松原の直前講習英語長文下線部訳混乱72 (大学入試ドタン場check)

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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784053003140

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  •  「ドタン場の英文解釈攻略法」ということで、とりあえず「『この語句なら、この訳』、『この語句ならこれらの訳のうちのどれか』」(p.3)を示したもの。第1部の「この語はこれだけ押さえろ」と第2部の「とりあえずこう訳せ」の2部構成になっている。
     印象としては、ドタン場で勉強する内容としてはちょっと重め。「混乱72」というタイトルにも示されているが、どちらかと言えば「盲点」になりそうな部分について示されている。第1部の終わりにもまとめて示されているが、「見慣れた語の意外な意味」みたいな感じで、例えば「wouldは4つ」、「accountは7つ」、「reasonとreasonable」みたいな、下線部訳でネックになりそうな語(句)の訳し方を示している。第2部は「とりあえず」シリーズでとりあえず「参加する」と訳すとか、とりあえず「考え(方)」と訳せばよい語(句)が並べられている。
     下線部訳の参考書と言えば、ちゃんとやろうと思えば品詞の話から始まってSがVが、みたいな文の分析とか構文の話を網羅的にやるのだけれど、そういった部分はもう終わって、最後の最後に残る語彙の部分を固めよう、みたいな趣旨は良いと思う。ただ難点としては、1つは前に述べたように意外と重い。「これだけ」とか「とりあえず」で示される部分があまりにも多いので、英語が苦手な人がこれをやるとタイトル通り「混乱」して終わるのではという懸念がある。結局「これだけ」が「どれだけ」なのか、「とりあえず何なのか」はよく分からず、地道に勉強しなかった自分を責めるだけという結果になりそうだ。土壇場でやるにはキツい。もう1つの難点は、例題として入試問題が短い文(章)の形でいくつも示されているのは良いし、手軽に取り組める感はあるが、訳しても結局その文が何の話なのかよく分からず、本当に日本語に置き換えただけ、という、だいぶ英文解釈の趣旨からズレた感じになってしまう点が、いくら土壇場とは言え、ちょっと酷なのではないかと思う。せめてその文章だけで完結する形で示した方が良いかもしれないとか、思った。著者が大学入試問題からこれだけ収集した努力は買うけど。個人的に面白かったのは、occasionの動詞の使い方(p.80)とか、the growing list of ~がthe increasing number of ~の代わりに使えるんじゃないかと思ったりしたこと。「とりあえず『参加する』」(p.118)のpartake of ~とか土壇場でやるにはちょっとマニアックなんじゃないかと思ったり。
     という訳で、本来の英文解釈はこういうことじゃないということがちゃんと分かっていて、もう十分に英語を勉強した人が、「終盤で」「手軽に」英文読解のチェックをしたい、というなら、まあ良い本だとは思う。(19/01/01)

  • 受験英語では、こういう「でっち上げ」のノウハウは重要です。

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著者プロフィール

岐阜県下呂市生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)英語学科卒業。医系予備校「進学塾ビッグバン」主宰歴18年、河合塾英語科講師歴32年。教え子の数は延べ8万人以上にのぼる。1979年に『京都よ、わが情念のはるかな飛翔を支えよ』(集英社)で第3回すばる文学賞受賞。2010年より神奈川歯科大学客員教授。『年収600万、子どもの偏差値40以上なら、医学部に入れなさい』『子どもを医学部に合格させる父親はこうやっている』(ともに講談社)のほか参考書、問題集、小説など多数の著作がある。

「2014年 『逆算式勉強法なら偏差値40でも医学部に入れます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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