ドイツ参謀本部興亡史 (WW SELECTION)

  • 学習研究社 (1998年10月27日発売)
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感想 : 4
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  • 本 ・本 (639ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054009813

作品紹介・あらすじ

プロイセン王国兵站総監部と前身としたドイツ参謀本部が辿った激動の軌跡。シャルンホルスト、グナイゼナウ、クラウゼヴィッツ、モルトケ、ヴァルデルゼー、シュリーフェン、ファンケルファイン、ヒンデンブルグと続く各参謀総長と彼らの時代を分析する。

感想・レビュー・書評

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  • プロイセンからナチスドイツまでの参謀本部の歴史 この分野では詳細な本

  • 気分的には
    (´∀`∩)↑age↑
    って感じでしょうか。読んでいてとても楽しかったです。

    「参謀本部」という組織を作ったのはプロイセンが一番最初だそうですが、そのプロイセンの参謀本部を元とするドイツの参謀本部が、ドイツ帝国、ヴァイマール共和国、ナチス・ドイツのもとでいかなる働きをしていたのか、という本。参謀本部の長たる参謀総長に焦点を当て、その個人的性格も描きながら、当時のドイツの国際政治状況や戦争論、軍備のことなどを興味深く描いてあって面白かったです。ある意味参謀本部から見たドイツの戦史とも言えるでしょう。

    ドイツ(プロイセン)の参謀本部は、その育ての親であるグナイゼナウや、組織を拡大したヘルムート・フォン・モルトケのたぐいまれなる成功により、神のごとき存在だと思われていたようだ、というところがとても印象的でした。参謀本部は誤ることは決して無い―、そんな幻想がドイツの政治の世界や軍事の世界にあったのではないか、という論調は、腑に落ちるものがありました。
    グナイゼナウやモルトケは政治側(シュタインやビスマルク)と適度に合わせることが出来たので成功したので、それ以降の政治側と「適度」に合わせることの出来なかった参謀総長達が、それぞれに有能でありながらも苦境に陥り、挫折ないしは自滅していくさまは、参謀本部が「神」扱いされていて責められることがなかった故に、余計に哀切を誘いました。
    また、ヒンデンブルクも参謀総長であり、ヴァイマール共和国が実は「理想的な国家」に見えて、軍事独裁政権一歩手前だったという話が衝撃的でした。

    それから。最後の章が「神々の黄昏」っていうんですが、まさに参謀総長という主神を中心にした参謀たちという「神々」と畏れ敬われ、時に頼みの綱とされてきた人々の破滅といった感じで重なっていて、とっても胸が熱くなりました。

    全体的に、まるで「ニーベルングの指環」とか、北欧神話の話を読んでいるようで、本当に読み物としては最高だと思いました。

  • ヒトラーが全権を握ったあたりから息切れ。まるで春秋左氏伝の下巻を読んでいるようになってしまった。とにかくちょい役の登場人物が多く把握出来なくなった。しかし大筋ではなかなか面白かった。
    次は日本の参謀本部について読んでみたい。辛いかもしれないが。
    どんなに優秀な組織でも時代について行けなくなり、腐敗していく。参謀本部しかり、後漢王朝しかり。

  • 近代組織の原点であるドイツ参謀本部の通史の決定版。

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