ポテトサラダ (ジュニア文学館)

  • 学研教育出版 (2012年7月3日発売)
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本 ・本 (120ページ) / ISBN・EAN: 9784052035425

作品紹介・あらすじ

ケイくんは商店街のお肉屋さんのポテトサラダが大好物。でも近くにスーパーの出店ができて、お肉屋さんはついに店じまいを決心。そこにケイくんのお母さんが現れて、「ぜひお店は続けて」と。実は、ケイくんは重い病気で入院中だった。

感想・レビュー・書評

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  •  おじいちゃんとおばあちゃんが2人でやっている、駅前の小さなお肉屋「せのお精肉店」。お店の前にぶらさがっているブタのぬいぐるみ“トントン”は、3年前、お店のポテトサラダが大好きなケイくんがくれたもの。お客がへり、お店を閉めることも考えていたが…。
     お話は、トントンの視点から。小学校中学年くらい向け。読みながら、うるうる。

  • とってもステキなお話でした。
    週に2回お店にくる程、商店街のお肉屋さんのポテトサラダが大好きなケイくん。
    そのケイくんが突然来なくなった理由は―ケイくんが入院!?
    このお話に出てくる人たちは、みんなステキな人ばかりなのですが、中でも語り手の「お肉屋さんの看板マスコット『トントン』」がイイですね。イイ味だしてます。
    近所にスーパーができてお客さんが少なくなったり、商店街の危機だったり、今時の問題も、そっと後ろにひかえています。
    そんな中の奇跡(未満?)にグッときました。
    挿絵もあったかくて、懐かしい、商店街の雰囲気によくあっていて、好きです。
    同じ商店街の魚亀のおじさんや八百吉のおばあちゃんにも、きっと物語があるのでしょうね。
    読んでみたいです。

  • 商店街のお肉屋さんのポテトサラダを通して結ばれる、店主の老夫妻と少年の心温まるストーリー。

    と、説明してしまえば「ありがち」ですが、はい、ありがちで単純明快なストーリーです。予定調和で、ほぼ予想通りの展開なので、特に新鮮さは感じません。

    ぬいぐるみのブタが語り手というのも、少年が入院するのも、おじいちゃんがむっとした顔をしているのも、おばあちゃんがしっかり者なのも、大きなスーパーに商店街の小さなお店が太刀打ちできないのも、どこかですでに目にしている。

    じゃあ、つまらないかといえば、そうでもないのです。
    それは、著者自身の経験がベースになったお話で、理想に走りすぎていないから。
    一見ハッピーエンドに見えますが、「めでたしめでたし」と着地していないところがポイントかも。その後どうなるかはわからないけどねって感じの終わり方。
    ありがちだけど、いかにも作りました、とはちょっと違う。

    読み終えた後に、何でも揃う大きなスーパーじゃなくて、街中の、ちょっと寂れた商店街の、個人店に行ってみたくなります。

    お肉屋さんの作る、垢抜けないけれど懐かしい味わいのポテサラが食べたくなります。

    そこに、素敵なおじいちゃんやおばあちゃんがいるかはわからないけれど、小さなお店には、小さなお店の魅力があることを思い出します。

    そういえば、私が好きな街は、商店街が元気な街だなあ。
    谷中、西荻、江古田・・・都内の、住人が多い街に限られますが、商店街が元気な街では、若い方が小商いを始めることが多い気がします。

    そんなことまで思い起こさせてくれる本でした。

  • 愛らしいブタの表紙(なのに、題名はポテトサラダ)に惹かれて読んだ児童書。お肉屋さんのポテトサラダが大好きな男の子が、店主にあげたブタのぬいぐるみ“トントン”。物語は、トントン目線で書かれています。ポロリと涙した、優しいおはなしでした。

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著者プロフィール

福 明子
1957年 神奈川県生まれ。
横濱国立大学教育学部卒業。
日本児童文芸家協会会員。
数多くの賞に輝いている。「カネボウミセス童話大賞」優秀賞、「熊野の里・児童文学賞」大賞、「キッズエクスプレス21創作童話絵本コンテスト」厚生労働大臣奨励賞、「椋鳩十記念伊那谷童話大賞」大賞、「振媛文学賞(福井県丸岡町)」第二席、『ジンとばあちゃんとだんごの木』にて「読売ファミリー童話大賞」大賞。
著書に『継体大王と振媛』(共著・大巧社刊)、『花咲かじっちゃん』(ひくまの出版)、『10分で読める心にひびくお話』(日本児童文芸家協会編による共同執筆・学研)がある。また『怪談図書館シリーズ』6〜10巻(国土社)にも寄稿している。

「2009年 『ジンとばあちゃんとだんごの木』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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