名門中学 最高の授業 一流校では何を教えているのか (学研新書)

  • 学習研究社 (2008年1月29日発売)
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  • 本 ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054034617

作品紹介・あらすじ

私立中高一貫校では、どのような授業が行われているのか? 麻布・灘などの超進学校や、躍進著しい中堅校など、全国の名門校を取材。授業の実際を通じてその校風や教育方針を明らかにし、各校の実力を浮彫にする。中学受験を目指す親の必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • ・父から息子へ。家庭ではとにかくよく話せ。

    東京御三家:開成、麻布、武蔵
    東京新御三家:駒場東邦、海城、巣鴨
    神奈川御三家:栄光(大船)、聖光(山手)、浅野(子安)
    女子御三家:桜蔭(本郷)、女子学院(千代田区)、 雙葉(四谷)

    芝中学:かつては御三家以上の実績。芝温泉。楽しくなきゃ学校じゃない。
    世田谷学園:座禅。70分授業。
    浅野:各駅停車の学校。広大な校地。
    豊島岡女子:おういんの併願が多い。
    女子学院→頌栄、ふたば→白百合
    慶応:幼稚舎男子の大半は普通部へ行く。中等部は商業が前身。

  • 社会全体としては、ゆとり教育の揺り戻しでいま一度何をどう教えるのかが課題となっている。その中で、名門と呼ばれる中学校はどういった教育をしているのか、教える内容や教え方は変化しているのか。その辺りが知りたくて読んだ。
    結論からいうと、超名門校は変化していない。独特の教え方を昔から研究し、積み上げてきたものをそのまま発揮している。しかし、最近名門校の仲間入りを果たしたような学校は、ビジョンを掲げ、工夫し、進化しながら、教育を行っている。
    いずれにしても名門校は、徹底的に教え方にこだわっている。こう教えるのが正解というものがない以上、信念が大事だ。こう教えるのが最高だという信念のもと、教える技術を磨く以外にない。

  • 人が伝統をつくり、伝統が人をつくる。
    やはり有名校はその名に恥ないユニークな授業を展開している。もちろん小学校の時に頑張った人へのある意味でのご褒美であるとも言える。
    でも、個人的にはこの知への誘いを公立校でどれだけ展開出来るか、というのが将来を考えた上で大切なことなんじゃないかとも思う。

  •  麻布、開成、武蔵、灘、甲陽、巣鴨といった「エクセレント・スクール」、「エリート・スクール」と言われる中高約30以上を取材し、それぞれの学校の授業の様子を紹介したもの。各校が独自の校風を持ち、創造的な授業を展開しつつ、いかに優秀な進学実績を打ち出しているのかということが分かる。元ネタは雑誌の連載。
     私立中高の紹介がメインではあるが、いわゆる中学受験ブームを助長するような、進学実績を紹介したりするものではない。「ハビトゥス」(=「再生産」される「文化資産」、この本に即して平たく言えば、意図的・無意図的に生徒に影響を与える教育環境のことか)がキーワードになっており、独自の校風に沿って、どのような授業が行われており、その中で生徒がどのように活動し、どのように育っていくのかといった観点で紹介されている。授業の臨場感が存分に伝わってくる文章力のせいもあるのだろうが、紹介されている授業はどれも本当に面白そうで、読者の、学校や授業といったものへの先入観や偏見を打ち砕くようなものばかりである。「現代の学びはもっと共同性の中にある」(p.259)の部分が、佐藤学著の『教育の方法』の内容と通じる部分じゃないかと思った。
     いろいろな中高の授業が紹介されているが、土曜日に選択制の講座が開かれる学校も多いようで、東海の「サタプロ」なんて面白そうだと思った。宗教団体が母体となっている私学でも授業自体に宗教色が強いというわけではなく、暁星、芝や世田谷学園など、むしろ宗教が良い意味で教育に利用されているといった点を感じることができたのも面白い。(11/02/24)

