶺望は最後まで彼女の味方でいようと決めていた。
    高校生になり百五十人以上の人間を殺しても変わらなかった。
    これは僕がいかにして化け物を愛するようになったかの物語だー。

    宮嶺望と寄河景は小学校からの同級生で景が怪我をしたのを助けてから宮嶺に景は好意をもちます。
    誰からも好かれる人気者の景。
    そして宮嶺は景と親しくしているのに嫉妬されクラスメイトからのいじめに遭うようになります。
    そして景は「私が宮嶺を守るから」と言い、一週間後。いじめの首謀者の根津あきらが飛び降り自殺をしたことからこの物語はとても恐ろしいものになっていきます。

    高校に入っても景のカリスマ性は衰えることはなく、生徒会長の景に従い僕は副会長になり二人は恋人同士にもなります。
    景はプレイをすると死ぬゲーム「青い蝶」(ブルーモルフォ)を作り出し、百五十人以上を自殺へと導きます。
    「僕が警察に、言ったらどうするつもりなの」
    「言ってもいいよ。だって宮嶺は私のヒーローだから、ヒーローなら悪と戦わないと。お願い私が間違っているのなら、今ここで宮嶺が止めて」
    「間違っていない。警察には言わない。大丈夫僕は景の味方だよ」
    「景は間違っていない。景は正しいよ」
    この時点で、きっと僕もおかしくなっていたのだろう。
    「僕は景のヒーローだから」
    けれど景は止められない。
    警察に言えば景の人生は終わりだ。
    ブルーモルフォは指示に従わなくなった人間を殺しはじめた。
    理念がどうあれ景はれっきとした殺人鬼だった。
    そして、衝撃の結末が…。

    宮嶺は景にただ利用されていたのか、本当に愛されていたのか。
    作者あとがきを読むのとラスト4行を信じるかで受け取り方が180度変わってしまいます。
    『恋に至る病』というタイトルの意味がなんとなくわかる気がしました。

    • くるたんさん
      まことさん♪こんばんは♪
      こちらも共読うれしいです♡これはすごい衝撃を残す作品だな…と、まことさんのレビューで改めて実感しました。
      あの4行...
      まことさん♪こんばんは♪
      こちらも共読うれしいです♡これはすごい衝撃を残す作品だな…と、まことさんのレビューで改めて実感しました。
      あの4行…私は最初に感じた、ヒーローだった、愛だった方を信じたいです。

      良かったら「15秒後」を検索してその後を読んでみてくださいね♪
      2021/08/08
    • まことさん
      くるたんさん♪
      これも、コメントしようか、迷ったのですよ!
      私も、最後の4行を信じたいです!
      15秒後で検索すると、何かでるのですか?
      知ら...
      くるたんさん♪
      これも、コメントしようか、迷ったのですよ!
      私も、最後の4行を信じたいです!
      15秒後で検索すると、何かでるのですか?
      知らなかったです!
      明日、ゆっくりやってみようと思います。
      ありがとうございます♪
      2021/08/08
  • 心を翻弄された一冊。

    斜線堂さん二作品目。
    完全に心持っていかれたな。

    誰からも好かれる僕の大切な美少女は化物?
    そんな一抹の不安を抱きながらも彼女のヒーローであり続けたい僕。
    小学生でヒーローを決意し「君が地獄に堕ちても僕は君が好きだ」こんな照れるセリフを小学生から高校生へと成長する世界に存分に盛り込み淡いピンクに色づかせながらも容赦なくぶちこんでいく衝撃。

    巧いというか、やられたというか…。

    これはどう思ったら良いの?どっち⁇

    最後の最後まで斜線堂さんて読み手の心を翻弄する…もう、良い意味でズルい。

    • まことさん
      くるたんさん♪こんにちは!

      先ほど「15秒後」検索してみました。
      そしたら、なんか凄いマニアックな
      レビューなども出てきて面白かっ...
      くるたんさん♪こんにちは!

