ビブリア古書堂の事件手帖II ~扉子と空白の時~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 755
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049130836

作品紹介・あらすじ

ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは、この世に存在していないはずの本――横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。
どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。その謎に迫るうち、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。
深まる疑念と迷宮入りする事件。ほどけなかった糸は、長い時を超え、やがて事の真相を紡ぎ始める――。

感想・レビュー・書評

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  • 扉子は2021年に9歳なので、今、高校生ということは、この物語の設定は、おそらく2027年から2029年あたりと思われます。
    扉子はすくすくと本好きの栞子さんの影響を受けて育ち、栞子よりも先が楽しみなくらいです。

    友だちのブックカフェ兼古書店の娘の戸山圭との交流がとてもよかったです。
    さて、扉子はこの先どんな本を読んで大人になるのか楽しみです。
    第二話はビブリア堂には珍しく、あたたかないい話でした。こういう話を私はもっと読みたいと思いました。

    プロローグ
    扉子は高校生になりました。
    扉子は祖母である篠川智恵子に頼まれて大輔の書いた新潮文庫の『マイブックー2012年の記録』と『マイブックー2021年の記録』を持ち出しました。
    智恵子は「2012年と2021年に起こった横溝正史の『雪割草』事件について確認したい」と言っていました。

    第一話 横溝正史『雪割草』Ⅰ
    井浦清美という女性かが「盗まれた本を取り返して欲しい」という依頼を栞子にします。
    その本は依頼主の亡くなった一番上の伯母の持ち物だった幻の作品、横溝正史の『雪割草』で、昔、新潟の地方新聞にf連載されていたものを持ち主の上島秋世の夫が生前に装丁した自装本でした。
    清美は犯人は自分の身内で、双子の姉妹である自分の母親か伯母であると主張しますが、栞子があることづけを提案して、二人に伝えると『雪割草』は戻ってきました。
    ただし、その中にひとつ消えていたのもがありました。

    第二話 横溝正史『獄門島』
    2021年の10月、扉子は小学3年生。読書感想文のコンクールに出す、序文に読者への挑戦状のある横溝正史の3千円の古書の『獄門島』を買いに鎌倉のもぐら堂に大輔と来ています。
    しかし、取り置きされていたはずの『獄門島』がなくなっていました。扉子の推理で『獄門島』を持っている人物がわかります。
    担任教師が子どもが読むべき本じゃないと心配していた『獄門島』も子供向けにリライトされていたものだとわかります。
    最後には扉子には読書好きの話の合う同い年の友だちができます。

    第三話 横溝正史『雪割草』Ⅱ
    2021年、11月。栞子と大輔は入籍して10年になります。
    井浦清美から栞子にメールが入ります。
    母の井浦初子が亡くなり、蔵書をビブリア堂に買いとって欲しいという遺言書があったということでした。
    栞子と大輔は井浦家に足を運ぶと、9年前に井浦清美の伯母の持っていたもので消えたと思われていたものらしきものを大輔が発見しますが…。

    エピローグ 
    扉子が二冊目のマイブックを読み終えると、智恵子がやってきます。
    「今日、私にここへその本を持ってこさせたのは、わたしに読ませるためだったんでしょう?」
    「その二冊に書かれている以上のことを読み取れるか、わたしを試そうとしている。隠された事実に、どこまで私が気づけるか」と祖母に食らいつく扉子。
    見事に二冊の本からの謎の答えを祖母に答えます。

  • や〜面白かったー!
    ビブリアシリーズ好きだなぁと再確認。
    扉子ちゃんは高校生になり、母親譲りの本の虫っぷりを発揮。三世代に受け継がれる本の虫DNA 。このDNA、本を長時間読めない大輔の血が入ったところで何のその、強力すぎてちょっとこわい!笑
    年は経れど、相変わらずミステリアスな智恵子さんもすらっと再登場する。扉子へのちょっとした試験を兼ねて。