  • [ 内容 ]
    私立中高一貫校では、どのような授業が行われているのか?
    麻布・灘などの超進学校や、躍進著しい中堅校など、全国の名門校を取材。
    授業の実際を通じてその校風や教育方針を明らかにし、各校の実力を浮彫にする。
    中学受験を目指す親の必読の書。

    [ 目次 ]
    第1部 エクセレント・スクールの高みに触れる(卒業者から学校がわかる典型・麻布 開成教師が語るその授業 武蔵のアカデミズム ほか)
    第2部 エリート・スクールの現在(フランス語・英語の両軸が看板の暁星 「便番」は六甲の自主性を養うアイデンティティ 東京の緑を満喫できる芝の生物 ほか)
    第3部 激戦!有名大学附属校のこれから(いかに大学の血統を途絶えさせないか? 共学に生まれ変わった早実 器ばかりか中身も大胆に改革した法政 ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • なぜか、全体的に印象に残らなかった…。
    なぜだろう??

    いくつかの学校で行っている第一線で活躍している人(OBだったりする)を迎えての特別授業は、なかなか刺激的かと思います。

    比較対象として、普通の公立校の特別授業の様子が書かれているとより理解が深まったかもしれません。

  • 一応、中学受験生を抱える父親として読んでみようと思ったが、しばらく頁が進むと、実益は無視して読み物として楽しんでしまった。伝統校しかり、新進気鋭のエリート校しかり、個性豊かな授業風景が紹介されている。陽のあたる華やかな面しか紹介していないので、すべてを字面どおりに受け取るわけにはいかないだろうが、限られた紙面に各校のエッセンスを巧くまとめてくれている。
    それにしても、どの中学も素敵ですばらしい。そこに、鼻垂らしながら中学通った四半世紀以上前の自分を重ねると、羨ましくて悔しい想いが募るのだ。(←既にすっかり受験生の父親であることを忘れているように、実益にはならぬが、面白く読ませてもらった。)
    「本当のゆとりとは、時間を有効に使える者だけに許されるのだ」という一言が印象深い。

  • ハエが留まっただけで爆発するヨウ化水素
    サッカーボール 白黒ツートン 最初に作ったのは日本のモルテン
    英語をイングランド語
    古典は外国語
    今の英語教育はインプットばかりでアウトプットが少ない
    甲陽学院 校是「明朗・溌溂・無邪気」
    道着のたたみかたに生徒の性格が表れる
    助産師は生命の誕生に携われる
    中二の年代は第二次性徴期 心身のバランスを取るのに懸命で,すべてに反抗したい
    学ぶは真似ぶ
    ノートはメモ帳ではない オリジナル参考書の執筆者に自らがなれ
    きれいなノートを作れる生徒は成績優秀
    牛乳パックも95年から容器包装リサイクル法の対象
    天上天下唯我独尊=人間はその一人一人がかけがえのない尊い存在
    人間は耐えることから始まる 世田谷学園 川上宗男僧侶
    自ら土にまみれ,花や野菜を育てることは,日々成長する生命の不思議に触れ,字句通り「生きる力」を自然と授かることになる
    寝た子を起こすなではなく,あえて起こす。無関心も差別に荷担することなのだ 鴎友 福井守明教諭
    音読はある種,洗脳的な効果ももつ両刃の剣。戦時期に行われていた
    楽しいスパルタ
    多産だった原始社会人の月経40回 現在400回 それだけ子宮も酷使されている
    自調自考=自ら調べ考える
    ペットボトルの中にアルコールを入れ,簡単なポンプを用いて加圧状態を作る。その栓を抜くとポンと音がして,空気が流れ出し,急激な減圧でアルコールが冷やされて白い煙が立つ。自然界の雲のできる仕組みと同じ
    関西学院 メチャビー=メチャメチャなラグビー グランドに放水し泥まみれでラグビー 困難な状況でも進んで仲間のために泥を被る精神を心身に刻む
    お茶の水 幼稚園から生粋のお茶の水=お茶漬け
    頭脳明晰な子どもを授業に集中させるのは教員の力量次第
    値段の明治・大正・昭和風俗史
    bio(いのち)+topes(場所)
    授業=業(生きる力)を授ける

