怪物中毒 (電撃文庫)

三河ごーすと

• KADOKAWA (2022年9月9日発売)

作品紹介・あらすじ

　人々が獣に還り、理性を解き放ち、自由と匿名を謳歌する。
　そこは《仮面舞踏街》。
　《怪物サプリ》を飲んで誰もがカジュアルに獣人に変身して、好き放題にやらかしていい街。完全監視社会の息苦しさを忘れられる、国が認めた唯一の《官製スラム》だ。
　そんな街で、本物の怪物たる吸血鬼の少年・零士は、相棒の人狼・月とともに街の掃除屋として『害獣駆除』を請け負っていた。
　轢き逃げケンタウロスの捜索、ＪＫバニー狩り、顕現した都市伝説との死闘。そして《調薬の魔女》との出会いが零士たちの運命を大きく変えていく――。
　
　これは、真贋入り乱れる街で闘い続ける少年たちの物語。過剰摂取禁物のオーバードーズ・アクション開幕！

感想・レビュー・書評

[facecollaboさんの感想 · 2022年11月26日]

怪物中毒(電撃文庫)
著作者：三河ごーすと
発行者：KADOKAWA
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
facecollabo home Booklog
https://facecollabo.jimdofree.com/
都市伝説との死闘。そして「調薬の魔女」との出会い零士たちの運命を大きく変えてゆく。

[ebshi1004さんの感想 · 2023年5月6日]

【真贋入り乱れる化物の街で、当たり前の幸福を願って】

監視された社会の軛から外れた仮面舞踏街で生きる少年の物語。

人は度重なる刺激を受け入れて呑み込む性質がある。
刺激が当たり前になれば、許容量では満足出来ず過剰摂取する麻薬のような危うさがある。
理性で己を縛った人々が解き放たれる時、本能に従順な一匹の獣となる。
吸血鬼の血筋を引き継ぐ零士は、相棒の月と共に跋扈する害獣共を狩り続けた。
願った幸福さえも普通に享受出来ない葛藤の中、次々と命が失われて。
夜闇に光る命と蛍という運命の賽の目を転がす。

自らが希った幸福の為に。

[らいらさんの感想 · 2022年9月19日]

人々の行動が監視される超管理社会において、サプリを飲むと獣に変身出来る特区を舞台とした、独特な世界観で描かれるバトルファンタジー。
欲望や謀略の蔓延る歪な世界で、主要な登場人物の4人が皆、重荷を背負いながらも、確固たる信念を持って行動する様がカッコ良かったです。
全般的に設定が難解ですが、色々な現実の知識を纏めて複雑な設定を作り上げ、更に特に問題なく読めるように纏まっているのは凄いなぁと思います。

著者プロフィール

『ウィザード＆ウォーリアー・ウィズ・マネー』で第18回電撃小説大賞《銀賞》を受賞し、同作で電撃文庫よりデビュー。
代表作として『自称Ｆランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ？』（MF文庫J）、『理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか？』（MF文庫J）など

「2022年 『友達の妹が俺にだけウザい10』 で使われていた紹介文から引用しています。」