ビーザスといたずらラモーナ 改訂新版 (ゆかいなヘンリーくん 4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784052026645

作品紹介・あらすじ

ビーザスのなやみのたねは、妹のラモーナです。まったくラモーナときたら、どうして、こう次から次へといたずらばかり思いつくのでしょう。すっかり、ゆううつになったビーザスでしたが…。やんちゃでききわけのない妹を持った、お姉さんのなやみをユーモラスに描いたゆかいな物語。

感想・レビュー・書評

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  • クリアリー、やっぱり面白い!!

    このお話は小3の姉ビーザスと
    信じられないくらい自由奔放な4歳の妹ラモーナのお話。

    とにかくラモーナが破天荒すぎる。
    りんごを1口かじっては別のを食べまくって散らかしたり、
    図書館の本に自分の名前を書いてしまったり。
    姉の誕生日ケーキを1日2回もめちゃくちゃにしたり!!
    でもきちんと破天荒な理由があるんだよね。
    理由もなしにりんごを一口ずつかじったりしないんだ。
    「だってりんごは、はじめの一口が1番おいしいんだもの。」

    わたしは長女で、どうしても姉目線で物語を読んでしまうので、ビーザスが可哀想で可哀想で、ビーザスの誕生日の話はうるっときてしまったほど。笑
    この歳になっても感情移入させられるとは…お見事です。

    子供ながらの感情がきちんの文章で描かれていて、そこがいい。
    しっかりもののビーザスが、わたしはお姉さんなのに、ラモーナのこと嫌いかもしれない、、と悩むところなんて、とってもリアル。
    お母さんが「いつもラモーナがすきでいなくちゃいけなきなんてことないのよ」って言ってくれた時の、ビーザスの気持ちと言ったら!びっくりしてほっとして。ああ、ビーザスはいい子だなあお姉さんだなあ。(やっぱり長女目線になってしまう。)

  • 私が小学生のときに図書館で借りて読んだ本。
    今はサイズがちょっと小さくなって、でも活字は大きくなって読みやすくなってるんだね。うれしい。

    悪ガキを書いた本はいっぱいあるけど、ラモーナはピカイチだよね、やっぱり。悪ガキっていうか、悪気がまったくないのにここまでやっちゃうとこがすごい。図書館で借りた本の話と、りんごを一口ずつかじってしまう話は、今読み返してもおもしろい。

  • 「ビーザスのなやみのたねは、妹のラモーナです。まったくラモーナときたら、どうして、こう次から次へといたずらばかり思いつくのでしょう。すっかり、ゆううつになったビーザスでしたが…。やんちゃでききわけのない妹を持った、お姉さんのなやみをユーモラスに描いたゆかいな物語。」

  • 『ゆかいなヘンリーくん』シリーズ4巻め。

    今回の主役はビーザス。犬のアバラーがトラブルを起こしてヘンリーくんがなんだかんだでそれを解決、というおなじみの流れはそのまま。今回は妹ラモーナの引き起こすやっかいごとをビーザスが解決していきます。

    漠然とラモーナは小学校低学年、ビーザスは高学年くらいの年齢だと思っていたのだけど、ラモーナは4歳、ビーザスは9歳ということが判明。この年齢差ってまんまうちの姉妹なので、ビーザスには共感しまくり。

    だいたい長女はいろいろがまんして欲しいものも欲しいと素直に言えないのに、妹は人形だのぬいぐるみだのポンポン買ってもらってずるい。それなのに「お姉さんなんだから」と言われる理不尽さ。

    5歳の差は子供のころは大きくて、もう自分は大きいからそんなことはやらないっていうのを目の前で繰り返される恥ずかしさ。私が遅くまで起きていれば「お姉ちゃんばかりずるい」と言って真似しようとする妹。
    ラモーナが「あたしも◯◯するぅ」と叫ぶたびにそんなことを思い出しました。

    いや、しかしビーザスはこの妹の面倒をぶつぶつ言いながらちゃんとやってるんだから本当に偉い。ラモーナがりんごをひと口かじっては捨てるのはこの巻でした。

    子供のころ読んだときはこの巻はそれほど印象に残っていなかったのですが(ヘンリーくん主役じゃないし)、今読むとむしろ客観的にビーザスの立場が見えて共感できるのかも。

    ラモーナが怒られるとき「ラモーナ・ジェラルディン・クインビー!」ってフルネームになるのアメリカっぽい。

    著者のベバリイ・クリアリーは図書館員だったので、借りた本に名前を書いてしまうというラモーナみたいな子も実際にいたのでは。

    以下、引用

    ビーザスは、自分も大きくなったら、ビアトリスおばさんとそっくり同じになりたい、と思いました。小学校の先生になって、四年生を受け持ち、黄色のコンバーチブルに乗って、エレベーターがあって、ブザーをおしたら玄関のドアがあくしかけになっているアパートに住むのです。

    そして、わらっているやかんの口をししゅうするために、赤い糸のはしに、むすびこぶを一つつくりました。「むすびこぶは、かくすのよ。ひみつをかくすようにね」と、おばあちゃんは、いつもいいます。

    ベンディックスというのは、ラモーナのお気に入りの人形です。ラモーナは、ベンディックス(せんたく機の名まえ)を世界じゅうでいちばんきれいな名まえだと思っているのです。

