- 本 ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054033504
作品紹介・あらすじ
敗戦の爪痕も生々しいイラク。その復興のために派遣された自衛隊が、アラブという異世界の中で強いられた悪戦苦闘とは……。専属通訳として同行した著者が、現地滞在中の調査記録と未発表の写真によって、報道されなかったリアルな事実をレポートする。
感想・レビュー・書評
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もうずいぶんと前になりますがPKO問題ということで当時は大きく取り上げられて、映像で何度も流されたことは良く覚えています。ですが人間って本当にすぐ忘れちゃいますね。
サマワという地名も当時は繰り返し繰り返し聞いていた言葉なのに、本を読むまでは思い出すこともありませんでした。
迫撃砲が撃ち込まれたり、香田氏が殺されたり、「そういえば・・・」と当時を思い出しながら読むことができました。
内容はわかりやすく、面白く、実際にアラブの人々がどんな形で自衛隊と接していたのかが良くわかります。
話を聞く限りやっぱりそこは戦地でした。
米兵が毎日何人も死んでいるんですから日本人が安全とはとても言えませんよね。まあ、日本人だけ安全ならいいかという問題もありますが・・・。
その他にもテントでの話や食料の話、他国の軍隊の話など、非常に興味深かったです。
自衛隊の人の中でも、PKOは①日本のため②アメリカのため③イランのためという優先順位だった人がいたようです。
でも日本のためというのがどうもわからない。
国際社会での日本の立場を守るため?それとも自衛隊の存在意義を認めさせて国防につなげるという意味で日本のため?
中東の情勢はこれまで何度も読んでいるけれど結局わからない。
だけどフセインが部族をうまく使って国を統治したことが書いてあった。
これって日本軍が兵士を地域ごとに分けて配備することに似ているんじゃないかと思う。同郷で固めることで仲間意識と、競争意識を持たせる。確かに良い方法だと思う。
平和を願わない人はいないというのに、なんでいろいろとゴタゴタするんでしょうね。人間の何がそうさせているんだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
編集協力させていただきました
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2004年の自衛隊イラク派遣に民間人通訳として2ヶ月間参加したジャーナリストの「従軍記」。
文体が全般的に平坦な感じがするのは日記調の語りのせいなのか、守秘義務によるせいなのか、民間人ということで自衛隊のミッションの核心に触れられなかったせいなのか分からないが、少々物足りない気がした。
そういう意味では終章の帰国後の作者の動きやそれにまつわる記述のほうが生き生きとしていて面白い。 -
10シリーズ
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プロローグを読むと怖ろしさをヒシヒシト感じる。