平城京全史解読: 正史・続日本紀が語る意外な史実 (学研新書 43)

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  • 学研プラス
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054040267

感想・レビュー・書評

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  • 新書文庫

  • 日本書紀に比べ知名度の低い「続日本紀」。神話の記述が多い前書に比べ、記録として価値が高い。奈良時代を解説する書籍は、情報が少ないことから、やや突飛な自説が入り込みやすい。本書は、しっかりした足場を元に、さらに、為政者の記録としての差し引きをしながら、奈良時代を描いてくれている。

  • 続日本紀は日本書紀の後を受けて奈良朝の歴史を記した日本の正史である。
    日本書紀や古事記と比べると劇的な記述もなく淡々と起こったことを記したもので、おかげであまりポピュラーではない蔵書として持っている人も少ないと推測する。
    本書は、この続日本紀を元にして奈良朝での出来事をやはり淡々と記している。特別目新しい史実や新しい論を展開するものでは無い。観点としてためになるのは、他の史書を使って、どこの国の正史でもある正史を編纂した権力者の都合が悪い部分が脚色されてりあえて無視されている事を指摘している部分である。たとえば、平城京遷都自体の記事もほとんど記載されていないとか、三戒壇の設立等鑑真の事跡が採用されていないとか言うようなとことである。
    古代史関連の書籍では、やたらと奇をてらったものが多い中で、本書のような記述は却って好感を覚えるものである。

  • 記紀に比べファンタジー要素がないので、今ひとつ地味な印象(失礼)の続日本紀の要点をまとめた本です。奈良時代は長屋王、聖武朝の仏教事業、道鏡事件くらいをおさえておけばいいかな? という程度にしか考えていませんでしたが、女帝が4代3人も在位、皇親勢力VS藤原氏などかなり不安定な時期で、やはり興味を持つ出来事が多いと考えを改めました。この本では桓武朝が駆け足気味の紹介なので、そのあたりは別の機会に掘り下げたいと思いますが、本書は余計な憶測を広げない姿勢に好感が持て、この時代を学ぶには信頼できる1冊かと思います。

  • サブタイトルに意外な真実とありますが、正直、どこが?という印象。

    奈良時代の概略という感じで、特に分かりやすい解説でもないので、あまりオススメできない。

  • 藤原京から平城京―この時代の皇家や藤原氏入り乱れての権力の抗争史については、類書をいくつか読んでもおり、先刻承知ではあるが、これらの事件をあくまで「続日本紀」に即しつつ語るという、19章からなる本書であるから、どうしても総覧的にならざるをえない。

  • [ 内容 ]
    日本書紀に続く第二の正史・続日本紀とは、どのような書物なのか?
    意外に知られていない正史のさまざまな謎と問題点、そして、中央集権国家の成立、大仏開眼、鑑真来日、長屋王の変、道鏡事件など、奈良の都に展開された大事件の数々を今、総検証する。

    [ 目次 ]
    大君は神にし坐せば―『日本書紀』から『続日本紀』へ
    文武天皇即位―『続日本紀』の開幕
    大宝律令と養老律令―国家の法典をめぐる動き
    平城京遷都―奈良の都のはじまり
    女帝二代―元明・元正天皇のころ
    仏と神の都―平城京の寺々と神社
    遣唐使と新羅・渤海―奈良時代の外交
    長屋王の改革―百万町歩開墾計画と三世一身法
    聖武天皇即位
    長屋王の変―皇族勢力と藤原氏の争い
    藤原広嗣の乱―橘諸兄の権勢拡大
    皇都のさまよい―聖武天皇の遷都
    大仏開眼―鎮守国家の熱狂
    鑑真来日―尼僧急増の背景
    橘奈良麻呂の変―天下太平のまぼろし
    恵美押勝の乱―淳仁廃帝と孝謙天皇の重祚
    道鏡事件―皇位を奪おうとした僧
    光仁老帝―天智系皇統の復活
    桓武天皇の改革と遷都―奈良時代の終焉

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著者プロフィール

1949年、兵庫県姫路市夢前町生まれ。東北大学文学部宗教学科卒。宮沢賢治研究会『賢治研究』編集委員(2023年から編集長)著書は『宮沢賢治の誕生』(中央公論新社)、『イーハトーブ悪人列伝』(勉誠出版社)、『全品現代語訳 法華経』(角川ソフィア文庫)、『日本史年表』(朝日新聞出版)など多数

「2023年 『猫と笑いに銀河 宮沢賢治ユーモア童話選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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