ゆきがやんだら (学研おはなし絵本)

  • 学習研究社 (2005年11月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784052024948

作品紹介・あらすじ

しんしんと雪が降り積もる静かな一日を、親子の姿を通じて、優しく美しく描いた1冊。子どものころに感じた、雪が降ったときのドキドキやワクワクを思い出させてくれる。人気の絵本作家・酒井駒子の待望の新作絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 酒井駒子さんの絵本ですね。
    酒井駒子さん(1966年、兵庫県生まれ)
    絵本作家、装画家、挿絵画家。
    『ゆきがやんだら』は、2009年銀の石筆賞を受賞されています。その他数々の賞を受賞されています。
     
     うさぎさんの子どもとおかあさんのお話です。

     あさ おきたら、
     ママが「まだ ねてて いいよ。」
     って いうの。
     ぼくが「なんで?」って
     きいたら、
     「えんが おやすみに なったから。」って。
     「きのう よなかから、ゆきが いっぱい
      ふったのよ。それで えんバス 
      うごけなく なっちゃったんだって。」
      
      「ゆき」
     「ぼくと ママしか いないみたい、せかいで。」

     ぼくとママは、ゆきをたのしみなが パパの
     かえりを まちます。

     絵がとても微笑ましいですね。
     おかあさんの愛情があふれる、ほっこりとしたお話に心が温かくなりました。
     子どもさんもニコニコしながら絵本を楽しまれるのが、浮かぶようです♪
    (この絵本は、海と青硝子さんの本棚登録に惹かれました。ずっと見ていたくなる絵本ですね。ありがとうございました(=^ェ^=))

  • 12月も半ば、冷える夜にはなぜかこの絵本を見てしまう。

    雪が降っている絵はとても優しくて、冷たいはずなのになぜか気持ちは、あったかくなる。
    それは、うさぎの親子の日常がなんともいえないほどの世界観に包まれているからだろうか。

    引き込まれてしまう。
    絵が、雪の絵がとても美しい。

  • 雪が降ったときの非現実感とわくわく感が、程良いバランスで表現されており、その不思議な感覚を、うさぎの子供とお母さんが共有する、日常の一コマとして描いています。

    酒井さんの他の作品と同様に、時折挟まれる、見開きの文章の無い、絵だけの表現が、言葉にできない気持ちを想像させるようで、つい感傷的になってしまいますが、その中でも絶えず、お母さんの見守る姿があり、温かさも感じられました。

    そういえば、酒井さん自身の物語の作品には、お母さんと子供の関係性を問いかけるものが多いと思い(なぜかお父さんは登場しませんね)、もしかしたら、その理由は、お母さんだからこそ出来うる温かさと愛情を読み聞かせで、お子さんと、子育てに追われるお母さん自身にも、感じて欲しいからなのかもしれませんね。

    • たださん
      111108さん、こんばんは。

      コメントありがとうございます。

      久しぶりの図書館に行かれた楽しさが、文章の端々から伝わってきて、読んでい...
      111108さん、こんばんは。

      コメントありがとうございます。

      久しぶりの図書館に行かれた楽しさが、文章の端々から伝わってきて、読んでいる私も嬉しくなります(^-^)

      私の図書館好きは、毎回行ってるのに、帰りのバス停までの歩く時間ギリギリを測りながら、少しでも長く探したい気持ちが変わらない程で・・私が、あまりにじっくりと見ていくから、未だに全ての棚を見終わっていないのもあるとは思うのですがね(・・;)

      ヨギガンジー無かったんですね。それも残念です(T^T)が、児童書の五十音順がタイトルなのは、また厳しいですね。
      こうなると、図書館内のパソコンで作家検索する方が早いかもしれません。

      そういえば、私が以前、住んでいた市の図書館も、児童書はタイトルの五十音順でした(当時の私の本音。作者でまとめてほしかった)。

      ただ、お子さん的には、作家で探すというよりは、「これ読みたいんですけどありますか?」といった、タイトルで探すパターンが多いのかもしれませんね。
      学校で話題になったから図書館に探しに来たとか。

      それから、意外な本のレビュー、拝見しました。

      斉藤洋さんは知らなかったのですが、佐々木マキさんは、昔、「やっぱりおおかみ」を読んだことがあります。
      70年代という時代性もあるとは思いましたが、光の当たらないものへの眼差しが、他ではあまり見られない独特な感じで、印象に残ってます。

      酒井駒子さんの絵本のレビューも、楽しみにしてますね(^o^)
      2022/04/04
    • 111108さん
      たださん、こんばんは。
      お返事ありがとうございます♪

      ほとんどグチといった内容ですみませんでした。
      たださんのおっしゃるような、子どもはタ...
      たださん、こんばんは。
      お返事ありがとうございます♪

