- 本 ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054037441
作品紹介・あらすじ
廓と遊女の仕組みと実態がよくわかる!! 妓楼の構造、登楼手順、階級と揚代、手練手管、情男、心中と逃亡、仮宅営業、廓の掟など、95項目、37コラム、75の図版で詳細解説!! 江戸一番の遊興場所、340年続いた超階級社会「吉原」の現実に迫る!
感想・レビュー・書評
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時代劇や時代小説において、江戸の吉原は華やかに着飾った美女が揃い男が一夜限りの夢を見るために訪れる場所として描かれることが多く、花魁が登場人物の中にいると物語に切なさと彩りを添える。だが本書はまず
・遊郭で行われていることは事実上の人身売買
・遊女は性病の予防措置もなしに連日多くの男性と関係を持つことを強いられていた
この2点を大前提とし、美化せずに実態を伝える目的で書かれているところに好感が持てる。
その上で吉原の全貌、遊女の境遇、妓楼の構造、吉原で働く人々、年中行事、吉原での遊び方、性病・妊娠・堕胎などの暗部について詳解し、最後に吉原の誕生から江戸時代の全盛期、明治以降の変遷を経て昭和33年に売春防止法が施行され、現在の風俗街になるまでの歴史を解説している。
苦界と呼ばれた世界をこの一冊で網羅する一方、観光名所の側面も持っていた吉原のガイドブック(『吉原細見』)や花魁道中に関する章はやはり面白くて、時代劇で吉原が出るたびに参考文献として重宝する。
本書は単行本だが『図説吉原事典』という題で朝日文庫になっている。そちらの方がよりコンパクトで再編集されているようなので、買うなら文庫版の方がいいかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江戸中期の吉原をメインに書かれた吉原全書のようなもの。
吉原の制度から遊女が抱える闇といったものまで幅広く書かれていてとても面白かった。
所々浮世絵も挿絵として載っていてさらに楽しめた。
華やかなイメージばかりが独り歩きしつつある吉原であるがこの本を読んで吉原の対する見方が変わった。それとともにさらに興味を抱くことができた。 -
吉原は売春街で、遊女は売春婦であるという前提をはっきりさせた上で、吉原の「仕組み」や「実態」を解説することに重点を置く。
序文における一本筋が通ったような著者の態度が気持ち良く、それが全編にわたって貫かれている。
図表も多く、感情的な表現も極力除かれており、読みやすいので、初心者にはとってもわかりやすい入門書でした!
吉原の中のことだけにとどまらず、吉原と江戸社会との関わりまで解説されているので、興味がいっそう広がっていく。
これを取っ掛かりにして、関連書籍を読んでいきたい。
ちなみにこの本では、江戸時代後半の吉原に範囲を限定しています。
吉原ってすっごく歴史が長いんだな~ -
女郎っていうのは本当に大変な稼業だな
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吉原の入門書に最適。
絵や図も多く、文章も平易でわかりやすいです。
面白い。
さくらんを観かえしたくなった。
吉原が昭和まで続いていたなんて知らなかったなー。
著者プロフィール
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