ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049139525

作品紹介・あらすじ

 春の霧雨が音もなく降り注ぐ北鎌倉。古書に纏わる特別な相談を請け負うビブリアに、新たな依頼人の姿があった。
 ある古書店の跡取り息子の死により遺された約千冊の蔵書。高校生になる少年が相続するはずだった形見の本を、古書店の主でもある彼の祖父は、あろうことか全て売り払おうとしているという。
 なぜ――不可解さを抱えながら、ビブリアも出店する即売会場で説得を試みる店主たち。そして、偶然依頼を耳にした店主の娘も、静かに謎へと近づいていく――。
 

感想・レビュー・書評

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  • 栞子のところに、樋口佳穂という女性がやってきて「息子に相続権のある千冊の古書があと数日で売り払われようとしているのを止めたい」と言ってきます。

    佳穂の元夫は13年前に離婚していて2カ月前にガンで亡くなっています。
    15歳の樋口恭一郎は今年の春から高校生で、千冊の父親の蔵書を相続する予定でした。
    それを元夫の父で古書店、虚貝堂の主人である杉尾正臣(恭一郎の祖父)が古本市で売ろうとしていました。

    正臣はなぜか古本市のイベントのアルバイトに恭一郎を雇います。
    古本市には、もちろんビブリオ堂も参加しています。
    扉子は恭一郎が同じ高校の一年後輩になるのを知り、何かと仕事を手伝い、今回の事件を知ります。

    佳穂の夫だった康明との離婚原因からなぜ佳穂が今回の依頼をしたかがわかってきます。

    康明の一番の愛読書だった夢野久作の『ドグラ・マグラ』の署名入りの初版本がこの事件のキーポイントになります。

    日本探偵小説史上、三大奇書は小栗虫太朗の『黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』そして夢野久作『ドグラ・マグラ』ですが、私は『黒死館殺人事件』と『虚無への供物』は所有して(あまりに怖そうなので積読していますが)いますが、『ドグラ・マグラ』だけはさらに怖そうなので(「読むと頭がおかしくなる」と言われていますよね)何度も、書店で迷ったのですが、持っていません。この作品を読んで、再び興味が沸きましたが、やっぱり怖いです。

    この作品のストーリーとしては栞子の母親篠川智恵子の次のたくらみが何なのかがとても気になります。

    • 土瓶さん
      まことさん、こんばんは~。
      「ドグラ・マグラ」ですか……。
      あまり途中で投げ出したりしないんですが、これはダメでした。
      高校生のときに...
      まことさん、こんばんは~。
      「ドグラ・マグラ」ですか……。
      あまり途中で投げ出したりしないんですが、これはダメでした。
      高校生のときに挑戦して(どんだけ前だ)意味不明の読みづらさにギブアップです。
      そんなに怖いとも思わなかったし、表紙だけはインパクトありましたが、頭も特におかしくなってなんか……。
      はっ! 頭がおかしい人間が言う常套句。
      実は気づいてないだけで……。
      怖ろし(笑)
       
      「黒死館ー」と「虚無へのー」もいつか手をだしてみたいな。
      2022/03/26
    • まことさん
      土瓶さん。こんばんは♪

      この作品の説明によると、「ドグラマグラ」は、かなり昔、1950年代に、高校生くらいの子どもの間で、流行っていたそう...
      土瓶さん。こんばんは♪

      この作品の説明によると、「ドグラマグラ」は、かなり昔、1950年代に、高校生くらいの子どもの間で、流行っていたそうです。
      だから、土瓶さんが、読まれた時期としては、適当な時期だったのでは、ないかと思います。
      私も、有名な作品なので、書店で、何度か手に取って中をチラチラ見たのですが、何が書いてあるか、よくわからなかったので、買わなくて正解だったかもしれません。積ん読本が増えただけだったかも。
      あとの二冊は、買ってしまってかなり長いこと、積んでありますが、やっぱり怖い!
      何か、呪われそうな感じ?
      土瓶さん、読まれたら、どうだったか、是非レビューをお願いします。大丈夫そうだったら、私も読んでみます。
      2022/03/26
  • 扉子シリーズとなって三冊目。
    扉子が高校二年生になっている。ということは母・栞子もそれなりの年齢になっている筈なのだが相変わらず極度の人見知りで、カバーイラストの通り若々しい。そして祖母・智恵子は『老女』と呼ばれる年齢になっているが、相変わらず…というより、更に凄みが増しているように感じる。

    今回の依頼は約千冊の蔵書を巡る攻防。
    〈虚貝堂〉店主・杉尾が、亡くなった息子・康明が残した蔵書を相続人である高校生の孫・恭一郎に渡さず即売会で売り払うという。それを阻止したい恭一郎の母・佳穂は栞子に相談するが、その思いをよそに杉尾は恭一郎を即売会の手伝いに連れ出す。

    その即売会の期間中にも事件が起こる。
    ①初日・映画パンフレット『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』
     パンフレットのビニールカバーに書かれたアルファベットが表すものは?
    ②二日目・樋口一葉『通俗書簡文』
     希少価値のある五千円札が挟まれた樋口一葉作品のうち一冊はどこに?
    ③最終日・夢野久作『ドグラ・マグラ』
    復刻版と初版を入れ替えたのは誰?

