自由への道 奴隷解放に命をかけた黒人女性 ハリエット・タブマンの物語 (ヒューマンノンフィクション)

  • 学研プラス (2019年5月28日発売)
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本 ・本 (199ページ) / ISBN・EAN: 9784052049125

作品紹介・あらすじ

アメリカで紙幣にとりあげたい女性の偉人1位に選ばれた、元奴隷ハリエット・タブマン。過酷な少女時代を過ごし奴隷主から逃亡。その後、秘密組織「地下鉄道」の一員として、多くの奴隷を救った彼女の生涯を描く。不屈の精神で、自由を追い求めた闘いの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 黒人奴隷だったハリエット・タブマンは南部から北部に逃げ出す。

    その後、自分の親類を中心に、地下鉄道の車掌として、奴隷の北部への脱出を助けていく。

    途中で奴隷主からの暴力で大きなケガを追ったハリエットは、急な頭痛や眠気に襲われるようなハンディキャップがあったにもかかわらず、昼夜問わず働き、果敢に仲間を救う行動に関わっていく。

    奴隷がモノとして扱われていた時代
    人ではない扱いをされる奴隷が逃走することは命がけであり、少しのミスが命取りとなる。
    その逃走を何十人と助けて、成功させたのは、バイタリティ、賢さ、度胸、色々な面が充実していないとなかなかできないことだと思う。

    そして何よりも、自分たち奴隷の境遇がおかしなことだと、信じられたことなのだと思う。

    北部の自由黒人の存在。
    晴れて奴隷主から自分の領地をもらえたお父さんの存在。
    奴隷として扱われている自分たちが同じ人間として尊厳を勝ち得れるのだという確信、気持ちが強くあったのだと思う。

    逃げる時に唯一の道しるべとなる、北極星を夜中見上げた、その姿に、理想に向かう、力強い、ハリエットを感じた。

  • #自由への道
    #ハリエットタブマン
    #Gakken
    #池田まき子
    #奴隷解放
    #児童書
    #読了
    なんとも奇跡的な奴隷生活からの逃亡を果たしたハリエット。そして大勢の奴隷を解放に導いた。弱者に寄り添いその能力を発揮し、働き続けた生き方に感銘を受けます。 信じる道をゆけというメッセージが受け取れました。

  • 4.2/67
    『アメリカで紙幣にとりあげたい女性の偉人1位に選ばれた、元奴隷ハリエット・タブマン。過酷な少女時代を過ごし奴隷主から逃亡。その後、秘密組織「地下鉄道」の一員として、多くの奴隷を救った彼女の生涯を描く。不屈の精神で、自由を追い求めた闘いの物語。
    「自由になりたい。いつか、きっと、自由の身に……」
    1830年代末、奴隷として過酷な日々を過ごし、奴隷主から逃亡することを夢見るひとりの少女がいた。
    十数年後、彼女は自らを開放するだけでなく、秘密組織「地下鉄道」の一員として、多くの奴隷を救うことになる――。』
    (「学研出版サイト」より▽)
    https://hon.gakken.jp/book/1020491200


    冒頭
    『 はじめに
    二〇一六年四月、アメリカの財務省は、新しい二十ドル紙幣に、奴隷解放のために力を尽くした元奴隷のハリエット・タブマンの肖像を使う方針を発表しました。黒人女性がアメリカの紙幣に採りあげられるのは初めてのことであり、この発表は世界中で大きな反響を呼びました。』


    『自由への道-奴隷解放に命をかけた黒人女性 ハリエット・タブマンの物語』
    著者:池田まき子
    出版社 ‏: ‎学研プラス
    単行本 ‏: ‎199ページ
    ISBN : ‎9784052049125

  • 子ども向けに書かれているので、よくまとまっているが、どうにもタブマンの人生のあらすじを読んでいる印象。どんなに素晴らしいあらすじでも、感動はしない。ディテールはそれほど重要である。
    一般書のタブマンの本を読んでいないので断言はできないが、ここまでの信念と行動力があったということは、かなり強い自我を持っており、会う人皆に好かれる、というタイプではなかったのではないか。(マザーテレサもそういうタイプのような気がする。)ただ彼女の奴隷を解放したいという思いとその実力を疑う人はいなかったのだと思う。
    しかし、この本ではそこまでの個性は描かれておらず(子どもには差し障りがあると判断されたか?)、全体に薄味。
    歴史的背景、奴隷制度の説明など、子どもにもわかりやすいのは良いが、ここに伝記を読む喜びがあるかと言われると‥‥。子ども向けでもゴッデンの書いた『アンデルセン』なんか凄く面白かった。アンデルセンという奇妙な人物の業の深さがありありと伝わったもん。
    この本はタブマンが20ドル札の人物に選ばれたので急遽出したのだろうが、トランプ政権になって立ち消えの様子。
    しかし、今これだけ黒人差別反対運動が起こってくると、逆にタブマンを20ドルの顔にすることで事態の収拾を図るという可能性もあるかも。
    まあ、子どもも知っておいて欲しいし、ざっくり知りたい大人にも良いかもしれない。

  • 元奴隷のハリエット・タブマン。彼女は地下鉄道の駅長として多くの奴隷を解放した。翻訳ものかと思えば、日本で出版されたものだった。いろいろ取材されたのかなと思う。

  • ハリエット・タブマンという人物について、私は何も知らなかった。こんなに立派な人物がいたのかと感動した。奴隷の身分であっても、おかしいと感じたことに立ち向かっていく勇気はすばらしいと思った。また、自分だけよければという考え方でなく、困っている人々を助けようという気持ちにも感動した。

  • 19世紀初頭
    アメリカ南部の奴隷の家に生まれ
    自由を夢見て過酷な少女時代をすごす

    ひとりで奴隷主のところから北部自由州に脱出し
    「地下鉄道」の「車掌」として奴隷の逃亡を助ける

    南北戦争では北軍諜報部隊のリーダーとなり
    献身の生涯は「黒人たちのモーセ」と呼ばれる

    ハリエット・タブマン──奴隷解放に生涯をかけた黒人女性の物語

    (黒人が奴隷だなんて、だれが決めたの? 奴隷主がわたしたちを勝手に売ったり買ったりできるなんてこと、だれが決めたの? わたしも、いつか自由になれるのだろうか……)

    学研プラス「ヒューマンノンフィクション」シリーズの一冊
    背景となる歴史とアメリカの社会もわかりやすく書かれていて、4年生くらいから読める伝記物語

    丹地陽子のカバー、城所潤+大谷浩介の装幀がうつくしい

    これまでの偉人伝とは一線を画したラインナップが魅力のシリーズ
     加瀬三郎(盲目の「折り紙大使」)
     原田正純(水俣病を訴えつづけた医師)
     佐竹音次郎(明治時代の保育の父)
     宮忠臣(ドッグトレーナー)
     チャールズ・シュルツ(スヌーピーの作者)
    学研プラスのノンフィクションは図書館にそろえたい

    なお、ハリエットは20ドル紙幣の肖像に採用される予定だが、当初の2020年から延期になるとの情報もある

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著者プロフィール

秋田県出身。オーストラリアのキャンベラに30年住んだ後、秋田市に仕事の拠点を移す。『クニマスは生きていた!』は第64回青少年読書感想文全国コンクール課題図書。ほか『生きるんだ!ラッキー』など著書多数。

「2019年 『自由への道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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