      先ほど「15秒後」検索してみました。
      そしたら、なんか凄いマニアックな
      レビューなども出てきて面白かったです。
      情報ありがとうございます♪
      斜線堂有紀さんはあと2冊積んでいます。
      1冊はくるたんさんのレビューから拝借したものです。
      図書館本がない時読もうと思っていてとても楽しみです♡
      2021/08/09
    • くるたんさん
      まことさん♪こんにちは♪

      うんうん、いろいろな解釈がありますよね。

      斜線堂さんは私は2冊しか読んでいないけどちょっと気になる作家さんにな...
      まことさん♪こんにちは♪

      うんうん、いろいろな解釈がありますよね。

      斜線堂さんは私は2冊しか読んでいないけどちょっと気になる作家さんになりました♡
      楽しんでくださいね¨̮♡
      2021/08/09
  • 怖いっ 知的で誰からも好かれる美少女と幼馴染の少年が繰り広げる、愛と殺戮の物語。【レビューネタバレ有】

    なかなか強烈な作品でした。なにより美少女 景と宮嶺君の関係性が本作の魅力です。幼稚で危うく、優しいけど厳しく、そして恐ろしい…

    ストーリーは結構無理ある設定だなとも思いましたが、外国では似たサービスがあったんですね。かつての教祖様をあがめる新興宗教も、一つ間違えばこんなこともあり得たのかもしれません。

    読了後は、作者の思惑どおりにやられました。景は宮嶺を愛していたか、いなかったか… 自分なりに振り返って思いを巡らせてみました。

    愛情はなかった。

    すべては最初から仕組まれたもので、一番近くで宮嶺を利用していたと思うとしっくりきます。なぜなら、そのほうが猟奇殺人の犯人として"美しい"からです。そして景は宮嶺に対して、何一つ自分を犠牲にすることはなかった。結局は自分の物語が一番大切だったのです。

    東野圭吾のとある名作に似ていると思いました。ただあちらには確実に愛がありますが、本作にはおそらく愛はない。洗脳とは恐ろしい、宮嶺よ、速く目を覚ましてくれよ。

    普段イヤミスを読んでもそんなに心に刺さらないのですが、本作は少年の心を切り裂いている表現が猛烈すぎで、自分にはかなりしんどかったです。
    でも、そこがミステリーの面白さなんですけどねっ!

  • あとがき曰く、「誰一人として愛さなかった化物か、ただ一人だけは愛した化け物か」のミステリー。
    (2022.2.18 内容変更)

    最後の4行から、宮嶺との始まりを態と作ったのは景なのかなと漠然と思った。いじめのきっかけを始めて、宮嶺の心をどん底まで突き落として、そこで手を差し伸べて洗脳状態にしたのかと。
    でもそれは入見の言った通りで、宮嶺が「何かあった」と信じさせることではない気がして、しっくり来なかった。
    何度か読み返して、他の人の考察も読んで、消しゴムの意味は「おまじない」だったのかなと思った。
    好きな人からもらえると、思いがかなうおまじない。
    景は消しゴムをポケットにいれて肌身離さず持っていた。いじめのきっかけにしただけなら、そんなことする必要はない。
    ずっと宮嶺が「特別」で「愛してた」んだと思う。
    だから、宮嶺が虐められたことが許せなくて、消えない「炎」が生まれて、ブルーモルフォが生まれた。景はそれをも利用して、宮嶺を自分に縛りつけようとしたのかな。それは身代わりにするつもりではなく、自分から離れていかないように。宮嶺の好きという気持ちに罪悪感を上塗りして、ヒーローという肩書きで囲った。
    ブルーモルフォを終わらせる時は景自身が死ぬ時で、善名さんに殺されることも折り込み済みだったのかもしれない。彼女がナイフを持ってるのがなんだか唐突だったので。。。
    勿論、全ての罪を宮嶺が被ることも。
    入見が宮嶺に説いた話こそ、景が宮嶺に用意した「物語」。利用されていただけなんだという物語。
    だけど宮嶺は消しゴムの意味に気付いてしまった。
    だから、景の用意した物語にも揺るがず、地獄で合うことを選んだ。
    そういう風に思えて仕方ない。


    宮嶺は何度も「綺麗な顔」と描写されていた。
    景と、「お似合い」だとも。
    コミュ力が低かっただけで、容姿は良く、磨けば光るタイプだったのではないかな。
    景は(自分で意図したにせよ)目を怪我した時の宮嶺の「綺麗だよ」の言葉で恋に落ちたんだと思う。そこから、もう彼を手放したくなくなった。
    それもブルーモルフォに巻き込んだ一因のようだと思う。外堀から埋めて埋めて、本丸をもらう。
    修学旅行でのアイスのように。

    歪んだ愛の物語、とっても面白かった。
    願わくば、地獄でもいいから、2人でイチャついていて欲しい。
    柄になく自分の解釈を長々と書き込んでしまいました。

  • 彼女は僕に出会って化け物になったのか。
    初めから彼女は化け物だったのか。

    ラスト4行で何もかもが信じられなくなってしまいました。
    煽り系の帯が好きではないですが、帯にある通りラスト4行で今まで読んできたものはなんだったのかと絶望した読者もいるはず。

