- 本 ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054034709
作品紹介・あらすじ
「我は南朝の正統なる末裔なり!」――そう主張して昭和天皇を訴えた男、自称天皇・熊沢寛道の世にも数奇なる生涯とは? また、次々に出現した第二、第三の熊沢天皇とは? 幻想の血脈を求めつづけた怪人たちの悲喜劇を追う異色のドキュメント!
感想・レビュー・書評
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熊沢天皇の末裔が、いまどこでどういう生活をされているのか気になります。
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母から熊沢天皇の話をはじめて聞いたのは小学生の頃だったろうか?消滅したはずの南朝の天皇の子孫として終戦直後に名乗り出た人として、なぜか自分の中で強烈に記憶されていた。10年程前に保阪正康の著作にその名を見つけて、インターネットなどで情報をを読むようになって
GHQが天皇制の -
2009年12月読了。面白かった。南朝ゴロという言葉があるとは…。熊沢天皇を名乗った男の数奇な人生が面白い。
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[ 内容 ]
戦後の混乱期、南朝の末裔を自称し、「北朝方の現天皇はニセモノだ!」と訴えて時代の寵児となった人物がいた。
その男の名は、熊沢寛道。
南朝幻想に憑かれて奔走するも、時代の波にあえなく呑み込まれていった自称天皇とその一族たちの悲喜劇を描き、近代天皇制の陰画を鮮やかにあぶり出す。
[ 目次 ]
第1章 熊沢天皇あらわる
第2章 熊沢一族と南朝幻想
第3章 熊沢天皇擁立記
第4章 全国巡幸へ
第5章 孤独な王様
第6章 尊熟法皇、東都に死す
第7章 “天皇ごっこ”の行方
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
名の知れたこわもてたちがズラリと雁首をそろえて”天皇ごっこ”というのだから、喜劇をとおりこして、筆者にはホラー映画の一シーンのように見えてくる。これが戦前の昭和という時代の、秘められた”もうひとつの顔”なのである。(本文P98)
南朝の末裔を称する熊沢天皇の生涯や背景を追った新書。読みやすくてさらっと読んでしまったので二回読みました。うっかり天皇制についてまで思考が足を踏み入れてうーむと考え込みました。
今尚残る顕密体制の実態などなど知らなきゃいけないことはまだまだ多いです。
天皇って、なに? -
熊沢寛道について書いたというだけでも価値のある書。
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何で今頃、熊沢天皇なのか、とも思う。
というより、「熊沢天皇」という事自体を知らぬ人が 多くなっているかもしれない。
戦後の混乱期、南朝の末裔を自称し、北朝方の現天皇はニセモノだ!」と訴えて、時代の寵児になった熊沢寛道という人物が、その天皇だ。
明治22年12月18日に愛知県一宮市で生まれている。 尾張時之島という土地柄。ここに南朝の末裔がいるのだが、その中で直系を唱え、北朝のアキヒトはニセモノだと 戦争中から訴え、自身が正統な天皇であることの確認を求め続けた伯父の熊沢大然の養子となる。
終戦後、「時は来たれり」とマッカーサー元帥宛の請願書として GHQに出した文書が、「ライフ」や「ヘラルド・トリビューン」の記者らの目に止まった所から、騒動が始まる。 とはいえ、その主張は、戦前の「南朝・北朝」の いずれが正統であるか、という論争の時代から、「国体」と称するものの本体である「万世一系」という「血」を巡って議論の対象にはなってきていた。
この本の面白いのは、熊沢という一人の人間だけでなく、その一人を取り巻く人びとの思惑などが読めてくること。また戦前の特高などが遠巻きに監視を続けていたさまも 異常であるだけに面白い。
結局、何度かの浮き沈みを経つつ、「天皇」は昭和41年6月11日、妙光尼という神憑りの人にだけ 付き添われ、78歳で崩御。天皇制の陰画といえるのかもしれない。
筆者の藤巻一保氏は、1952年、北海道生まれ。
作家・宗教研究家。「宗教における神秘主義をテーマに、 歴史のタブーにも光をあて、旺盛な執筆活動をおこなう」と 著者紹介にある。
「安倍晴明」「役小角読本」「魔王と呼ばれた男 北一輝」などの著書。
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19/12/26
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まさに「事実は小説よりも奇なり」。
我こそが本当の天皇だと言って、マッカーサーに手紙を書き、昭和天皇を裁判で訴えた人物の物語。
著者プロフィール
藤巻一保の作品





