恋に至る病 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 96
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049130829

作品紹介・あらすじ

やがて百五十人を超える被害者を出し、世間を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた「最初の殺人」を回想し始める――

感想・レビュー・書評

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  • 一度読み終えて、いろんな思いと疑問が生まれてから
    二度目を読み返すと戦慄が走る作品。

    ある意味エピローグ後が、読者にとっては最大の山場だと思います。

  • 最高だった。

    身代わりとして宮嶺を側に置いていたのがミスリードなのかなと思う。
    本当に宮嶺を身代わりにする気があったのならば、最初の事件のように例のサイトの管理を宮嶺にやらせることも、景なら簡単にできたのだろうから。

    景が何故一連の事件を実行したのか、その理由を考えていたけれど、多分タイトルの「恋に至る病」が全てなのかなと思った。

    景は無意識に人を支配して心酔させることのできる特別な女の子で、好きになった人は自分に自信のない気弱な男の子だった。
    罪悪感を植えつけて好きな気持ちを伝えても、男の子には「つり合わない」と首を振られてしまう。かといって自分の無意識の人々への支配を止めることはできない。
    どうすれば良いのか。
    その答えが一連の自殺ゲームのスタートだったんじゃないかな。
    自分の特性の善性を出していると好きな人は離れてしまう、だから自分の特性を利用して「危うい弱さ」「世間的な罪」を利用して宮嶺をヒーローに仕立てあげて一緒にいないといけない関係を作ったのかな。ヒーローは悪を放っておくことはできないのだから。だからこそあの光景を見せたのが本気で好きな証だったのかもしれない。
    あなたと一緒にいるためにはこんな残酷なことを自分はできる、という証明として。
    実際には軽蔑される可能性もあったけど、そこは賭けだったのかな。
    ゲームを進めることで2人は特別な秘密を共有し、宮嶺は実際に景をずっと気にしている。

    あの全ての事件はある意味宮嶺がマスターで、景は宮嶺と一緒にいるために全てを演出していた演出家だったと思う。宮嶺はそんなことは望んでいなかったけれども。

    だから最後の最後で、景の自分に対する恋心をしっかりと受け止めて、宮嶺も景が「自分のために」この一連の事件を起こしたことを悟って罪を引き受けたのかな。

    「恋に至る病」、恋を全うするために様々な人間の命を犠牲にした景と、景に恋していたのに最後の最後で景の気持ちを信じることができ自己犠牲とい形で景に自分を捧げた宮嶺と、景を敬愛して命を落とした人たち。タイトルが全てを内包するように感じた。

    2回目読んだらまた違った感想なんだろうな。すごい小説だった。

  •  やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。
     その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。
     善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。
    「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
     変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは?
     斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!

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著者プロフィール

2016年、第23回電撃小説大賞にて〈メディアワークス文庫賞〉を受賞。受賞作『キネマ探偵カレイドミステリー』でデビュー。近著に『詐欺師は天使の顔をして』(講談社タイガ)、『不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語』(宝島社文庫) がある。

「2020年 『小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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