本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784052028960
作品紹介・あらすじ
也子(かのこ)の前に現れたかわいい子ぎつね。「あたしに化かされたい?」ときかれた也子はとっさに、「ぜんぜん」と答えてしまう。段々とかけがえのない存在になっていく、也子と子ぎつね。だが、あの夏、あの恐ろしい爆弾が落とされた……。
みんなの感想まとめ
日常の中に潜む戦争の影を描いた物語は、子ぎつねとの心温まる交流を通じて、何気ない日々の大切さを教えてくれます。主人公の也子と子ぎつねの関係は、優しさと愛情に満ちている一方で、彼女たちの平穏が突然奪われ...
感想・レビュー・書評
-
子どもの日常に当たり前のように戦争があることが描かれていて、読み進めるにつれて辛い気持ちになっていった。
あとがきの『あたりまえの暮らしが奪われることこそが戦争の悲しみ』という言葉。也子(かのこ)ときつねの時間をかけた優しい心の交流が原爆の投下であっという間に失われた場面と重なった。
今も世界で『あたりまえ』が奪われ続けていることを悲しく、恐ろしく思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
きつねの子と人間の女の子の不思議なふれあい。でも、ところどころに書かれる戦争の影、そして最後は…
今普通だと思っている日常がある日突然奪われる、それが戦争だと、そして、どんな理由も戦争を肯定するものはないということを、戦争を知らない子どもたちに本を通じて伝えたい。 -
2021.02.08
-
これこそ子どもたちに読まれるべき本。
-
不慮の事故や病気などで人が死ぬことがあるかもしれないが、戦争で人を死なせてしまうことだけはなくなってほしい。普通の夢見る命が一瞬のうちに消えてしまう。耐えられないことだ。作者の朽木祥(くつきしょう)は1957年生まれ。私より2つ若い。被爆二世だという。
最近、大学図書館で児童書を見つけて読むのが楽しみ。この本は装丁の美しさで手にしたのだが、こんな結末とは、最後の最後まで気がつかなかった。 -
朽木祥は被爆二世で、戦争をテーマにした児童文学の書き手としてよく取り上げられるが、初めて読んだ。
伝えようとする者が戦争を知らない場合、戦争のおそろしさを今の子どもたちに伝えるのに文学は適しているが、なかなか難しいなとつくづく思う。
この本も非常に誠意の感じられる作品で、丁寧な書き方に好感が持てるが、戦争の恐ろしさを伝えられているかはちょっと微妙。なおかつ物語として面白いかと言われると、いまひとつ・・・。
例えば『人形の旅立ち』(長谷川摂子)は(戦争とは関係ないが)、丁寧な書き方で一昔前の子どもを描いていたが、物語として面白かった。
『ふたりのイーダ』は構成が巧みなうえ、なんともいえぬ不気味な恐ろしさと悲しみが伝わる。
これはどっちにも及ばない。
被爆二世で、被爆した人たちから直接話をきいて育ったであろう著者だからこそ期待したのだが。 -
戦争時代に生きた広島の女の子ときつねの物語。最初は、化かしたい、化かされない、とかけひきをしていた女の子ときつねのかわいらしいお話でしたが、ある日原爆が投下されて・・・著者の言葉が胸にひびき、じわっときました。
-
朽木さんの文章は、なんというか、しっとりしていて、強くないけど残ってくる、という感じで。
『かはたれ』の河童も魅力的だったけど、今回の子狐もイイです。
ラストの余韻は、なんと表現したらいいか……。 -
「―戦争の悲しみとは、あたりまえにあるやさしい時間が、とつぜん失われることかもしれない」って、はい。まさしく。
著者プロフィール
朽木祥の作品
本棚登録 :
感想 :
