必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 (月が笑ってらぁ編) (ザテレビジョン文庫)

必殺党

• 角川書店 (2001年2月9日発売)

作品紹介・あらすじ

時代劇『必殺シリーズ』後期に登場した殺し屋完全収録！７０％以上の未公開スチールで贈る、２１世紀初にして最安値の必殺本だ！

感想・レビュー・書評

[darkbonkuraさんの感想 · 2020年5月14日]

「必殺ｼﾘｰｽﾞ完全闇知識 瞬間(ひととき)の愛編」で紹介された後期16作品と必殺ｽﾍﾟｼｬﾙ全17作品と新生必殺ｼﾘｰｽﾞに登場した殺し屋(主人公及びｹﾞｽﾄ)約240人を紹介。

「完全殺し屋名鑑荒野の果てに編」で後期は嫌いなｷｬﾗｸﾀｰがいると書いた。
先ずそちらから挙げると、
･加代(仕事人～Ⅴ激闘編)
･西 順之助(仕事人Ⅲ～Ⅴ,旋風編)
･日増(仕切人)の三人。
中でも一番嫌いなのは加代。
仕事人(1作目)の頃はわりと落ちついた性格で別に嫌いでもなかったが、新仕事人で 何でも屋を始めてⅢから金にがめつく金儲けになりそうな事なら首を突っ込んで来る様になって(ｷｬﾗｸﾀｰに変化が出てきて)から嫌いになった。
仕事人ｼﾘｰｽﾞでは仕事人達とその回のｹﾞｽﾄ(被害者＝頼み人)との絡みが定番になるのだが、加代の場合 は金儲けが目的でｹﾞｽﾄと絡み裏稼業の人間なのに派手に動き回ったあげくｹﾞｽﾄが悪人達の手に掛かって殺されてしまうというのが大体のﾊﾟﾀｰﾝ。
そして自分には何一つ責任はないみたいな顔して金を受け取り出陣する姿を観る度に「投石機の紐を引っ張るだけなのに何 気取って出陣してんだ!お前(加代)が余計な事をしなければ犠牲者が出なくてすんだんだろうが!!」といつも思っていた。
そうしないとｽﾄｰﾘｰが進まないとわかってはいるがそう思わずにいられないくらい加代が嫌いだった。
だから激闘編で退場すると知った時は本当に嬉しかった。

で、ﾍﾞｽﾄｷｬﾗｸﾀｰはというと、
･秀(仕事人～Ⅳ、まっしぐら！)
･直次郎(仕舞人、新仕舞人)
･政(仕事人Ⅴ～風雲龍虎編)
･かげろうの影太郎(風雲龍虎編)

秀はｷｬﾗｸﾀｰ面だと仕事人(1作目)とまっしぐら!、ﾋﾞｼﾞｭｱﾙ面だと新仕事人の時が個人的にはﾍﾞｽﾄ。
秀と言えば簪による殺しが有名だが、自分は仕事人(1作目)第1～33話までのﾉﾐを使っての殺し(荒っぽく叩き込む様に刺す)が好きだった。
簪を使っての殺しならﾊｲｷｯｸをﾋﾞｭﾝﾋﾞｭﾝ繰り出しﾀﾞﾒｰｼﾞを与えてからとどめをさす新仕事人の頃がﾍﾞｽﾄ。

今や怪優として有名な本田博太郎が演じたのが直次郎。
明るくお調子者で義理人情に厚い男だが、実は臆病者で殺しの時の普段とは違う緊張感溢れる表情のｷﾞｬﾌﾟが良い。(殺し技は一発勝負の居合い斬りで、緊張感をｷﾞﾘｷﾞﾘまで高めた防衛本能で奇襲戦法で斬りつけるというもの)

政は宮内洋(島帰りの龍)同様、ﾋｰﾛｰ(仮面ﾗｲﾀﾞｰ(新))演じた村上弘明が演じるという事で放送前から期待していていた。
しかし、そのｷｬﾗｸﾀｰは秀のｺﾋﾟｰ的なものだし 表稼業の花屋、花の枝による殺しも精悍なｲﾒｰｼﾞの村上弘明に合っているとは思えなかったのだが、激闘編になって商売を鍛冶屋、殺し技も棺桶の錠と同じ手槍(但し錠のが金属製なのに対し政のは木製)に変えたら これが村上弘明のｲﾒｰｼﾞに合っていて 政と言えば個人的には鍛冶屋の方が好きだったりする。(花屋もそれなりに好きだが)

かげろうの影太郎は飄々とした雰囲気を持ちながら物事や状況を的確に見定め、冷静に判断,行動する演じた三浦友和のｲﾒｰｼﾞも有って仕事人ｼﾘｰｽﾞの中でも珍しい知性派ｷｬﾗｸﾀｰ。(一応、順之助も知性派にあたるが未熟な部分が目立つ)
風雲龍虎編だけの登場というのが残念でならない。
もっと早くから登場していれば良かったのにと当時から思っていた。

ﾍﾞｽﾄ以外だと坂東京山と晋松(共に仕舞人、新仕舞人)が好きなｷｬﾗｸﾀｰ。

後期はﾊﾞﾗｴﾃｨｰ化した作風の為か前期程 個々の人物(性格･個性)をしっかり描ききれてなく(橋掛人の新吉、仕事人Ⅴ旋風編の銀平 等)物足りなさを感じてしまうが、それでもその他のｷｬﾗｸﾀｰもそれなりに良いと思っている。( 嫌いなｷｬﾗｸﾀｰもいるけれど)

現在 年一回のｽﾍﾟｼｬﾙのみの放送となった必殺。
ｷｬﾗｸﾀｰが固定された感があるが、新たな個性的なｷｬﾗｸﾀｰが現れるのだろうか?
現れてほしいなあ。

では、先の三冊と同じくこの言葉でﾚﾋﾞｭｰを締めたい。

時代劇は必殺です!
歌は「風の旅人」!(必殺仕舞人 主題歌)