      ほとんどグチといった内容ですみませんでした。
      たださんのおっしゃるような、子どもはタイトルで探す事が多いかもという指摘は目から鱗でした。たしかに小さい頃は面白い話を誰が書いたかなんて気にしてないですよね。

      今回は図書館後の予定がありゆっくり選べなかったのもあるので、たださんのようにじっくりひとつひとつの棚を見てみたいです。

      斉藤洋さんの本は10才位の都会に住む男の子が主人公なのですが、実際にその年頃の子が楽しむというより、佐々木マキさんの絵にノスタルジー感じる私のような年代の人が子どもの頃に読みたかった内容なのかな、と思いました。
      2022/04/04
    • たださん
      111108さん

      返事のお返事、ありがとうございます。

      私には、グチというよりは、色々あったけど、出会いがあって、情報も得て、次の楽しさ...
      111108さん

      返事のお返事、ありがとうございます。

      私には、グチというよりは、色々あったけど、出会いがあって、情報も得て、次の楽しさに繫げることができたという風に、捉えていたので、あまり気になさらないで下さい。

      ただ、仮にそうだとしても、言葉や文章にすることで、気持ちが晴れることもありますので・・私の「ストーンサークルの殺人」のコメントも、今、見るとグチに近いかもしれません(^_^;)

      佐々木マキさんのノスタルジーな感じ、分かる気がします。

      私の読んだ「やっぱりおおかみ」は、それに加えて、アウトロー的な哀愁もあったのですが、それが学生時代に感じたような匂いというか、懐かしいものがありました。

      斉藤洋さんの作品、面白そうですね。次回の図書館で、注目してみます。
      2022/04/05
  • 子うさぎの「ぼく」の幼稚園が、雪で休園になりました。「ゆきが やむまで そとに でちゃだめ」とママに言われて、静かにお家遊びをするしかない。雪遊びをしたい「ぼく」がちょっと不満気なのが可愛いですね。
    三重県でも、学校などが休みになるほど雪が降ることはたま〜にあるのです。

  • うっとりするほど素敵な絵☆
    リアルなできごとを人間ではなく
    ウサギの親子で描写してて柔らかい♪

  • 2005年発表


    しんしんと降り積もる雪。

    時が止まったかのような
    閉ざされた世界に、
    息をするのは
    たった二人だけだと感じる瞬間。



    雪に閉じ込められた
    うさぎの母子の
    静かな一日を描いた美し過ぎる絵本。




    大人にとっては迷惑な雪も
    子供にとっては
    思いがけない
    天からの贈り物なのかも。


    ウキウキする心を抑えきれずに
    お母さんが洗いものをしている隙に、
    こっそりベランダに出て
    雪のおだんごを作るうさぎの子供が
    なんとも微笑ましくて
    あったまるこな気分をくれる(笑)



    雪が音を吸い込んでしまう
    真っ白な無の世界に
    まっさらな足跡を付ける喜び♪


    雪が止んだ夜に
    約束を守って
    外に連れて行ってくれる
    うさぎママは
    いいお母さんですね。



    大雪で外に出れない経験はないけど、
    昔は台風の時は
    窓や玄関に板や戸を打ちつけたりして
    まさしく家に籠城してたのを
    思い出しました(笑)


    雨が止むまで
    母と二人きりの時。


    世界に二人だけが取り残されたような
    心細い気持ちは、
    幼いながらも
    確かに味わったような気がします。




    大人や老人になって、
    自分を支えてくれるのは
    他でもない
    子ども時代の
    『あなた』の記憶。



    辺り一面銀世界の夜を
    母子で遊んだ記憶は
    うさぎの子供にとって
    一生忘れられない記憶となって、

    彼を支える
    核となっていくんだろうな。



    酒井さんの
    荘厳で繊細な絵も
    ページをめくるのを忘れてしまうくらい、
    いつまでも眺めていたくなる
    豊潤で深い味わいです。

  • 朝、起きたら、雪で園がお休みになってた。
    雪がたくさん降ってるから、ママは外に出ちゃダメだって。
    でも、ないしょでベランダに行ってみたよ。
    そうして、いそいで ゆきのおだんご ひとつ つくった。

    深々と降り積もる雪の中、ママとぼくとの静かな1日。外に出られなくてつまらないけど、お買い物にも行けないママとトランプしたり。
    いつもと違う時間が、ゆったりと流れる感じ。
    酒井駒子さんの絵が雪のしんとした様子と、ぼくうさぎの気持ちをじんわりと伝える。
    今年は私のまわりでは雪は降らずに終わりそうだけど、ゆきのおばけ、作ってみたくなった。

