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Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ) / ISBN・EAN: 9784049136135
作品紹介・あらすじ
田舎育ちのマナの就職先は、不思議なエネルギーを秘めた宝石を扱う、憧れの職場”宝石省”!!
徐々に仕事にも慣れてきて、少しずつだけどしっかり成長しているマナに与えられた次の仕事は、
最高難易度の宝石狩……!?
少女たちが切磋琢磨するお仕事ファンタジー、煌めきの第3巻!
感想・レビュー・書評
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ふたりで支え合えるようになりました、もういつだって・どこだって高いところにだって行ける。
技術史としては産業革命後、私たちの世界とは少し違った方向に進歩を重ねるいつか・どこかの物語です。
彼ら彼女らは自然発生して災害を発生させる宝石を社会インフラの礎にすることで、牧歌的に科学文明を発展させます。
15歳で働きはじめるのが田舎では当たり前で危険な現場にも出るけれど、女性の社会進出も進んでいます。そのことから察するに、先進的だけどシビアな方向に舵を取った近代欧州風の異世界というのが最も妥当な理解なのでしょう。
まず一巻で世界観についての大まかな説明と、二巻ではそれに続いて主人公ペアの動向を語らせていただきました。
『宝石省の新人』完結となる三巻のレビューではそれらを踏まえた論を展開させていただきます。
既刊を読了された方向きですのでご容赦くださいませ。
というわけで、三巻のエピソードは実地での宝石採集の脅威が本格的に描かれる応用編が主です。
経験則や科学知識に基づく「霧」や「雪山」などの自然環境の分析に、この世界特有の宝石起因の「煌害現象」、それに「幻獣」の脅威が上乗せされるリアリズムがしかと働いたと考えます。一歩間違えば命を落とす危険な状況は多めです。
それを考えると主人公「マナ」の未熟さがもたらす一巻でのトラブルもリカバリー可能な範疇だったのでしょう。
その彼女の成長を見て、上司である班長たちも次第に難度を上げた現場仕事を任せることになったと考えればいい。
二巻のレビューで取り上げた主人公の成長曲線も、なかなかいい軌道に乗ったといえるわけです。
最新の流行と技術が集う宝石の街「リトス」での日常パートも、マナのバディである「レイ」との信頼を深めることに続いて、ほかの同僚の少女たちとの絆を深めるエピソードを回してきました。一巻ではトラブルを起こす方だったマナがトラブルを解決する方に回れているのは嬉しい。彼女の成長を実感させる胸が熱くなる展開だと思います。
ふと気づいたこととして、この手の組織内での新人を主人公に据えた物語では才気に驕って突っ走るタイプが多いんじゃないかと思案します。
ところが、確かに本作でも鼻っ柱が強いタイプはいるのですが、主人公ペアからして自省(自制)的なんですよね。
女性主人公で同僚や上司も女性が多めという、作品内でのスポットライトの当て方を鑑みても特筆すべき点なのでは?
くわえてメイン主人公のマナは感知能力「宝石の瞳」で危機を予感したらチームにルートの迂回を進言するなど、状況を冷静に俯瞰する視点を有するようになりました。
飛び込む勇気はもちろん、退く勇気を手に入れたのは敵が自然現象や野生生物という作品の性質を考えれば実に真っ当な成長の仕方だと考えます。本作はバディものですが、チームワークや立ち回りに幅が出たことを実感しましたね。
よってマナたちが参加したチームは、最高位である特級一歩前の一級宝石の採集に成功しました。
マナのアドバイザーでもある偏屈だけど冷静な視点を持つ謎のマスコット「クルル」との出会いのエピソード、レイの実家での心残りなど、張られた伏線について解決の兆しも一応描かれました。
決してすべてが解決したとも、世界の謎のすべてが解けたとも言いませんが、ひと段落ついたいい区切りだと思います。
ちなみに新人なのに最高峰の宝石採集に成功したといっても、本作はバトル漫画ではないので無理筋ではありません。
宝石には現実の鉱物という明確なモチーフがあるため、際限なくインフレする話ではなく問題はないと判断しました。
彼女たちは宝石採集(鉱集)を日常業務として事故なく毎回クリアしていくことを目指すので、描くべきところはいったんここで描き切ったのでしょう。三巻でいったんおしまいというのも、一巻レビューで述べた通り納得のいく時期です。
もし仮に続編を出すとして『宝石省の鉱集人』というタイトルにすべきなのかもしれません。
でもそれだとタイトルがお堅すぎます。新人という言葉の響きがもたらすやわらかめのニュアンスから遠ざかるかな?
「まりむぅ」先生が実績を重ねて企画にGOが通ったら世界観を共有する姉妹作や続編が出てもおかしくないとは考えますが、現時点では未知数です。けれど、それだけのポテンシャルは感じる私でした。
ともあれ、みなさん癖はあるし、人によっては棘はあるけれど本質的にはいいひとぞろいな優しい職場なこともあって、マナはこれからも宝石省リトス支局でお仕事を続けていけそうです。
私が繰り返しレビューのために読み込んでいるという事情を差し引いたとしても、豊富なサブキャラたちの個性を絵柄に留まらず、人格面でしっかり描き分けている。一瞬で人となりがわかるよう描けているのはセールスポイントでした。
以上。
爆発力はないものの、一歩一歩踏みしめるように成長と成功を描いていけた素敵な物語でした。
よって「佳作」という控えめなラベリングの中では最上級に輝く逸品であると評します。
ところで、一巻の表紙では硬軟併せ持つ主人公ペアのうちやわらかい方の「マナ」が、温かみのあるカラーリングの街並みとワクワクさせる事物を背景に動きを見せる構図でした。
ひるがえって二巻の表紙では冷たく綺麗な鉱床で「レイ」が静かに佇む構図の背景に、とぼけた姿のマナがいました。
そして完結となる三巻の表紙ではふたたび温かい色合いの街並みに戻ります。街を見下ろすバルコニーにマナとレイが近しい距離で立ちます。表紙絵だけを追っても話を振り返れて、最小の物語として不足なく成立するかのようでした。
もうマナはもちろんレイのことも危なっかしいと感じる読者はいないでしょう。
硬さには脆さがつきまといますが、その分は芯の強さを手に入れたやわらかいマナがカバーしますからね。
なんにせよ、今のマナとレイのふたりなら肩を並べ合って高い視点から未来を考えられます。
落っこちそうには見えません。むしろ落っこちたって、今のふたりならきっと怖くはないのです。
……困ったことに、思ったよりも打ち切り感がなくてこれも想定通りの終わり方のひとつなのかと思えました。
しかし、どうやら作者にも心残りはあるようです。心残りは読者も同じです。
その辺は読者も持ちうる希望として取っておきたいですね。
もっとも今は、目を回さないようパタンと目を閉じ、宝石箱のこれからを夢見るのがいいのかもしれません。
宝石は硬く朽ちない、腐らない。仕舞った箱を開く時を今か今かといつまででも待ってくれます。
そして、かつてと同じ、またはあなたが変わればまた変わる輝きを約束してくれる。――そんな存在なのですから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■書名
書名:宝石省の新人 (3)
著者:まりむぅ (著)
■感想
なんと、最終巻!
いや長くはないかな?と思ったけど、3巻で終わりか~
自分が好きな漫画、短命が多いな~~
定番だけど、面白かったのに。
3巻で終わらせなくても、色々描けそうなのにな~
宝石の種類もたくさんあるだろうし、もったいないな~
最後が「魔女の宅急便」みたいだった^^;(あれは意識していると思う。)
最後まで楽しく読ませて頂きました。
ありがとうございます。
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