    ビーザスは、図書館のカードなしでは、どうしてやっていけるかわかりませんでした。図書館の本なしには、やっていけません。どうしたってだめです。だめなんです。

    いつだったかの春、ラモーナは、虹の根もとにうまっている金の入ったつぼをさがしにいくんだといって、まいごになったことがあります。はじめ、虹は、公園のところで終わっているように見えました。ところが、公園についてみると、虹のはしは、スーパーマーケットの向こうにあるように見えました。

    ラモーナの絵は、空想力にあふれているからです。あまり空想力がありすぎて、それがなんの絵か判断するのに、それ以上の空想力がいるくらいです。

    「たまに、バースデーケーキの一つや二つ持って、めいの危機をすくいにこないようなら、おばさんの値うちないでしょ?」

  • 小学校時代以来の再読。まさかこの年齢で主人公姉妹のはちゃめちゃな、でもそれぞれに真剣な日常の世界に再び引き込んでもらえるなんて。至福のひと時でした。お気に入りの絵本を暗記しても何度も何度と、せがむ幼子の姿や、物事の社会的な「是非」よりも「やりたいからやる」「やりたくないものは嫌だ」という子ども独特のものさしが、エピソードの中に盛り込まれ、笑いが漏れました。「しっかりしなくては」と自制の強い姉の心情も手に取るように伝わります。追体験の感覚に近いかな。笑いの中に温かさがあり、戻って来たい気持ちになります。

  • ビーザスが主人公の一冊は、妹に振り回されるお姉ちゃんの心の葛藤が痛々しく、なぜか、母が涙、涙。娘は、どうしてここで泣いちゃうのよー?と、母の心情に興味津々な様子だった。母は、大人しい、大人から見たら「良い子」だったから、ものすごーくビーザスに感情移入できちゃうのよ。ラモーナみたいだった娘には(笑)、そんな母の心の動きが、とても新鮮らしい。

  • ラモーナ‥これはひどい(笑)

    挿絵も秀逸です!

  • 真面目でしっかりもののビーザス(10歳)と
    自由奔放なラモーナ(4歳)の姉妹の物語。

    ラモーナのめちゃくちゃぶりには年齢相応以上のものがあり、ビーザスが嫌になっちゃう気持ちもよくわかる。

    4歳の育児にトホホだった私に友人が勧めてくれた1冊。友人は優等生な長女で妹さんがいるからビーザスの気持ちがよくわかるんだと思う。

    たとえば、ラモーナは姉ビーザスがお友達ヘンリーとチェッカーで遊んでいるのが気に食わない。チェッカーはラモーナにはまだ難しくて仲間に入れないから。(2人あそびのゲームだし)結局邪魔してしまい、その罰にお部屋に閉じ込められる。すると今度はヘンリーの犬アバラーをトイレに閉じ込めてしまう。自分がとじこめられたから、だれかを閉じ込める。まったく正当性が認められない勝手な理屈。まあ、幼児ですから仕方ない。しかし、ワンちゃんが偶然うちがわから鍵をかけてしまって出られなくなるし、トイレは使えなくなるしで大変なことになってしまう。。といった具合。

    妹ってこんにも足手まといな存在なのか・・・
    そういえば、私の姉ちゃんもよく私のこと「も~ヤダ~」って言ってたな。今は仲良しだけど。

    なんだろ、幼児って、ほんとひどい。
    ビーザスじゃなくても、4歳の自分のムスメにだってイラっと来るよ。そりゃ。
    でも、自分もきっとそうだったんだね、と。

    私、小さいとき110番して、
    消防署に電話がつながっちゃったらしい。
    覚えてないからまさにラモーナの頃だったんだろうな。
    親も「叱った」というより「びっくりした笑い話」として
    話してくれた。

    でも姉だったら「何やってんのよ、バカー」って思うよね、きっと。

    掲載されている短編のうち、
    「ラモーナの空想力」が好き。

    優等生なビーザスは絵画教室で「もっと大胆に、自由に描く」ことができずに困っている。真面目なコだからね、「自由に」って言われてもきちんと書いちゃうんだろうね~。分かるわ~。偶然その日は、ラモーナが絵を描くことになったけど、イタズラと奇想天外の天才とはいえ4歳児、ビーザスが「これだ」と思うような絵は描けない。そこでビーザスはラモーナの空想のペットのトカゲを書くことに。(ラモーナはそのトカゲをつないでいるという紐だけ引きずって歩いている)。ビーザスは書いているうちに楽しくなってしまい、大胆で自由な絵が描けてしまう。先生にも褒められて嬉しそう。は~、読者もほっとする瞬間でした。

    翻訳モノ独特の言い回しとかあって、
    私自身は子供の時こうゆう本、苦手だったな~。

    昭和の地方の子供にイースターとかレモネードとか
    注釈されてもねぇ。分かんないし。
    読解力のないダメなコだったのかな私。
    赤毛のアンとかも同じ理由でダメでした。
    (姉はガッツリ読んでた)

    いろいろ、かんがえるところが多い
    楽しい本です!

  • こんな妹がいたら私は気が狂いそうだ…。バースデーケーキを1日で2つもだめにされる姉なんて珍しい。面白かった~。

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著者プロフィール

1916年米国オレゴン州生まれ。カリフォルニア大学卒業後、ワシントン大学で図書館学を学び、その後、児童図書館員として働いた。1950年刊行の「ヘンリーくん」は半世紀以上にわたって大人気シリーズ。

「2015年 『ゆかいなヘンリーくん改訂新版 第2期 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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