  •  正直に言って嫉妬した。その恵まれた環境に。

     塾講師のバイトをしていたこともあり、私学の環境についてはある程度理解していたつもりだった。だが、御三家やそれに準ずる学校は、予想以上だった。

     勉強だけでなく、スポーツや学校行事など、どれも魅力的に思えた。大学院卒の教員や、ネイティブの教員が、知的好奇心を刺激する授業や、試行錯誤を繰り返させる授業などを展開する。google earthを使った授業や、実験器具や試薬から自分たちで考える科学実験なんてとても面白そうだ。様々な分野で活躍するOBとの交流や、自分たちで企画する修学旅行なんてのも魅力的だし、どれも僕の中学、高校にはほとんどないものだ。

     こういった経験の差が、大学受験を突破した後に現れるのかもしれない。有名企業には、有名大学の学生、しかも名門校の学生や付属校の学生が多いと聞いたことがある。
     所詮、学力試験で測れる能力なんてたかが知れていて、その先で求められる能力、例えば、議論する力、仮説する力などは、実は名門私立とその他の学生では、大きな差があるのではないか?履修漏れも、地方の公立トップに深刻なものが多かった。地方の方が、勉強だけで手一杯なのだろう。

     また、人生の選択肢にも大きな差があるのではないか?僕は、随分と田舎で高校まで生活した。そういった環境では、大学進学やその先を考えるのは結構難しい。そんなことしなくても、地元でなら生活できるから。僕の中学、高校時代に、周りで外資コンサル、外資金融、商社なんかが選択肢にあった人間なんて皆無だと思う。だって周りに働いている人もいないし、誰も薦めない、仕事内容も知らない、下手したら存在すら意識していない。
     経験の差、意識の差が、後々効いてきているのかもしれない。別に、有名企業にいくことが良い選択とは思わないが、そういった企業の年収が高いのは事実だし、彼らが様々な分野で活躍しているのも事実のようだ。

     まぁ、親の意志があったとはいえ、小学生の頃に必死に勉強して、競争を勝ち抜いた努力が報われるのは当たり前とも思う。また、名門校の学生が全員校風に馴染んで、充実して過ごしているわけではないとは思う。仮に僕なんかが名門校にいても、ふて腐れていて、魅力的な行事から何かを学ぶなんて出来なかったと思う。
     
     最近は、僕の地元も教育には力を入れてきているようで、以前よりは環境が整いつつあるのかもしれない。インターネットのおかげで情報格差もなくなってきた。それでも、まだまだ足りない。今後のがんばりに期待したい。生まれた場所で、差が付くのはやっぱフェアじゃないでしょ。

  • 授業の紹介。
    概略的で実感沸かず。
    関東関西の話ばかりで実感沸かず。
    授業の詳しい内容、つまり教師と生徒のやりとりが知りたい。
    地方の現状を知りたい。

    2008年05月29日読了。

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著者プロフィール

鈴木 隆祐(すずき・りゅうすけ)| 1966年長野県生まれ。法政大学文学部在学中より、出版社で雑誌編集に従事。その後、フリーに。教育・ビジネス分野に造詣が深く、著名な起業家との共著も多い。また、食べ歩きを密かなライフワークとする。『名門高校人脈』(光文社新書)、『全国創業者列伝』(双葉新書)、『東京B級グルメ放浪記』(光文社知恵の森文庫)、『リーダーになる勇気』(共著・日本実業出版社)、『コピーライターほぼ全史』(日本経済新聞出版)、『転職思考で生き抜く』(日経BP社)など著書多数。

「2022年 『東海高校・中学校 カヅラカタ歌劇団の奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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