神様の本 (メディアワークス文庫)

  • KADOKAWA (2025年1月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784049161496

作品紹介・あらすじ

現存する最古の日本語訳聖書を追い、その謎を紐解く古書店の女店主・栞子(三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」)、「ゴッド オブ 、神様 団子」と言い残して倒れた青年と、あるミステリー作家(似鳥航一「下町和菓子 栗丸堂」)、パパ活中の女子大生と『人間失格』(紅玉いづき「カミサマは待ちぼうけ」)、落ちぶれた元人気作家が「本の神様」に導かれ、宮沢賢治の物語世界に迷い込み……(「深夜0時の司書見習い」)、天国にある出版社が聖書の矛盾を修正すべく神の監修のもと奔走(杉井光「ハレルヤ出版編集部」)、光源氏の最期を記したといわれる『源氏物語』幻の帖「雲隠」を求め、神と御用人の良彦が大奔走!(浅葉なつ「神様の御用人」)
温かくほろりと泣けて、時にユーモラスで大胆。豪華執筆陣が「神×本」というテーマで紡ぐ、珠玉の6編。心満たされる至福のアンソロジー。

【参加作家一覧】
三上 延/似鳥航一/紅玉いづき/近江泉美/杉井光/浅葉なつ

感想・レビュー・書評

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  •  メディアワークス文庫創刊15周年記念企画のアンソロジー第2弾です。本書に対して失礼かもですが、日頃の読書の箸休め(あ、漬物ではなく和物ですね、アンソロジーだけに…)感覚で選書し、するする読めました。

     6名の作家が、「神様×本」のテーマに時々謎解きを加え書き下ろした短編集です。内容はいかにも日本人特有ですね。それは、神を否定しないけれども特定宗教を信仰しない「無宗教」からくるのかと…。何にすがるかは人それぞれね、だからこそ関心も楽しみも多岐で、許容範囲も広いんでしょう。

     実際に関係する神様も、全知全能の神、キリスト教、日本の神様、本の神様、都合のいい人まで様々で、内容もコメディタッチでちょっと謎解きも含めたラノベ系です。「本」と「神様」だけに略して「本とカ」…え?ホントか!(はい、ドン引き) 私「本とコ」としては、他人事とは思えなかったんです笑。

     かなり前に読んだ三上さん(ビブリア)、似鳥さん(栗丸堂)、浅葉さん(御用人)のシリーズの番外編?で、懐かしさを覚えました。
     シリーズ未読の方も問題なしですね。各作家さんのシリーズ未読でも、本書をきっかけにシリーズ制覇もありかな、と思いました。

  •  <ビブリア古書堂の事件手帖>シリーズの書下ろし短編を目当てに読んでみた。最近はアンソロジーを多く読んでいるが、本書は神様をテーマにしたアンソロジーである。表紙カバーは、前述のシリーズの主人公の栞子さん。

     <ビブリア古書堂の事件手帖)、<神様の御用人>、<下町和菓子 栗丸堂>と<深夜0時の司書見習い>の四つの人気シリーズから一編づづ、書下ろしが二編の計六編からなる。気に入ったのは、巻頭と巻末をかざる<ビブリア古書堂の事件手帖)と<神様の御用人>の二つです。

  • 2025年1月メディアワークス文庫刊。三上延:ビブリア古書堂の事件手帖~約翰福音乃傳~、似鳥航一:下町和菓子栗丸堂~神様団子~、紅玉いづき:カミサマは待ちぼうけ、近江泉美:深夜0時の司書見習い~注文の多い図書館~、杉井光:ハレルヤ出版編集部、浅葉なつ:神様の御用人~雲隠~、の神と本をテーマにした6編の書き下ろしアンソロジー。シリーズものが4つもあって豪華の極み。三上さんは今までのビブリア〜の中には無かった傾向の話で面白い。他も全て良い出来で、お得感ありました。