    そして肝心の蔵書の運命だが、杉尾、恭一郎、康明、佳穂、番頭・亀井など様々な思いが交錯し流転していくので目が離せない。
    分かった部分と分からなかった部分があり、また結末が結末だけにスッキリ爽快とはいかない。

    何といっても智恵子の不気味さ老獪さ、どこまでも見通したかのような悪魔っぷりに驚かされる。あとがきで栞子の過去の話を次回は書きたいと書かれていたが、むしろ智恵子の過去を知りたいように思う。

    ちなみに『ドグラ・マグラ』は若いころに読んだ。途中何度か挫折しかかったが下巻に入ってからは物語に入り込んだ記憶がある。幸い精神に異常は来さなかったが様々な解釈が出来そうで、一筋縄ではいかない作品であることは間違いない。

    ※シリーズ作品
    ビブリア古書堂の事件手帖(栞子)①~⑦
    (レビュー投稿は⑦のみ)
    ビブリア古書堂の事件手帖(扉子)①~③
    (全作レビュー投稿あり)

  • 扉子になってからの3冊目。

    自分の息子に相続されるはずの古書が売却されるのを止めてほしいという依頼。
    まさか皆それぞれそんな事を考えていたなんて想像もつかず楽しめた。

    いよいよ智恵子が動きだし暗雲が漂い出したところで終了。また続きが楽しみです。

  • 待っていたシリーズ10冊目。
    前半は穏やかな流れでちょっと物足りないような感じだったけれど、後半一気に加速。
    やっぱり栞子さんが登場すると面白くなる!
    智恵子さんは何を企んでいるのか…?

  • 娘の扉子のシリーズとなってから3作目だが、今回は活躍が控え目。どうしても最後の 『ドグラ・マグラ』の不気味な印象に引きづられてしまう。悪魔と契約したような祖母智恵子が背後で操っていて、その通りになってきている。エピローグでの智恵子の黒い本には、どんな悪い事柄書かれているのだろうか? 純粋な栞子や扉子が振り回されないよう五浦にガンバってほしい。

  •  扉子が主人公の新シリーズの3巻目。えっ、扉子がもう高校生になっている。成長早すぎないか。

     最後まで読み終わって感じたのは、栞子が主人公だった前シリーズと比べてダークな香りが漂うこと。例えていうと、スターウォーズのエピソード1~3かな。パルパティ-ン、アナキンとルークが、智恵子、栞子、扉子の三代とダブって見えるというところだろうか。また、栞子と大輔の恋愛模様が描かれないので、余計にそう感じるのかもしれない。いづれにしても今後の展開に注目したい。

     作品の中に登場した「角川類語新辞典」は所有している。見たら確かに版が大きい辞書である。「ドグラ・マグラ」は、未だ怖くて読めないでいる(苦笑)。「瓶詰の地獄」は、乙女の本棚シリーズ「瓶詰地獄」を(オッサンだけど)読了済みである。

  • ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ10冊目ですね。
    扉子シリーズの3冊目でもあります。
    そしてシリーズの10周年記念でもあり、三上さんの作家デビュー20週年と重なったそうです。
    今回は古書即売会にまつわる事件の謎解き。亡くなった同業者の古書店主の奇妙な遺言に端を発して別れた妻と息子、古書店主の父親との確執等が入り交じり古書即売会で騒動が持ち上がる。扉子が名推理を発揮する。栞子も真相究明に関わって行く。扉子の祖母智恵子が陰で事件に暗躍する。
    本に関わる謎解きだけにワクワクして読み進めずにはいられませんでしたね。「ドグラ・マグラ」がキーポイントなのも興味の深かった。何回も読んでいますが、読むポイントが幾つもある本なので読むのが大変な作品ですが、三上さんは巧みに作品に取り入れておられます。読み応えがある作品でした。
    次回作の予告もされているので楽しみです。

  • 離婚した夫が遺した約千冊の蔵書。高校生になる息子、恭一郎が相続するはずなのに夫の父である古書店主が全て売り払おうとしているのを阻止して欲しい、という依頼を受けたビブリア古書堂。どちらの店も出店する古本市に蔵書が出店されるが、そこで祖父からのバイトを受けた恭一郎と依頼内容を知る高校2年の扉子が出会う。本の売り買いで生じた謎を扉子が解き、今まで興味のなかった本の世界に魅せられていく(「人間臨終図鑑」面白そうだ)恭一郎という展開で世代交代ね、栞子さん達あまり出て来ないしと思っていたら「ドグラ・マグラ」が引き起こした依頼の真相というか因縁の薄気味悪さで、そうだ後味すっきり終わる訳ないわこのシリーズと思い出した。智恵子の暗躍が不気味だ。ラストの意味は?

  • 扉子シリーズになって第3弾。といえども、栞子さんの存在感や大輔の動きが多く、少し扉子の印象が薄い感じはあります。

    デパートで行われている古書の即売会場でおこる問題を解決しながら、本筋の古書店主が息子の蔵書を売り払う真相に迫っていく話です。

    最近の本しか読んでいないので、このシリーズで語られる古書の解説は新鮮で読んでみたくなります。

    特にこの話の軸にある夢野久作の「ダグラ・マダラ」や山田風太郎の「人間臨終図巻」など興味が湧きました。

    智恵子さんが不穏な空気満載で近づいていますが、栞子さんもだいぶ落ち着いて冷静な対応をしていました。智恵子さん、怖いですね。

  • 2022年3月メディアワークス文庫刊。書き下ろし。シリーズ10作目。扉子、栞子、大輔のビブリア古書堂の父母と娘と日本に戻った智恵子が織りなす話に古書とそれに関わる人々との謎の話が面白く展開される。家族というプライベートな世界を緻密にかつサスペンスフルに綴っていく三上さんの手腕に脱帽。楽しめました。

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著者プロフィール

『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計700万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。

「2022年 『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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