    一冊まるまる横溝正史。
    名前はさすがに知っているけれど、私は金田一少年の世代なため(堂本剛とともさかりえのドラマ観てた)、金田一耕助は「じっちゃん」であって、本来の探偵としての作品を読んだことがなかったのよね…!
    そっかー、横溝さんは、こんなに長期間にわたり、色々なジャンルの作品を世に送り出した稀代のストーリーテラーだったのね。

    ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事は、横溝正史の幻の作品『雪割草』が盗まれ、その調査をしてほしいというもの。
    旧家の邸宅で、女主人の秋世の死後、秋世が大切にしていた古書が忽然と消えてしまったという。
    仲違いする双子の姉妹と、その娘と息子。半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。
    しかし、栞子の推理と機転により出てきた当の古書からは、本来あるべき直筆原稿は見つからなかった。姉妹や子らは互いに疑心暗鬼となり、ますます関係はこじれ、事件は全解決とはならずに迷宮入りしたように見えたー。

    そして9年後。姉妹の死をきっかけに、またビブリア古書堂に、蔵書を買い取ってほしいと依頼がくる。蔵書の買取作業をする中、雪割草の直筆原稿らしきものが発見され、9年前の事件とつながっていく…、

    この雪割草の話を軸に、扉子ちゃんの話がプロローグ、獄門島、エピローグで綴られている。
    今巻は、栞子さんから扉子ちゃんへの探偵役バトンタッチの巻だったのかな?
    扉子ちゃんの洞察力、伸びやかな感性と素直な心、また違うお話になっていきそうで、これからもとても楽しみ。

    ★4.5

  • 三上延『ビブリア古書堂の事件手帖II 扉子と空白の時』メディアワークス文庫。

    完結シリーズの続編。帯には『シリーズ再始動』とある。

    タイトルとプロローグから、娘の扉子が主人公の全く新しいシリーズなのかと思ったのだが、結局は以前と同じ、栞子と大輔の物語だった。また、今回のテーマは横溝正史なのだが、描かれるストーリーもミステリーにも横溝正史らしさは感じられず、横溝正史に関する蘊蓄が楽しめただけだった。

    一旦完結したシリーズを再開するのであれば、相当な覚悟を持って、設定なども大きく変更するなどの工夫が必要だと思うが……

    本体価格630円
    ★★★

  • 今回から娘の扉子ちゃんが主役ですね(^^)
    本を読む親からは本を読む子ができるのは、私自身もそうなので、苦笑。

    横溝正史の謎と言うことで、金田一ものの少年少女レーベル版が朝日ソノラマから出でいたとはビックリ!
    私自身が朝日ソノラマの辻真先さんのノベライズなど持っているので(^◇^;)

    古書の世界は奥深い。私はレアリティより、今、発行されていない読みたい本が手に入れば、それ以上は何もいらなぁ。

    本が読めれば満足だわσ^_^;

  •  シリーズ再始動! 冒頭から栞子と大輔の娘扉子が登場。ん、高校生だと。確か2012年生まれで、高校入学したばかりとあるから2028年の設定か。祖母の智恵子さんも登場。三代にわたっての推理力発揮とは、なんか「ドラゴンボール」みたいになってきた。これからのシリーズは、扉子と千恵子さんを軸に話が進んでいくのかな。それにしても智恵子さん怪しすぎる。美人ですから、お若いときは妖しい部分もあったのでしょうね。

     今巻では横溝正史が取り上げられている。そして家族のあり方がテーマになっていて、このシリーズには珍しく、ちょっとほろ苦い結末になっている。

  • 久しぶりの新刊。
    今回は金田一シリーズで有名な横溝正史先生の作品を舞台に。主に出てくるのが『雪割草』と『獄門島』。

    いつものシリーズと違って、後味が悪い作品だった。第一のミステリーも深まる疑念に迷宮入りを見せ、9年後となった後半でも後味の悪い終わり方をする。『雪割草』が家族の話なのに対し、家族がバラバラになり、9年の後にまとまりかけたように見えて、また、バラバラになってしまう。といつアンハッピーな終わり方だった。

    また、扉子もせっかく出て来たのに活躍したのが閑話だけだったのもちょっと物足りなかった。
    さらに言えば、裏に智恵子さんが出てくるなら、もっと暗躍して欲しかった。

