本当のTEACCH 自分が自分であるために (学研のヒューマンケアブックス)

  • 学習研究社 (2006年9月12日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784054029736

作品紹介・あらすじ

自閉症の子どもや大人への現在の最も実践的で優れた対応であるといわれるアメリカのノースカロライナ大学で始められたTEACCHプログラムについて基礎の入門から応用上級編までを分かりやすく解説する。我が国における誤った理解などにも言及する。

感想・レビュー・書評

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  • 思っていたよりも事業者向けだった

  • ★感想
    TECCH、ABA、PECS(絵カードでのコミュニケーションに焦点、長く複雑な文章を使う)、感覚統合などそれぞれの専門家、施設があって学校には学校としての役割があってこれがいいこれはよくないではなく、自分の持ち場で最善をつくしたいと思った。

    基本は、○○さん(自閉症)ってこんな人なんだ(理解、尊重、個性、特性等)。
    こちらから歩み寄り関係性を築いていけば、○○さんいとっての
    安心安全な「○○(場所)で」「○○をする」教育・支援が自然と
    湧き出てくるはず!

    (自分へ↓)
    自閉症児だから「しょうがない」とか、
    組織的にこうだから、社会に出るためには今のままじゃ「難しい」とか、
    信頼関係ないのに「ダメ!」という関わり方は・・・

    私は支援する力がないと逃げているだけ、
    心と時間に余裕がないのを選んでいるのは
    自分なんだから自分で時間管理自己管理して緩める。
    (できるやろ!大人で五体不満足や、そして相談した?本読んだ?)
    そう自分に言ってよりよい仕事をする!

    ・下記、引用などメモ書き  ◎=する
    ・記録は「良い」も書き留める。
    ◎保護者が子どもに対する発達水準、子どものありのままの姿を考え(受け入れ)理解を深める、家庭でも出来る取り組みの共有。保護者が受けている教育、サービスが本当に役立っているか、適切か確認すること。学校が全てを提供し、起こり得る問題を解決してくれると期待する保護者が中にはいるが、私たちは一定期間だけ。現実は保護者が子どもを一生支援し続ける。

    ・言語理解能力の向上のための指導方法(視覚要素を強調したり、話と関係ある実物に触れる、手渡したり)

    ・課題「オムツ離れ」には、トイレの写真、排泄練習の動作の写真

    ・課題「強いこだわり」には、変更することに「徐々に」慣れるところから。スモールステップの第一に彼の嫌いの予定が大好き(外遊び)に変更する

    ・課題「癇癪」には、声掛けを少なく、大切な言葉をゆっくり、音声刺激を単純化

    ・課題「ルールに反する」には、視覚的に「stopサインカード」を提示し、止めることができた、適切な言い方に言い直せた、振る舞い方ができたら、いいことがある。

    ◎話すこと、聴くこと 自閉症児の実際に話し合うことができる掲示(活きる視覚支援)…声の大きさの調節練習、自分の口をつむぐ等

    ◎めあてとは子どもが協働、行動を実感できるもの。発表には台本(スプリプト)を

    ・就労は…本人が自己効力感を持てる、自由に使えるお金が手に入るということも成人が成人らしく生きるためには好ましい。出来る限り豊かな、生きがいある人生を。ただし、ハンディキャップのあり方が多様である以上、支援の方法も多様であること。職場環境が変動する以上、常に現在進行形(オンゴーイング!)であること。その時その時の子ども(その人)の能力や興味に応じた支援を。

    ・TEACCHの目的は、多数派への順応でもなく障害への克服でもなく、自閉症のままでの「共生」である。目が悪い人の眼鏡、白杖が一つの方略であるように。彼らの視点を生かして多数派の文化の中で彼らができるだけ自立して機能できるように支援すること。

    ・自閉症児の葛藤は必要か?
    パニックを乗り越える指導を受けた子どもが成長するという見方もあるが、担任が変わっても、友人が変わっても、卒業しても、同じような新たな状況でパニックを起こさないのか?学校現場でパニックを乗り越えることが容易ではないこどもたちが少なからずいることの意味を考えたい(脳機能が多数派とは違う、薬物治療や入院が必要になる)。私たちが特性に配慮することで、パニックは確実に減る。変化への適応が苦手、障害から生じる苦痛を少しでも軽減するのは人としての当然の配慮ではないか?
    そんなに構造化をしても、現実の社会で生きている以上、非構造化されて場面は常に存在する。あえて、非構造化された場面などを設定しなくても現実に非構造化された場面に遭遇し、苦痛を感じる場面は日常的に存在するのである。構造化(私たちの配慮)は、日常感じる苦痛を、ほんの少しだけ軽減する方略

  • 確かにこのTEACCHは自閉症の人に現状の社会に適応してもらうには有効であり都合の良い道具である。
    しかし支配するにもってこいの道具となることをしっかりと認識していないと、知らず知らずにスムーズな支配関係におちいってしまうことになる。
    つまり親や福祉関係の職員などの支援?する側の要求ばかりが一方通行に伝わってしまい、それに答えてもらえると相互理解できているような気になりがちである。
    むしろ彼ら自閉症の人の気持ちや考えや思いを親や職員の方が汲み取ってこそ支援になりうるのだろう。
    どうも現代社会は弱者を食い物にしながら邪魔者として扱っているようである。
    この危ない道具をいかに上手に使って相互理解を深めるかをしっかり考えながら実行するべきである。

    サブタイトルの「自分が自分であるために」を本気で実行しようと思うならば、親や地域や施設側がよほど肝を据えて、皆が幸福であるために各々がどうあるべきかを追求する勇気を持たなければ無理だろう。

  • TEACCHのファンブック。

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著者プロフィール

2014年現在福島大学大学院人間発達文化研究科教授、よこはま発達クリニック 専門は児童精神医学

「2014年 『新しい発達と障害を考える本 第Ⅱ期』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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