  • 書き下ろしで主に神様系人気シリーズ書いてる作家の短編集。人気シリーズの番外編の方も、オリジナル短編の方もなかなかに豪華&読み応えアリの本でした。
    『ビブリア古書堂の事件手帖~約翰福音之傳~』
    三上延
    古書店を舞台にした本にまつわるミステリー。店名が神様を冠してる!なるほど。
    今回は扉子が一歳半くらいの頃の出来事。知り合いのツテでもっとも古い日本語訳聖書があるので買い取ってほしいといわれるが、歴史的にみてあり得ないのではないか?
    『下町和菓子 栗丸堂~神様団子~』似鳥航一
    読んだことないシリーズでしたが、楽しめました。栗田と葵が結婚後間もないとき、栗丸堂の前で倒れていた男。ゴッド……オブ―ー。神……団子。とつぶやいた。そして、一時的と思われる記憶喪失。栗田はなんとか記憶が戻らないか調べてみるが、わからない。そんなタイミングで帰宅する妻、葵が謎を解く。
    『カミサマは待ちぼうけ』紅玉いづき
    これまでのいろんな人生の結果、アプリで男性と知合って稼ぐような生活をしている。その時ネイルで気持ちをあげるのだが、笑わないネイリストの川島さんが好き。いつも色々話を持ちかけるけど、川島さんは人間失格を知っていて。私は私の生き方を考える。
    『深夜0時の司書見習い~注文の多い図書館~』近江泉美
    未読シリーズ。話は今より数十年前。札幌にあるモミの木文庫という私設図書館に通う昼間から酒の匂いをさせた男がいた。ふん、ここには図書の神様ってのがいるのか。ソファで横になり眠りに落ちたところは図書迷宮。まるで宮沢賢治の作品に入り込んだような……。
    『ハレルヤ出版編集部』杉井光
    神様のメモ帳シリーズは購入してしまったため逆に後回しになり50ページほど読んで本棚に積み上がってます。世界で一番透き通った物語とも、メモ帳とも関係ないお話。
    天上の天使たち(主にガブリエル)が主に出版(聖書)が売れるよう他の宗教と比較したり、粗探しして校閲を求めたりする、勉強になるふざけた話。
    『神様の御用人~雲隠~』浅葉なつ
    これとビブリア目当てで読んだようなものです。穂乃香が大学生、良彦はフリーターくらいの時系列。
    大国主神が妻の須勢理毘売がはまっている源氏物語の雲隠を探しだして読ませたい。キャバクラ遊びで怒ってるのを不問にしてもらうためにも…ということで、良彦がこき使われます。
    神様のうんちくが楽しく読みながら学べ、今回はそれプラス源氏物語まで!さあ、雲隠はあるのか?須勢理毘売は読めるのか?
    カミサマは待ちぼうけが、やや大人行動するので、中学校から。

  • ビブリアや栗丸堂、御用人など、シリーズで読んでいる作品があり、購入しました。はじめましての作家さんの作品も面白く、一気に読み進めました。
    短編なのでもう少し作品世界に浸っていたい思いもあり、初めての作家さんの作品も読んでみようかな。

  • 「神×本」というテーマ6編。
    「ビブリア古書堂の事件手帖」が読みたくて。
    他にもシリーズ物2つのスピンオフもあり。

    ビブリアは、聖書に纏わるお話。
    娘よりやはり栞子さんの方がお話が広がる気がする。

    「神様の御用人」は、日本の神様がコミカル。

    初めて出会う作家たち、アンソロジーは貴重な文庫本だ。

  • 神様にまつわるアンソロジー。
    全体的に豪華なアンソロジーで、大満足でした。

    お気に入りはビブリア〜と下町和菓子屋 栗丸堂。

    ビブリアは栞子と大輔が新婚の頃の時系列。
    短編ながら、読み応えあるキリストに纏わるストーリーでした。
    扉子は赤ちゃんながら、現在と変わらぬ本の虫の片鱗が垣間見えました。

    栗丸堂は、結婚後のエピソードで、まさか読めると思わなかったので嬉しかったです。
    今だに「栗田さん」呼びの葵がらしくて、それに耐えられない栗田とのやり取りが微笑ましかったです。しかし、なぜ「女豹」呼び希望なのか…
    続編希望です!

  • 「ビブリア書店」や「神様の御用人」などの人気シリーズのスピンオフを含むアンソロジーだったので、やはり気になって手に取ってしまった。
    ビブリア書店の方はなかなかミステリアスで面白かった。
    紅玉いつきさんは、違った色の作風で、ちょっと意外だった。

  • 久しぶりに、うっかり電車を乗り過ごすところだった。
    一気に2/3ほど、読んでしまった。
    初見の作家さんが2人いたが、あとはお馴染みさんばかりで、楽しく読ませてもらった。
    短編集なので少し物足りなさは感じたけど、おもしろい作品ばかりだったと思う。

    ビブリアでは、栞子さんは何故あそこまで見通せてしまうのか、びっくりである。
    現場で一緒になって説明を聞いている気分だから、大介が話の腰を折ってくるたびイライラしてしまう。
    子供を思う親心が伝わってきて、良い作品だと思う。

    北海道ののんびりとした図書館に似つかわしくないお酒に溺れているおじさん。
    嫌だなぁ…と、思っていたのに、いつの間にか一緒に冒険してしまった。
    ラストはちょっとしたどんでん返しがあり、ほっこり終わった。

    ご用人
    テンポよく楽しい。
    見つかりそうで見つからなかった『雲隠れ』
    私も知りたいと思う気持ちと、知らないままでいたい気持ちとある。
    でも、雀を包んでいた紙って…(笑)


