大きな耳と長いしっぽ (あすかC)

  • 角川書店 (1993年7月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784049243697

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  • 初版

  • サバの話と、「ジイジイ」一本。
    この頃のサバの美しいこと。まだたくさんのことに一喜一憂して、それを
    表現できる大島弓子がいる。
    「ジイジイ」は、何度読み返しても、擬似最後の晩餐のときにおばのことを母親に
    ののしられ、イネが大泣きしながらかばうところで私も泣いてしまう。

    「おばさんはお母さんたちのこと一度も悪く言ったことないよ
    私がお母さんたちの悪口を言うとおばさんは怒ったよ
    だから言わないで
    おばさんの悪口は言わないでーーー」

    そのあとお母さんも、おばにイネを預けておきながら嫉妬していたと告白するけど
    そんなところはもうどうでもよくて
    少女ならば必ず通過する、透き通りすぎて痛々しいほどの透明さ
    こんな心情とセリフを40すぎて描けた大島弓子の力に、ただただ低頭するしかない。傑作。


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著者プロフィール

栃木県生まれ。短大在学中に『ポーラの涙』でデビュー。昭和53年より「月刊ララ」に掲載された『綿の国星』は、独特の豊かな感性で描かれ、大きな反響を呼ぶ。『ミモザ館でつかまえて』『夏のおわりのト短調』『パスカルの群』など著書多数。

「2011年 『グーグーだって猫である6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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