- KADOKAWA (2022年5月27日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (132ページ) / ISBN・EAN: 9784049144376
作品紹介・あらすじ
連続殺人事件、今度の現場は迷いの竹林奥にそびえる永遠亭!
怨霊の次のターゲットは誰なのか? 憑依されている人物とは?
(元)月の姫、輝夜や永琳たちはどう立ち向かうのか……!?
感想・レビュー・書評
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犯人に目鼻顔立ち名前が付きました、能力はわかっています、さぁ追いかけていきましょうか。
一巻、二巻、と。本作は巻ごとに今までのシリーズの流れを追って舞台を変え、章立てでお送りします。
すなわちここ三巻では第三章。「東方」を冠するコンテンツにはよく見られるパターンですね。
よって本作も例外ではなくWIN版第三作『東方永夜抄』から月の姫「蓬莱山輝夜」を主とする「永遠亭」へとやって参ります。
なお、ここまでの流れ、作画担当者が交替されたいきさつなどについてはそれぞれの巻でレビューを差し上げているので割愛させていただきます。一応、三巻の巻頭でここまでのあらすじがさらっと触れられているので仕切り直しとばかりにここから読み始めても問題はないことと存じます。
さて、実質三巻目とは言えども「迷宮編」と銘打ってはふたたび第一巻。
一巻の終わりといえば洒落にしかなりませんが、舞台はまだまだ残されているとはいえ、いきなり迷宮入りの兆しというわけでこっちは洒落にならないかもしれません。今回の舞台を踏まえれば洒落てますが。
冗談はそこそこに。ところで永遠亭といえば主からして不死身という特異性を持っています。ミステリとしてはなにかが間違っているような前提設定ですが、引き続き危機感は継続します。なぜか?
誰に真犯人が憑依して犯人にさせられるかわからないという、黒幕の特性はやっぱり酷いと思います。
ただし、犯人の動きはノーヒントにみえてきちんと読者の盲点を突いてきました。
嫌らしさという意味では信頼が置けたので「ふざけんなー」とちゃぶ台返しはできませんでした。
その上で、自ら動き回る黒幕にして真犯人「反獄王」がいよいよ読者の前にその真名と姿を現します。
結論から言えば本作から登場の新キャラと思われます。
関連性としては既存キャラのオマージュも入っていると考えられますが、そちらについて触れるとしても、もしかしたら……、万が一があればといったところでしょうか。
罪人と呪いをモチーフにストレートに擬人化したデザインは、私としてもポイントが高いです。
さて。
作画担当が交替となれば、比較は野暮だとして絵柄に触れておくのが礼儀でしょう。
秋巻ゆう先生の絵ですが、多少カリカチュアされてマスコットらしくもある可愛らしいものです。
ただしデフォルメを利かせたと思いきや、少女らしい愛らしさと人外らしい禍々しさをスピーディーに表情に乗せて切り替えてきます。人外が大半を占める東方の空気にしっかり応えてくださっているかと。
ほか、遠景とアップ構図のメリハリが効いておりミステリ作品らしく指先には目を見張るものがありました。漫画としてはかなり正解というか、王道の筆致といった風に見受けられます。
個人的には天真爛漫、天衣無縫、天下御免、天姿国色……と、さまざまに形容をつけたくなる「蓬莱山輝夜」のアグレッシブで自由なおてんば姫っぷりが大好きです。
では、最後に。これからについてなどを申し上げることで〆といたします。
次は大方の予想通り『東方風神録』より「妖怪の山」を舞台とする第四章のようです。先に申し上げた通りに早くも迷宮入りしてしまったようですが、果たして解決編と銘打たれる日はやって来るのか。
一方で犯人の姿形が明らかになったこと、次からは「信仰」にまつわる三部作に突入することもあって新展開が予想されます。
正体不明の輩にさんざっぱら振り回されるステージはそろそろ過ぎ去るのかもしれません。
そんなわけで今回もページ数としては控えめであった一方、感情の動きが見て取れる躍動的なコマ運び、それと「東方Project」らしく時折ブラックなジョークを飛ばしてきたりする飄々としたありよう。
それらを軸にリスタートするや一気に期待値を上げてきたので、個人的満足度も非常に高かったですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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