- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784052041952
作品紹介・あらすじ
江戸時代後期に書かれた鶴屋南北の歌舞伎脚本「四谷怪談」と、上田秋成の怪異小説「雨月物語」(「菊花の約」「鯉応の夢魚」「蛇性の淫」の3話)をまんが化。コラムも充実しており、楽しく読んで内容を理解できる。古典入門に最適。
感想・レビュー・書評
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四谷怪談ってこんなに怖い話だったのか。絵もキレイすぎて怖かったです。
お岩さんの呪いの話は知っていたけれど、妹のお袖の話は初めて知りました。でも、元婚約者と旦那に殺人の手引きをして自分が刺されるように仕向けるというのは今昔物語?かなんかにもあったような気が。
恨みの呪いも怖いけど、何より一番怖いのは私利私欲のために人を殺すことを何とも思わない民谷伊右衛門という人物そのものが怖い。
雨月物語は「菊花の約(ちぎり)」「夢応の鯉魚(りぎょ)」「蛇性の婬(いん)」の3編が収録されていました。
夢応の・・・はなんとなく聞いたことがあったような気がしましたが、基本どれも知らない話。でも蛇性の・・以外はいかにも学習マンガとしてふさわしそうなという観点で選ばれた感じ。どうせ載せるなら「浅茅が宿」(仲の良い夫婦の夫が出稼ぎで帰れなくなり、やっと帰ってきて妻と仲睦まじく語り合ったが、翌朝妻がいなくなり、実はすでに死んでいたことを知るという話)や「吉備津の釜」(夫に浮気され、出奔された後、病死した妻が夫を呪う話。夫が陰陽師の札を貼って42日間立てこもったあと、夜明けを勘違いした夫が家を出て怨霊に殺される場面が最強に怖い)を載せてほしかったなぁと思いました。
「雨月物語」のセレクトがイマイチだったので、すみませんが★-1です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『雨月物語』は上田秋成が1768年に書き終え1776年に刊行されたものです。
『東海道四谷怪談』の歌舞伎上演は1825年。
怪異小説で、怨霊とか幽霊とかいったものが登場する作品です。
『雨月物語』はたぶん全く初めて読みました。
『四谷怪談』のお岩さんの話はなんとなく知っていて、でもこれを読んで詳しいことが初めてわかりました。
じつは『番町皿屋敷』とごっちゃになっていました…。
モデルになったお岩さん夫婦は本当は仲良しだったとか、この話は『忠臣蔵』を元にしていたとか。
そして初演の七代目市川團十郎は、当時の歌舞伎に「色悪」という新しい役柄を確立しました。
イケメンだが、悪人ということです。