- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784052026690
作品紹介・あらすじ
活発で元気なラモーナがいよいよ小学校にあがることになりました。はりきって出かけましたが、入学第一日目から、おかしなさわぎをおこしてしまいました……ゆかいな失敗をくりかえしながら、ラモーナは成長していきます。
感想・レビュー・書評
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とてもかわいい女の子。
とにかくまっすぐです。
素敵なフクロウを作ろうとして隣の席の女の子に真似され2人のフクロウを壊してしまったり。
でも素敵なご両親が彼女の心を慰めます。
理不尽なことにも負けずに頑張るラモーナって素敵な子ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
順番が乱れましたが、40年かかって、ラモーナシリーズを読み終わりました。成長の過程で、親や先生に認めてほしいというとても素直な欲求が出来事を通じ、手に取るように分かり、自分も追体験しているような錯覚でした。また、協調性や、社会のルールに従うことが求められ、その狭間で悩み、苦しみ、困った時には親が傍にいてくれる安心感を随所に感じました。自分が子どもの頃にはこんな気持ちや状況を言語化できなかったわけですから、もやもやとした私自身がラモーナと出会い、整理されたような大切な時間となりました。
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表紙カバーのレンガの壁を蹴っているらしきラモーナのイラストに、何かをそそられて借りてくる。他にも「ラモーナ」の本があるのは知っていたので、ラモーナのシリーズかと思ったら、これはもともと「ゆかいなヘンリーくん」シリーズというもので、主人公はヘンリーくんらしいが、シリーズ後半の7冊ではこのラモーナが主人公!
お姉ちゃんが公園で男の子たちに名前でからかわれたとき、ラモーナは前へ出てお説教してやった。おまけに、親指を耳につっこんで、あとの指を振りながら、舌を出してやった。
自分はお姉ちゃんをかばったのだと思い、そのことをお母さんに話したくてうずうずしていたら、お姉ちゃんは、ラモーナがしゃしゃりでて説教したことや舌を出したことを「はずかしいったらありゃしない」と言いつのる。自分はゆうかんな女の子だと思っていたのに、そうではなくて、おっちょこちょいで、人に恥をかかせるような子だったのか…ラモーナの自信はガタガタにくずれる。
おまけに、わけを話したら、おかあさんまでおかしそうな目をして笑うのだ。「だれも、ラモーナの気持ちなんか、わかってくれないのです。」
9月、1年生にあがったラモーナは、待ちに待った学校へ向かう。みんなにも先生にも話したくてたまらないのだ。だって、夏のあいだに、うちには穴があいたんだから!おしいれだったところをぶちぬいて、家を裏庭のほうにすこし出して、そこに小さな部屋ができるのだ。新しい部屋は、まずラモーナが6ヵ月使って、それからお姉ちゃんと交替する。
「見せましょう、話しましょう」の時間に、手をあげて、みんなの前で「男の人が来て、うちの家の裏っかわ、割って、ものすごく大きな穴あけたんです!」と話し始めたのに、みんなの反応は予想外に低調で、先生もなんのことか分からないという顔をしている。
一緒にその穴から飛びおりて遊んだハーウィが知ってるんだと言ったのに、ハーウィは「ちがうね」と言うのだ。カーッときたラモーナは「あけたじゃない!」「自分も穴からとびおりたじゃない!」と大声をあげて、先生から「教室の中ではどなったりしないんですよ」と言われ、席へ返される。屈辱の涙が目をさしたが、ぐっとこらえたラモーナ。
自分の気持ちが分かってもらえない、自分の言いたいことが伝わらない、おとなに誤解され、まわりの子には笑われる。それで腹が立ったり、悔しかったりするラモーナのぐっとこらえる気持ちや、ぶつけずにいられない感情が伝わってくる。
ラモーナは、ものをつくるのが好きで、こうしてああしてこうやったらできると頭にイメージできる。いつもの通学路とちがう道を歩いて学校へ行った日、とちゅうで大きな犬が寄ってきて、追っ払おうと靴を投げたら、犬にもっていかれてしまった。片方の靴で登校したラモーナに、先生は持ち主の分からない長靴をはいていていいと言ったけど、あんなもん、ぜったいはくもんか!
ラモーナは、くつを自分でなんとかしようと考える。厚紙とホッチキスがあればスリッパをつくれる! ラモーナが、トイレの紙タオルを重ねて折ったのを、パチンパチンとホッチキスで留めてスリッパをつくる場面は、読んでいてウキウキする。
お姉ちゃんの教室へ行って、親切なカルドーザ先生に「先生のホッチキス、かしていただけませんか」と頼むこともできた。苦手だと思っていたグリッグス先生には「とてもりっぱなスリッパができたわね」と言ってもらえた。ゆうきをだして「あたし、おんぼろ長ぐつ、はきたくなかったんです」とも言えた。
そして、犬の歯形がついたくつも戻ってきた!「くつぬいで投げつけたんだって! まあ、あんた、よっぽどゆうかんな子なんだわねえ」と秘書のミラーさんは感心して言った。みんなに、くつについた歯形を見せびらかすために、ラモーナはぴょんぴょんはねながら教室に帰る。
訳者の松岡享子が、大学で幼児教育を教えている友人が「児童心理の本を何冊読むよりも、ラモーナの本を読んだほうがよっぽど子どもの気持ちがわかる」と言っているのに自分も同感だとあとがきに書いている。
このラモーナの本が訳されて出たのは私が小学校に入った年らしいのだが、残念ながら、小学校ではラモーナに出会わなかった。この1年生のラモーナの話を読んで、古田足日が亡くなったニュースを知ったとき、『大きい1年生と小さな2年生』を読みたいなと思った。このラモーナの話の、前後のシリーズも。
(6/9了)
旧版の表紙は、ラモーナがブランコを思いきりこいでいる姿だったらしい。この絵もイイ。 -
私はラモーナみたいな子じゃなかったけど、大人と自分の気持ちの空間をとても共感できる。あとがきにあるように、子どもの気持ちをわかってあげたいと思っている大人にも読んで欲しい。
著者プロフィール
ベバリイ・クリアリーの作品





