- 本 ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054043237
作品紹介・あらすじ
09年6月、トヨタ自動車・社長就任直後に周辺人事を刷新、戦略商品「新型プリウス」を発売するなど、自動車業界存続の危機が叫ばれる昨今、常に先手を打ち続ける豊田章男。創業家に生まれ、トヨタ・メッソッドの継承者でもある”彼”の本質に迫る1冊。
感想・レビュー・書評
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タイトルは人間力となっているが、豊田章男の人間性というか、人柄がよくわかる。世界に冠たる大企業の社長とは思えない素直で真摯な姿が、インタビュー形式の取材でよく捉えられている。超ハードスケジュールながら、「現場に一番近い社長」と「現場現物」を実践していることは素晴らしい。トヨタ車ファンでなくても、豊田章男ファンになってしまう。もしくはモリゾウファンになるかもしれない。
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リーマンショックから未曾有の危機に陥り、トヨタショックと名を変えて経済危機の象徴となり、環境車のシンボルであるプリウスのリコール問題で揺れに揺れた時期に、非常に難しい舵取りを行った豊田社長。
本書は、米国議会での公聴会での心理、車に対する思い、そしてトヨタを通じ社会にいかに貢献しようとしているのかが書かれており、とても興味深く読めた。
・オールトヨタの代表として、全責任を負うんだという思いです。私は今、30万人の仲間を守ることのできる場面に立っている。それはとても名誉なことだと思った。(米国議会での公聴会にて)
・『私の名は、トヨタのすべてのクルマに冠されている』
・難しいからわからないでしょ、で済まされる問題ではない。理解していただくまで、丁寧に説明を繰り返すべきでした。
・今回の騒動は『品質』が取りざたされていますが、根底のところでは『コミュニケーション』の不足がベースにあったと認識しているんです。
・これからは、謝罪の『謝長』ではなく、感謝の『謝長』になろうと思っているんです。
・若者が車から離れているのではなく、我々が造る車が若者から離れているのではないか?
・早足では進みますよ。競歩のようにね。ただ駆け足はしません。もう転ぶことは許されないんです
・嵐の中の海図なきスタートとなる。焦らず力まず、みんなと力を合わせて頑張りたい
・トヨタもそんなふうにみんなに感謝される経営判断をしなければだめだね。
・現場に一番近い社長でありたい -
空き時間でぼちぼち読み進めておりましたが、後半部分は今朝の早朝ドライブの道中にて、とある理由があり小一時間の休憩が必要となりましたもので一気に読んでしまいました。
あの?レーシングドライバーの木下さんが作家として書かれたのがこの一冊。
モリゾウことトヨタ自動車の社長、豊田章男さんとサーキット内で同じドライバーと言う立場であるご縁でフランクな間柄となられて、様々な質問を通じて「素」の豊田章男さんのコメントを引き出されているような印象です。
通常のライターの方であれば、ここまでフランクな言葉は引っ張り出せなかったのではないかと思います。(それ以前にこれだけのインタビュー時間を設けることができなかったでしょうね)
少々野暮ですが、木下さんに対しては往年のベストモータリングのキャスターのイメージが強い私ですので、本書の内容はあのコメント口調などからは想像できない文章力であるとの印象を持ちましたが、それはそれ、取材対象の豊田章男さんがこれだけ語ってくれたのも同じ空間で同じ志で同じ立場で同じ時間を共にした木下さんだからこそであるのは間違いないところだと思います。
2010年の出版ですので、かれこれ6年も経過した本になります。これだけの覚悟やクルマに対する熱い思いを持たれた方だからこそ、世界有数の規模の自動車メーカーのトップとして今もなお活躍されているのだと思います。
付箋は26枚付きました。 -
豊田章男社長を「プリンス」なんて呼んだら失礼だな、と感じました。
見た目は大変穏やかな方ですが、内に秘めるガッツや根性は燃えたぎっており、体力的にも元気でいらっしゃるということが良くわかりました。
ともすれば「保守的」と言われがちな大企業の社長ですが、起業家精神にあふれ、社長の「イス」よりも「運転席」が似合うようです。
先日、豊田社長がテレビのビジネス番組に出演され、開発中のモビリティを披露されていらっしゃいましたが、本当にクルマが好きなのだということが良く伝わるお姿でした。
本書からは、そんな豊田社長の横顔がそのまま伝わってきました。
また、著者の木下氏の、丁寧な取材が随所に感じられ、大変興味深く読ませて頂きました。 -
ご存知トヨタの社長さんについての本です。
レーシングドライバーの木下さんの取材を基に構成されていますが、ストーリーの構成や豊田社長の自伝がとてもおもしろい!
メディアからの印象では掴みどころが無く、どの様な人か分からないのが正直なところでしたが、この本を読んですごく印象が変わりました。
「人間味がある!」そう思いながら、アメリカで涙を流していた姿を思い出しました。
トヨタや自動車産業と関係無くても、日本を支える大企業の社長に人間力を是非知ってみてはと思います。
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