  • 〝朝おきたら、ママが「まだ寝てていいよ」って言うの。ぼくが「なんで?」って聞いたら、「園がお休みになったから」って。「昨日、夜なかから雪がいっぱいふったのよ」〟...ママは風邪をひくから外で遊んじゃダメって。ママは買い物に行くのもやめた。 パパは遠くでお仕事。雪がやまないと帰ってこれないって・・・深々と雪が降り積もる静かな一日の光景を、絵本作家・酒井駒子さんが〝ウサギの親子〟の姿を通して、優しく美しく描いた、温かさを感じる憩いの絵本。

  • 東京生まれ育ちなので、子どもの頃は稀に降る雪に興奮していたのを思い出した。ぼく同様にベランダに僅かに積もった雪をかき集めて丸めていたのを懐かしく思う。特に印象的だったのは、夜に外に出て一面の雪へ駆けていくシーン。文章がないことで雪による街の静けさ、子どもの喜びがひしひしと伝わってきた。

  • あさおきたらママが「まだねてていいよ。」っていうの。
    ある雪が降った一日をウサギ母子の挿絵でやさしく追体験できる絵本です。
    えんバスが動かなくて一日お休みになったウサギの子は母親と静まり返っている街を見ます。
    雪が積もりそうなときなどに読んで、本と実際の生活を重ねる体験をさせたい本。
    低学年から。

  • 小さな頃の雪って楽しかったなぁ、としみじみ
    いまでは通勤や仕事の関係でこんなに雪が嫌いになったのに
    ただ楽しんでいたあの時の白色を思い出せました

  • 大人になっても、雪のなか、世界で自分だけしかいないような気持ちによくなります。

  • きっと誰も覚えがあるはず。

    子どもの頃、突如として降って湧いた「非日常」に
    ドキドキして、わくわくして、そばの大きな手をぎゅっと握ったこと。

    しぃんと静かな真っ白な世界が
    少しだけ怖かったこと。

    いつか私の子どもも
    同じ気持ちになるんだろうか?

    その時まで、忘れないように
    この本を持っておきたい。

  • 1歳〜。
    子どもがまだ小さい頃に、繰り返し繰り返し読み聞かせする。それが似合う絵柄、ストーリー。
    酒井さんの作品を手に取るのは、数年ぶりだったが、ホッとできる、温かい世界観に親も癒される。

  • 夜中から降り続いた雪が積もった。雪の中へ遊びに行きたい子供とそれを制する母。積雪という(雪があまり降らないところでの)非日常を描く作品。

  • しずかな雪の日のお話

  • 雪が降って、幼稚園に行かなくなって家にいるうさぎ。
    風邪をひくからと外には出してもらえないけれど、こっそりベランダにでて雪のお団子を作る
    雪のために買い物に行くのをやめたお母さんと一緒に家の中で遊ぶ
    お父さんも雪で帰ってこれないという

    お母さんと一緒にベランダに出てみると、
    そとはさむい
    すごくしずか
    くるまもとおらない
    だれもとおらない
    ゆきのサラサラふるおとがきこえてくるだけ
    「ぼくとママしかいないみたい、世界で」

    夜ごはんを食べて窓の外を見ると、雪がやんでいて、
    もう寝る時間だけれど、お母さんに頼んで一緒に外へ出る



    雪で誰も、お父さんすらも入れない温かいおうちで、
    お母さんとたったふたりで幸せに過ごす優しいお話
    もちろん期間限定だから楽しいのですが、
    たまに降る雪には、幸せな閉鎖空間機能がありますよね(出かける用事のない日限定)

  • 雪の降り続く一日は、いつもと時間の流れ方が違うように感じる日。その雪の深い静けさに満ちた特別な一日がどこか懐かしくなる絵本だった。
    雪がやんだとはいえ、もう寝る時間に真っ暗な外に出るのを園児の子に許すママ太っ腹だなぁ。滅多に雪が降らない地域ならこれは貴重な機会なのか。たまにのこんな「ちょっとだけね」の経験がママとの秘密の思い出として残っていくのかもしれない。
    「こんこん(雪)あった!」と2歳4ヶ月の息子も夢中。来冬また親子で読みたい。

  • 酒井駒子さんの絵本に外れなし。
    雪の日の子供のウキウキした気持ちがとても良く伝わってきます。
    3~6才向け。

  • 都会でめずらしい大雪が降って園はお休み、
    出張のおとうさんも帰ってこられない、
    そんなリアルな日常のひとこまでありながら、
    雪に降り籠められたうさぎのぼうやとおかあさんの
    ふしぎに静かであたたかな一日を描ききっていて、
    このうえなく詩的なお話。

    やっぱり酒井駒子さんの世界はいいなぁ。

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著者プロフィール

酒井 駒子(さかい・こまこ):兵庫県生まれ、絵本作家。『橋の上で』(文・湯本香樹実、日本絵本賞受賞)、『金曜日の砂糖ちゃん』(ブラチスラバ世界絵本原画展金牌)、『BとIとRとD』『森のノート』などの著書がある。

「2024年 『初夏ものがたり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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