    いじめや、実際にあった恐怖のゲームなどが絡まり、誰からも愛される彼女が化け物になっていく。その過程が穏やかに描かれてるから悍ましさも増幅されていて。

    主人公は果たして彼女を守るヒーローだったのか。
    それとも・・・

    もう何も信じられない。

  • 大切な恋人が、150人以上を自殺に追い込んだ殺人犯だった。
    そんな衝撃的な話から始まる、ミステリー。もしくはラブストーリー。

    作中に出ている自殺教唆ゲームは、おそらく現実でも実際にあったSNSでの自殺教唆・煽動コミュニティの青い鯨(ブルー・ホエール・チャレンジ、またはブルー・ウェール・チャレンジ)がモデルになっていて、徐々にタスクを出していって達成させる、判断力を奪い、孤立させ、最後には自殺させるというところまでも一致しています。そちらでも発祥のロシアでは半年間で百数十人が影響を受けたと思われる自殺を実行したという話もある(信憑性はいまいちわかりませんでしたが)ので、そう考えると作中のこの人数も現実味がありますね……。一人の作ったSNSと、それによって出来上がったコミュニティでここまでの人間を操作できると思うと、何を信じるかは本当に考えなくてはいけないと思います。

    また、この話はある種のリドルストーリーであり、殺人犯である恋人・寄河景が本当にただの化物だったのか、それとも人を愛しそれ故に変わってしまった化物であったのかを問う物語にもなっています。
    小学生の時からずっと一緒にいた幼馴染で、恋人の景を、最後まで物語を読んだあなたはどう思うのか。ほかの人の感想も聞いてみたいです。

  • 主人公は洗脳されていたのか、それとも本当の恋だったのか?
    最後の消しゴムは本物なのか、洗脳のための小道具なのか?
    読んでるこっちまで洗脳されたかのような読了感でした。

  • 色々な考察ができる作品だなと思う。ヒロイン?が最初怪我をするところとか、主人公に対して「会ったことあるっけ」みたいな発言をしていたところとか、読めば読むほど謎が深まる作品です

  • 帯のラスト4行の衝撃。

    色々と意見は分かれそうだけど、面白かったに一票。

    QRコードから飛んだ先の書き下ろしSSも良かった。

  • 新刊の内容紹介コメントを書くためだけに読み、読了後の印象は星3つでした。目をつぶれない荒さも所々……。

    しかし、複数の中学生の感想を聞いていると、自分の読み解きとは全く違う考察が次々と出てくる。しかも、そのそれぞれの考察もまた、かなり印象が異なる。
    そこではじめて、もしかして興味深い作品なのかもしれないと感じはじめて星ひとつプラス。

    ウェブ上でもけっこう考察している人たちがいますが、やはり結論が綺麗に分散している気がします。

    考察民が生まれる作品って、王道の結論(作品上の布石をノーマルに回収すると普通はこうなる、みたいな説)が生まれがちで、ちらほら「いやいや、そこまで穿った見方はちょっと…」とか「おい、私情と夢想が入りすぎだろ」っていう異端が散在する程度だと思うんです。

    でも、この作品は王道がない…いや、王道の占める率が低い。もちろんツッコミどころ満載の異端もちらほら存在していますが、どの説もある程度「ほぅ…」ってなってしまう。

    単純に明確なヒントが少ないっていうこともあるんですが、ある程度自分の説を説ける程度の濃度は残してくれているというか
    ……。その辺のさじ加減って難しいですからね。

    ちなみに私は、あとがきの2者択一では後者を推します。ただ「愛」ではなく「興味」「固執」「執着」。
    景を指し示し取り囲む、「愛」「恋」「尊敬」「崇拝」「敬慕」といった無数の矢印があって、彼はあくまでその中のひとつを握りしめているにすぎないのかと。
    そして景からの矢印は唯一彼を指したから、彼はこの物語の語り手になれた。
    でも、一般的に恋人となり得るのは、重さは違えどその矢印はある程度似た成分で構成されている必要がある。
    彼女が携えているその矢印を構成する要素は、世間ではサイコパスと呼ばれるような種類の人にしかわからない成分で構成されていて、いじめの静かな煽動やスケープゴートの御膳立てもそこから派生するものなのだと考察します。
    だとしても「特別」であったことは間違いないのではないでしょうか。

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著者プロフィール

2016年、第23回電撃小説大賞にて〈メディアワークス文庫賞〉を受賞。受賞作『キネマ探偵カレイドミステリー』でデビュー。近著に『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』(メディアワークス文庫)、『コールミー・バイ・ノーネーム』(星海社)がある。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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