レイワ怪談 新月の章 (5分後の隣のシリーズ)

  • 学研プラス (2019年7月25日発売)
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本 ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784052050237

作品紹介・あらすじ

廃墟に現れる老人の霊、自殺の名所に潜む霊、スマホ動画にとり憑く霊…。この世は霊であふれている。新時代(令和)の心霊ストーリー(霊話)が、大人気「5分後の隣のシリーズ」に登場。5分で読めて一晩中怖い、怪異と恐怖の怪談短編集!

感想・レビュー・書評

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  • 怖い話が好きな人でも、意味がわかったら
    満足するぐらいの内容だと思います!

  • サクサク読める。
    大人用の下手なホラーより面白いです。
    中途半端な終わり方で、想像を掻き立てる話も何話か、感動話も何話か。
    読みやすいし、面白い!

  • 事の始まりは、幽霊が怖いかどうかって言う話だったと思う。男ってのは何で下らないことで競いあったりするんだろう。そのせいで俺は肝試しに付き合わされる羽目になったんだ。そのせいであんな怖い目にあっちゃって、なんて酷い話なんだ。

    ***

    こちらも別シリーズの怪談集。かなり前に買ってやっと読んでみた。販売当初はちょっとはやってた気もするが、どうだったか。 さて、こちらは「5分後の隣のシリーズ」ということなので、一話一話が読みやすくさらさらと読める。
    一話一話が短めなのだが、原作者が怪談師のありがとう・ぁみさんだけあってなかなかにショッキングで怖い。そして話も怖いのだが、挿絵がややリアル寄りで怖い。挿絵単体で見てもかなり怖い。これが小説のセリフの一部として組み込まれていたり、意表を突くように次ページに割と大きく乗せられていたりして、読んでいてわっ、となってしまった。こちらの本の対象年齢が調べてみると小3、小4とのことだが、怖いの読みなれてる子でもギョッとするし、耐性がないと泣いてしまいそう。それぐらい怖かった。
    思い返すとどの話もまんべんなく怖かったが、その中でもぞーっとしたのは、「廃墟がまんくらべ」、「本二冊分の空間」、「こたつ生活」。「廃墟がまんくらべ」は語り手が、友人二人とで心霊番組を見ていた。その後各々が幽霊が怖いかどうかの話になってしまう。怖い、怖くないの問答が続き、次第に怖くないのならあるゲームをして証明しようという話に。その時点で、引っ込みがつかなくなっていた三人は、一家心中があったことで有名な廃墟に行くことに。三人はびくびくしながら廃墟に侵入し、それぞれ強がってはいるが、戦々恐々としている様子がよくわかる。後悔しつつ3人は父親が起こしたとされる一家心中事件があった家に赴く。闇の中にひっそりと建つ家は不気味そのもので、しり込みしつつ、中に入ると生活感が残っていて殊更に気持ちが悪い。何とか冷静さを保ちつつ、2階にある書斎に侵入すると、まさにそこが事件現場のようで、まだ痕跡が残っていた。生々しい有様に息をのむと、突然廃墟に残っている電話が鳴り響く。 ここから先が怖くて仕方がなかった。最初に言ったが本当に挿絵が怖い。怖いのだ。
    この挿絵が小説の一部になっているものだから、見ない訳にもいかないのが、中々に意地悪だ。 その挿絵があるから余計想像力が働いて、語り手たちがどういう状況にあるのかが手に取るようにわかってしまう。この話だけ昨日の夜に読んだのだが、読んで後悔してしまうほどだった。「本二冊分の空間」は学校の委員会活動で図書委員になっている語り手が体験した恐怖体験。先生に言われ、返却された本などを棚に戻す作業をしていた語り手。本を戻しながら、面白そうな本を物色していると、本が棚から落ちていることに気が付く。不審に思いながらも、棚に戻し別の棚を物色していると、また本が落ちていた。訝しみながらも、本を戻すと今度は目の前で2冊本が向こう側から押し出され、落ちる瞬間を目撃。何かあるのかと棚をのぞき込むと、同じくこちらをのぞき込む目と、視線が合ってしまった。一瞬驚いた語り手であったが、すぐにクラスメイトのいたずらだと思いなおし、正体を突き止めるか否かを考えながら、その空間を見つめていると、驚かせてきた相手がとんでもない事を始めてきた。 これも怖くて気味の悪い話だった。
    何気ない日常に差し込まれた恐怖体験で、ただ委員会の仕事をしていただけなのにこんな怖い目にあうなんて語り手はなんてついてないんだろう。さっきから挿絵の話しかしてないが、これも挿絵がいい仕事をしている。この話の挿絵は小さくて先程の話ほどの主張はないのだが、絵の描き方がうまくて、今まさにその状態だというのをとても分かりやすく示している。これが妙な臨場感を生んでいて、語り手の恐怖心がこちら側に伝播してきそうだ。この挿絵のどの辺りが怖いと言いたいがそれだと、ネタバレになってしまうので我慢我慢。
    語り手は図書委員になったばっかりで、まだまだこれからなのだが、こんな体験をして続けられるのだろうか……。 「こたつ生活」はこたつをこよなく愛する語り手が体験した恐怖。母親と言い争いながら、こたつを勝ち取った語り手。夜が遅いこともあり、ついうとうとと眠り込んでしまう。ふと目を覚ますと、こたつの中で何か触れ合うものがある。最初は家族の誰かが足を突っ込んだと思ったが、部屋は真っ暗でどうも違うらしい。不思議に思いながら、こたつ布団をめくりあげ、中を覗くとそこには衝撃的なものが潜んでいた。
    この話は、読んでいて気持ちの悪さに鳥肌が立った。コタツの中にいたものも怖くて気持ちが悪いが、そのいた者がしていることも気持ち悪い。どんな意図があってやってるの……。怖い。 相手は怖がらせようとしているのかわからないが、その光景を想像してゾゾーっ。気味が悪い。コタツはせっかく憩いの場なのにそんなことをされると、足を突っ込むのをためらってしまう。 そしてやっぱり挿絵が気持ち悪かったなぁ。 なんだか、挿絵の話ばっかりだが、この挿絵が本当にいい仕事をしているのだから仕方がない。
    挿絵+話の相乗効果でかなり話の恐怖度が上がっており、大人の自分でもかなり楽しめたし、怖かった。全部で24話入っているのだが、一気に読み終わってしまうほど。ここでは紹介していないが、引っ越し業者の話や、塾の帰り道の話も怖かった。本当に全編通して怖くて、最後まで気の抜けない一冊だった。

  • まあまあ面白い。だが小さい頃に見てトラウマになったホラーアニメや漫画の小説版のような物であるから耐性のある人からしたら詰まらなく感じるかも。関係ないけどア〇〇ンの評価が異様に高いのが気になる

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著者プロフィール

1982年生まれ。山口県宇部市出身。令和の稲川淳二との呼び声も高い、日本屈指の怪談家。『レイワ怪談』シリーズほか著書多数。MC、脚本、演出などでも活躍中。YouTubeチャンネル『怪談ぁみ語』も人気。

「2023年 『レイワ怪談 上弦の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ありがとう・ぁみの作品

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