蘇我氏四代の冤罪を晴らす (学研新書 40)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054039698

感想・レビュー・書評

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  • 学生の時に学んだ日本史における蘇我氏とは、一言で言えば朝廷の権力を我がものにしようとした悪玉であった…が、果たしてそれは真実なのか、という問題提起により著された一冊である。
    この一冊で、蘇我氏の評価が180度逆転する、という単純なものではないが、蘇我氏がどういう一族であったのか、どういうかたちで朝廷と関わっていたのか、という歴史の授業では触れられなかったことを知ることができる。
    なにより、この本を通じて思うのは、歴史というのも物語であり、そこには編纂者の主観が入ると言うこと。教科書的蘇我氏観にしても、筆者の蘇我氏観にしても。歴史に限ったことではないが、様々の資料を比較して、一方の考えに誘導されることなく、考察、理解をすることというのが大事であると感じた。
    歴史や勉強が面白くなる観点を与えてくれる一冊であった。

  • 状況証拠にしても薄いが、蘇我氏に持つ偏見は質した方が良い
    でも、遠山先生もこじつけっぽい

  • 故黒岩重吾さんの歴史小説の影響で漠然と興味のあったテーマがそのままにタイトルになっていたので読んでみました。面白く読めて納得できる部分もあるのですが、断定的な表現ができるほどの根拠に乏しい部分も多々あります。冤罪は晴れませんでした。

  • 導入本としての役割りで見たなら評価できると思います。
    確かに私が中学生だった頃の歴史の時間に習った「蘇我氏」は、
    どちらかといえば権力を我が物にするがため、皇位継承を操作し、気に入らない大王までも殺害し、
    という専横ぶりで習っていたような気がします。
    結局「日本書紀」の解釈の影響なんですけどね。
    著者も蘇我氏の地位回復をその日本書紀から導き出していますが、
    書紀自体にそもそも信憑性の低い内容も多いわけで、推論の域を出ないような読後感。

    しかし、非常に読みやすかったです。
    蘇我氏が葛城氏の血筋にあたる豪族だった、という可能性のお話とか、
    仏教信仰が、実は大王から委託されたスタイルだった、という内容とか、
    聖徳太子も凡人だった話とか、
    乙巳の変の首謀者が軽皇子(孝徳天皇)だったのでは?という話とか。

    本当の意味での答えが分かる日なんて、きっと新しい歴史的資料が発見されない限りは、
    不可能なのでしょうが、そもそもそういった一級品の資料が発見されること事態が不可能?
    宮内庁管轄の未盗掘墳墓を発掘するしかないんじゃないかな、って思う。

    645年の「大化の改新」は習ったけど、「乙巳の変」という言葉は教わっていない。
    ★★☆☆

  • 学界でこの人の評価が低いのはよく知っていますが、この本に書かれている論理で説明できるという点について、学界は反論すべきだと思います。

  • 敵は藤原氏。

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著者プロフィール

遠山美都男

1957年、東京都生まれ。学習院大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科に進み、博士(史学)を取得。専門は日本古代史。『壬申の乱』『白村江』『天皇誕生』『蘇我氏四代』『大化改新と蘇我氏』ほか著書多数。

「2022年 『新版 大化改新 「乙巳の変」の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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