声優ラジオのウラオモテ #09 夕陽とやすみは楽しみたい? (9) (電撃文庫)
- KADOKAWA (2023年12月8日発売)
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感想 : 5件
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784049150728
作品紹介・あらすじ
「……このままでは、非常にまずいです」
『ティアラ☆スターズ』のライブ第2弾は大成功だったものの、オーディションでは連敗中。焦りから仕事へ打ち込む由美子に担任教師が突きつけたのは、模試の結果。今のままだと受験も声優業も共倒れ!?
加賀崎の勧めで学生生活へ専念する由美子。友人との勉強会や文化祭準備――久々の"青春"はとても楽しくて。
「こんな風に、演技のことを一切考えない期間って初めてでさ」
素直に楽しむ女子高生・佐藤由美子と、不安を抱く声優・歌種やすみ。悩める彼女が目にしたのは、アニメもラジオも大活躍な千佳の姿で――。
進路に、千佳との関係に。心揺れる青春声優ストーリー第9弾!
感想・レビュー・書評
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面白かった。エピソードが短くまとまっていて読みやすいし、楽しいエピソードじゃない部分でも主人公の強さのおかげであまり辛さを感じずに読める
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えーっと、いくつか言いたいことがあって……。
シリーズがひとつのピークを迎えたところで、転換点として前章と新章を繋ぐために(場合によっては、新章に向けて設定を微調整するために)インターバル的なエピソードを挟むというやつですね。
1巻まるごと「声優」の話をしないという意外性を突いたうえで、じゃあ何をやるかと言えば、「学園祭」という(一般的に青春ライトノベルにおいては)意外性も何もないベッタベタな題材なんですが、この【意外性】×【ベッタベタ】の掛け合わせが、思いのほかピッタリ嵌まってました。
全体的なことで言うと、直近の数巻が大規模なイベントライブに向けて高揚感をガンガン盛り上げていく話だったので、おそらくは落差を演出しつつ、あらためて由美子と千佳に「同じ学校同じクラスの高校生」の一面があることを再確認させる意図があったのであろう、「身の丈感」とでも言うべき雰囲気が一冊全体に徹底されていた。
そうそう、『声優ラジオのウラオモテ』って、もともとこういうのが面白い作品だったよね……というのを思い出させてくれた。
終盤、千佳の演技によって芝居が生き物のように変わる場面は、さすがに他の青春イベントを並行しながら、話の一部として学園祭の演劇の「身の丈感」のなかに詰め込むのは欲張りすぎだったかな。
『スキップ・ビート!』の「DARK MOON」でキョーコが練り上げた未緒の演技だったり、『ガラスの仮面』の「ふたりの王女」のオーディションにおけるマヤの圧倒的な才能の表現だったりと、ここは多くの先行作品が思わせぶりな仕込みで読者の期待を煽りながらさらに上を行くべく渾身の展開をぶち込んでくる見せ場なだけに、見劣りする点もあった。
これで、次巻か次々巻でさらにデカイことをやるための前振りだったりしたら、もちろんこの評価は喜んで手のひらを返させてもらいますが、どうなるでしょうか。
さて、キモである由美子が「声優」と向き合う過程に関しては、前巻と今巻の間に発表された岬鷺宮『午後4時。透明、ときどき声優』で同じ声優業を題材として非常に趣旨の似ている話が描かれた。
『午後4時~』が声優という仕事の「業」とも言える部分の迫力ある言語化に紙幅を割いたの対して、本作は由美子の日常的なスナップショットに軸足を置いて迫ろうとしたところが「らしさ」なのですが、そこが縮小再生産(=【既視感】と【スケールダウン】の掛け合わせ)に見えたのは、方向性は間違ってないのにタイミングだけ悪かったなぁ、と。
著者プロフィール
二月公の作品