  • 祝・シリーズ再始動
    年次は進めど、変わらず楽しめる古書ミステリー
    年を重ねた栞子さん、年端もゆかぬ扉子
    今後の二人の関係性も、見もの

  • どうしようか迷ったけど、発売日の今日に本屋で言って購入して早速読んだ。
    今回は横溝正史の作品『雪割草』と『獄門島』についての話。
    相変わらず、とてもよく調べられていて、話もよく練られている作品だなと思った。
    自分は横溝正史の作品を読んだことが無い(というより、そもそも自分が生まれる前に世に出た過去の名作小説というのはほとんど読んだことが無い)けど、今回も相変わらず面白かった。
    帯に『シリーズ再始動』とあるということは、前作では再始動するつもりはなかったということかな? 前作だけ読むと、あくまでスピンオフという感じで、シリーズになるとは思わなかったし。
    よくよく考えると、前作の『扉子と不思議な客人たち』はほとんど元のシリーズの主人公の大輔の視点ではなかったけど、今回はほとんど大輔の視点だったというのは、前作とちがって今までのシリーズの延長戦という感じは確かにするかもしれない。
    それにしても相変わらず祖母の智恵子が謎だ。結局、どうして孫の扉子の携帯の電話番号を知ってるのかは分からずじまいだった。まあ、他にもわざと謎のまま終わってることもあるから、あまり気にしなくてもいいかもしれない。
    そういえば、栞子さんはどこにでも本を持ち込んでいるけど、「本を持ち込まないのは風呂とトイレぐらいだ」と書いてあって、ちょっと意外だなと思った。自分の知り合いにトイレでも風呂でも本を読むという人がいるから、熱狂的な読書家はトイレや風呂でも読むのかと。まあ、トイレはともかく、風呂だと本が濡れてシワもつくだろうし、本を大事に扱うなら持ち込まないか。

  • まずは、扉子に友達出来て良かった!笑
    安心した〜。大輔が口笛吹きたくなる気持ちも分かる。
    栞子にそっくり過ぎだし、本にのめり混んでる真っ最中なときだし、友達いらないオーラも全開だったもんね。
    ほんと友達出来て良かった。

    横溝正史は読んだことないのに、タイトルは結構知ってたり、内容も何故か少し知ってるのもあったりするくらいの有名作家。
    上島家が仲違いしまくった裏で糸を引いてたのは、やはり栞子母だったか〜(苦笑)
    冒頭で扉子に絡んでる時点で何かやらかす気だなとは思ってたけど、売り付けた張本人だったとは…。
    あれ、結局本物の直筆原稿だったのだろうか。
    扉子と一緒に固唾をのんだよね。
    贋作売りつけるくらいはしちゃえる人だし、仲違いさせるのも意図的かつ蔵書をビブリアで引き取るよう誘導した可能性高い。
    相変わらず怖い人だなぁ。

  • ビブリア古書堂シリーズも前作から大輔と栞子の娘の扉子が登場する新シリーズとなり、その2作目となる最新作。
    今回のテーマは横溝正史。横溝といえば、角川文庫の黒い装丁に描かれるおどろおどろしい表紙の絵と、石坂浩二と古谷一行の金田一が真っ先に思い浮かぶ。が、本作は、幻の長編作品の雪割草にスポットを当てた作品。
    栞子さんの口から語られる作家や作品に関しての含蓄は本作でも読み応えある仕上がり。

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著者プロフィール

1971年、神奈川県横浜市生まれ。 武蔵大学人文学部社会学科卒業。中古レコード店、古書店勤務を経て、『ダーク・バイオレッツ』で2002年デビュー。2011年に発表した古書ミステリー『ビブリア古書堂の事件手帖』が人気作になる。同作は2012年に本屋大賞にノミネート。2012年、「足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)」(『ビブリア古書堂の事件手帖2』に収録)で第65回(平成24年度)日本推理作家協会賞短編部門にノミネート。2014年3月14日、『ビブリア古書堂の事件手帖4』(メディアワークス文庫)で第67回(平成26年度)日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

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