- 本 ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784053033246
作品紹介・あらすじ
年々受験率が上昇する「中学受験」。そのなかで、名門校への合格者数ナンバー1の実績を誇るのが、進学塾「SAPIX(サピックス)」である。本書は、その「国語」の授業を学年別にレポート。すべての受験生が参考にすべき、神髄が明かされる一冊である。
感想・レビュー・書評
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広島の中学受験にはそれほど役立たないかな。
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[江東区図書館]
サピックスは授業参観がないらしい。それに他の塾に対して無料模試なども実施していないし、「本当に勉強が出来て、上を目指す子」が行く進学塾という雰囲気で、情報もやや閉鎖的に感じる。
その中で、この本は文章による一授業風景とはいえ、教師や子供のセリフや、その時の教材の粗筋などもふまえて紹介してくれていて、それなりの臨場感と時間感覚をもって「体験」できる貴重な著書だと思った。同様に算数や他教科に関する授業風景もシリーズとして紹介してほしい。読んでみたいと思えた。
■P18 中学受験で試される「大人度」
トップ私立中学で出題される作品例のレベルを知るには、ここで簡単に紹介されている、一部の中学(開成、麻布、武蔵、桜蔭、女子学院、早稲田、雙葉など)でのある年の出題問題の作品名を元に数冊読んでみればいいだろう。
■P25 学年ごとの目標
・3年 言葉に親しみ、文章を楽しみながら、気持ちを読み取る。
・4年 文章に書かれている内容を、正確に理解できるようにする。
・5年 精読を心がけ、作者が伝えたかったテーマや、筆者の主張を理解できるようにする。
・6年 文章を深く理解し、設問に応じた答案を書けるようにする。得点力を向上させる。
■P188
家庭でも出来る?サピックスの国語指導方針
・音読こそ基本:「正確に読んで何が書いてあるか理解すること」が大事。音読に授業の1/4、1/3を費やすクラスもあった。音読中、つっかえたり漢字のフォロー、語彙もすばやく教えるが辞書はひかせず、流れを止めない。テーマに関することはヒントを与え、ここがポイントというところはコメントする。
・感情を読み取るレッスン: 「気持ちが読み取れるところに線を引いてください」音読前に講師が指示する内容。感情や気持ち、行動がどう変化していくのか、その変化がテーマに通じる。「テーマを読み取るのはまだまだ。(3年次の)目標は気持ちを正しく読み取ること」
・自分にひきつけて考える:かけ離れた主人公や興味のない説明文でも、場所や食べ物など子供が関心を持つものを糸口として、「自分だったらどうしたろう」と考えさせる。
・段落ごとに小見出しをつけて:説明文や論説文などでは、音読する際に「段落ごとに小見出しをつけて」と指示。つける力がなければ段落ごとに重要なポイントに線を引かせる。「何が書いてあるのか」そのポイントをつかむことが最優先。
・本文中に答えの根拠を求める:「それどこに書いてあった?」よく本を読んでいるのに国語ができない子供は、勝手読みをしていることが多いので、「きちんと客観的に」読む訓練は6年まで続く。
・「書き倒す」ことでつく力:子供は発言して書いて、添削を受け、その都度、マルでなくても何らかのヒントをもらい、更に何度でも違う角度から考えて書きなおす。それを何度でも繰り返すことができるタフで打たれ強い子供はあとで伸びてくる。
・子どもを待たせない、退屈させない:読解は週1回。そこで配布し、その時限り。授業は生もの。出来た子供にもすぐに次の課題を。集中して考えて書いた体験は、その後すべての勉強で生きてくる。
■P196 サピックスに学ぶ「家庭でできること」
・豊かな会話を
・家庭学習は短時間で
・さまざまな本を読ませよう
・自由に考え、たくさん書こう
・子どもに接する態度
・サピックスの講師から学ぶこと
➀子どもが主体
②まちがっても叱らない。バカにしない
③基本は「ほめる」。バツはつけない
④つねに新鮮なテキストを
⑤競い合って向上する
⑥それぞれの個性で、頭も手も口も使う
⑦生徒を尊重している
著者プロフィール
杉山由美子の作品