    2025/02/09 15:18

  • 「神様の御用人」久し振りに黄金と良彦、神様の神様らしからぬやりとりが面白い。「注文の多い図書館」の図書館の迷宮や「ビブリア」も良かった。神社、神様好きにはたまらない1冊です。

  • 紅玉いづき先生目当てに購入。今回のお話も大変良い作品でした。やっぱり紅玉いづき先生の作品は全て蒐集したい。あと何年後かには、紅玉いづき先生作品の本棚が出来ているかもしれません。いつまでも応援しています。ずっと大好きな少女文学作家さんです。

  • 【収録作品】
    「ビブリア古書堂の事件手帖~約翰福音之傳~」 三上延
    「下町和菓子 栗丸堂~神様団子~」 似鳥航一
    「カミサマは待ちぼうけ」 紅玉いづき
    「深夜0時の司書見習い~注文の多い図書館~」 近江泉美
    「ハレルヤ出版編集部」 杉井光
    「神様の御用人~雲隠~」 浅葉なつ

    あくまでも好みの問題で、私としては冒頭二作以外は読まなくてよかった気がする。読まなければわからないから仕方がないけれど。

    シリーズものの一作が多いようだが、既に知っていた冒頭二作以外は改めてシリーズに手を出そうとは思わなかった。もちろん、シリーズ読者には喜ばれると思う。

  • 三上さんの話、栞子さんの勘が冴えわたって満足!
    注文の多い〜 が、とても奥深く面白かった。
    多くの本好きに読んで欲しい1冊でした。

  • ちょっと時間がなくて(言い訳)ビブリアの短編しか読まなかった
    てかビブリアの短編集だと思ってたんだよ

    聖書の話はおもしろかった

  • ビブリア古書堂の事件手帖~約翰福音之傳~(三上延)
    扉子ちゃん可愛い。「ほ」て言いながらお父さんのあぐらの上に乗るの可愛い。しかも読んでっていう意味じゃない。
    そこまでして隠さないといけない時代があったんだなと思うと不思議な気持ち。
    栞子さん達なら本を探してほしい理由を伝えたら探してくれそうですけどね。

    深夜0時の司書見習い~注文の多い図書館~(近江泉美)
    良い娘ですね芽衣子ちゃん。お父さんの事を心から慕っている。
    三郎さん、芽衣子ちゃんを手放さずにすんで良かった。改める機会に出会えて良かった。

    ハレルヤ出版編集部(杉井光)
    最初から最後まで面白かった。
    あなたが法、道理です。神なので。と言いながら中々な辛辣さのあるガブリエルが好き。

    神様の御用人~雲隠~(浅葉なつ)
    ないからこそ完成しているとも思える。
    見えない部分の想像するのも楽しいですからね。
    でも好きな作家さんだと、数行の小話でも欲しいと思うから難しいところ。
    この神様の絶妙な関わり具合が良い。

  • ビブリアの新作を目当てに購入したものの、どれも楽しく読めて満足度の高いアンソロジーでした。
    シリーズ物のスピンオフ的なお話もありましたが、シリーズ未読でも読めましたし、逆にシリーズも読んでみたい!と強く思うようになりました。
    各々にとっての「神様の本」の違いが面白く。聖書という"みんなにとっての神様"をテーマにしたものから、"私にとっての神様"を描いたものや、シンプルに"神様"というワードのパワーで物語を引っ張っていくもの…同じテーマでも雰囲気が違っていて、それぞれが味わい深かったです。
    個人的には、杉井光さんが刺さりました。なるほどセンスがいい!というのが率直な感想です。編集という過程や本の形態を活かして書くのが上手い、得意な方なのかなぁという印象。

  • 最近、アンソロジーは読まないことにしていたのだけど、タイトルに惹かれて読んでみた。

    三上延さん以外は未読の作家さんばかり。

    三上延さんの作品は、予想通り素晴らしかった!
    不信心で愚かな者の祈りにも神様は耳を傾けてくださる。
    奇跡は、それを信じる者の身にしか起こらないのだろう。

    そして全く想定外だったのだけど、杉井光さんの作品がめちゃくちゃ面白かった!!
    全知全能の万物の創造主がちっとも全知全能じゃなくて、これじゃ設定が破綻してるだろっ!と、ツッコミどころ満載で面白過ぎて、完全に冒瀆かも?www

  • ビブリアと神様の御用人を追っていたので購入。どれも満足でした。個人的に宮沢賢治も大好きなので近江泉美さんの作品も初見でしたが楽しめました!このシリーズ今度読んでみようかなと思える出会いも多い良き本です(^^)

  • 栞子さん目当てでしたがどの作品も面白かった。
    杉井光さん、「透きとおった物語」とはまったく別テイストで驚いた♪

  • ビブリアと神様の〜が面白かったです。
    キャラが確立していてストーリーも良い。

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著者プロフィール

『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計700万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。

「2022年 『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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