妖精の物理学 ―PHysics PHenomenon PHantom― (1) (電撃文庫)

  • KADOKAWA (2025年5月10日発売)
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  • 本 ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049162301

作品紹介・あらすじ

――第31回電撃小説大賞《大賞》受賞作――
「たった今、世界の法則を再定義しよう」
2032年に提唱された前代未聞の物理学理論により、世界の在り方は大きく変わった。特定の物理現象が少女の姿で具現化した存在――『現象妖精』は、人類に多大なる恩恵と、未曽有の大災害をもたらした。
七年前、『現象妖精災害』により一度崩壊し――復興した街・神戸。そこに暮らす少年・カナエは平穏な日々を過ごしていた――はずだった。あの日、助けを求める彼女の声を聴くまでは。
「1500万もの人間を、この手で一度に、――殺しました」
世界の秘密と、犯した罪。少年と妖精の逃避行が今、始まる。
大賞受賞作家が遺した感動の大作が堂々刊行!

感想・レビュー・書評

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  •  物理学の根底を覆した「現象妖精」(フェアリー)が出現し、その「現象妖精」によって、大災害が発生した日本。

     死傷者も多数で、首謀者らしい人物も行方不明に。

     その7年後、天地がひっくり返った街神戸に住んでいる室月カナエと彼と契約する「現象妖精」であるレヴィはなんともない普通の日常を送っていたのだが、「現象妖精」ゆきとの出会いにより、日常は脆くも崩れ去ることに。

     本作品は主人公カナエと彼に関わる「現象妖精」が運命をつかむ物語です?

     最後、?マークとしたのは、正直、この作品が展開していくのかもわからないですし、展開していくと本当にこういう話なのかわからないので、?マークとしました。

     帯に書いていたり、あとがきにもあるのですが、作者様が本作品で電撃文庫大賞を受賞した後に鬼籍に入られたとのことで…

     帯にも書いていたので、どういうこと?と思いつつ、はじめによんでみた感じは

     「何書いてるかわからないよ?」というのと、「会話文とかキャラも荒くね?」

     という感じで、これ、遺作っていうだけで何も手を加えず、なんなら大賞受賞も作者の遺作補正はいってるんじゃないか?が100ページに辿り着くまでの本音(この時は大賞受賞後に鬼籍になったという事実を知らず)

     ただ、この読みづらさもあとがきを読んでからわかった話なのですが、あとがきを書かれた有象利路先生が書いていることと同じように思いました。

     また、文系だからか、物理の世界すらほぼ知らないということもあり、ところどころ意味不明ということもあります。

     上記のことや、結構重たいテーマもあって、そこを軽く扱って良いのかと個人的には思いながらも、読後は面白いし、この話が最後どうなるのかを追いたいなと思うくらいに、本作品の没頭できました。

     見どころは、生きるために闘うバトルシーンにあるのではないかと思います。

     正直、何書いてるのかわからないくらいに用語がいっぱいあるのですが、テンポが良いのと、展開が心地よいという意味で早くて、読んでいて楽しいという点と、主人公カナエと「現象妖精」との共闘感があって、個人的には好きなバトルシーンだったなと感じています。

     本作品のタイトルの横に(1)とあるので、もしかしたら、作者が鬼籍のまま続刊がでるのか?と思いながら、その日を楽しみにしたくなる、そんな遺作であり第1巻だったなと思いました。

  • 『現象妖精災害』により崩壊した日本、特に重力反転により「逆さまになった神戸」を舞台とするSFにしてボーイミーツガール青春物語。根底にある、全ての物理現象は対応する『現象妖精』が引き起こす。『妖精』が生きるためには甘いもの(糖分)が必須。そして主人公の少年・カナエだけが『妖精』と意思疎通ができる。この三つの設定が作品の展開やギミックに常に関与していて、作中で起こったイベントを思い返すと「ここに効いているのか」と、その使い方の巧さに唸りました。一方で展開の強引さや荒さも感じていましたが、その理由も解説を読んで納得。物語の行く末を知ることができないのは残念でならないほど衝撃を受けた傑作でした。

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著者プロフィール

猫と甘いものを愛するイラストレーター。
「SNOW MIKU 2021」メインビジュアル、「ジャパンカップ麺」パッケージイラストなどをはじめ、美少女プラモデル「アルカナディア」、「Fate/Grand Order」などのソーシャルゲーム、バーチャルYouTuberのキャラクターデザイン、フィギュアデザイン、ライトノベルの挿絵など幅広い分野で活動しています。

「2021年 『necömi画集 PHONOGRAPHIC』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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