呪いの博物誌 異端邪術の世界 (Esoterica Selection)
- 学習研究社 (2005年8月9日発売)


- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054020795
作品紹介・あらすじ
葬式の前を通りかかれば親指を握り、縁切り神社には現代でも詣でる人が絶えない。呪いは、今なお人々の生活の中に深く根を下ろしている。丑の刻参りから人体秘薬の作製法まで、古今の文献を博捜してひたすらグロテスクな呪術を紹介する、究極の日本呪術百科!
感想・レビュー・書評
-
著者はこの本を「人間の愚行の博物誌」と呼んでますが、これをそのままの意味にとってはいけません。著者は呪法を人間や社会にとっての、必要悪的な安全弁のひとつであると論じています。人が己の闇と対峙するための方法としての呪術、今の人が忘れがちな、しかし決して目を背けてはならない心の闇を覗くきっかけとして本書をおすすめします。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おどろおどろしく生々しい呪いの事例が挙げられているけれど、それが言いたい本ではない。むしろ異界=外部との交感こそが呪いの本質であることを述べている、一読すると事例に引きずられがちだけれど、その内容をよく噛み締めるべき著作だと思う。後半部に多く頷けるところが多かった。引用した部分は、女陰をのぞくという言葉の強さにインパクトがありそうだけれど、これはラスコー以来人間の文化的営みの原点とも言えること。
-
人類は処理しきれない怒りや悲しみといった心の奥のドロドロを、呪いや
まじないでガス抜きをしてきた。丑の刻参りから人体秘薬の作製法まで、
古今の文献を博捜してひたすらグロテスクな呪術を紹介する、究極の
日本呪術百科。
著者プロフィール
藤巻一保の作品





