読書通 知の巨人に出会う愉しみ (学研新書)

  • 学習研究社 (2007年6月5日発売)
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784054034549

作品紹介・あらすじ

書誌学、美術史、法制史など各々の分野で抜きん出た成果を上げながら、十分な脚光を浴びることのなかった近現代の著作家十二人を紹介。文化史として読める仏教語辞典、必須資料『国家総動員史』の自費出版など、その具体的な業績を著者独自の視点でなぞる。

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    その名は耳遠いながらも、近現代日本の知の世界を築いた十二人の著作家たち。
    その抜きん出た業績を、今改めて問う。

    [ 目次 ]
    中村幸彦―マクロな視座と博学宏識で抜きん出た近世文学研究の巨人
    木村毅―明治の文学・文化史に精通した孤高の著作家
    天野敬太郎―実見主義を貫き前人未到の書誌総覧を完成させた怪物
    矢代幸雄―世界標準、実物主義の「美術遍歴」を経た泰斗
    小野玄妙―仏像と大乗仏教の源流を探り当てた碩学
    石川準吉―日本近代史研究に必須『国家総動員史』を執筆・自費出版
    瀧川政次郎―日本人の持つべき歴史観を著した法学者
    市川本太郎―還暦を越え日本の儒学史を展望する大著を完成
    岩本裕―「日本文化を浮彫にする仏教語辞典」を作った偉業の主
    大橋武夫―兵書を実生活、人生に生かす法を説いた元陸軍中佐
    上田辰之助―経済学の奇書『蜂の寓話』を理解させる「案内人」

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 目録学から索引学へ、これが書誌学の進行方向を照らす道標となることは疑いを入れない。
    マキャベリの本を読むと溜息が出る。そしてつくづく思うことは人間の偉大さと愚かさである。
    書誌学とは畢竟、書物を物として扱う技術を学ぶことというに尽きていよう。内容の芸術性や思想性はひとまずおいて、何はともあれそこに確かに存在する物体としての書物の性質を見極めることであり、いわば書物の物理学である。従って極論すれば書誌学の実行にあたっては、書物の内容にかかわる必要はないともいえる。その変わりそれぞれの時代の確かな産物としての書物そのものがある。
    図書学とは、図書を対象として、これを科学的に研究する学問をいう。

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著者プロフィール

1929~2011年。
文学者、書誌学者、元関西大学名誉教授。
著書多数。1980年『完本 紙つぶて』でサントリー学芸賞、2004年『文豪たちの大喧嘩 鷗外・逍遥・樗牛』で読売文学賞研究・翻訳賞、2006年『紙つぶて 自作自注最終版』で毎日書評賞ほか受賞。

「2016年 『谷沢永一 二巻選集 下 精撰人間通』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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