首都圏生きもの記 (学研新書 76)

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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054045118

感想・レビュー・書評

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  • p213最終行
    だいたいがサギたちは、自分たちの種名を知らない。サギだけではなく、ネコもカエルもトカゲもカブトムシもミミズもスズメも、自分たちの種名を教えられたとしても、「だから?」と首を傾げるだけだろう。僕たち人間が地球から四百光年離れたプレアデス星団の惑星に暮らす住人から「カリベト・ヨズベシ・ジェルカッチャ」という名称で呼ばれていると聞かされたとしても、やっぱり「だから?」と首を傾げるように。
    「硬派なドキュメンタリー作家」の森達也がプラナリア~イトミミズ~ドブネズミなど身近な(?)生きものを取材。ヒキガエルにはインタビューで迫る。
    所々図鑑丸写しで文字数を稼いでいたりする感じが読み飛ばしたくなるが、脱線して「硬派なドキュメンタリー作家」的顔を見せるのは面白い。


    大人の科学net

  • 本日も読破したのはブログでおなじみの森氏。
    でも、今回は森さんらしくないのに森さん色が出てる作品
    コンセプトは大都会に生息するいきものたちにについてのエッセイ
    でもそこに森エッセンスが入ると面白くそして面倒になる。っまそこがファンにはいいのだが好き嫌いは激しいかも
    個人的には続編が望まれるね。
    プアラナリア、ノコギリクワガタ、イトミミズ、ハリガネムシ、ガ、カラス、ナナフシ、アヒル、ガチョウ、ヒキガエル、ゲジゲジ、アシナガバチ、セミ、ヤモリ、ドブネズミ、サギ、イヌが登場。興味があったら読んでみて。

  • 主に東京周辺の、都市に住む生き物の生態について、わかりやすくおもしろく書かれています。
    すぐ読めます。周りの環境に興味を持つキッカケにもなるかも。
    あまり注目することのなかった周りの生きものを、もっとよく見ようと思います。

  • [ 内容 ]
    都会には多くの生きものたちが、人間とともに日々の営みを続けている。
    そんな彼らに焦点を当て、著者自ら撮影した写真とともに綴った、ユニークな一冊。

    [ 目次 ]
    アニメのキャラ萌えプラナリア
    カッターでプラナリアを三等分!
    昆虫の王者ノコギリクワガタ
    身を挺して水を浄化するイトミミズ
    がんばれ皇居の外来種
    これだけはダメ!ハリガネムシ
    蛾はそのまま縫いぐるみ
    黒い羽毛の下にいる高等生物カラス
    無意味なゆらゆらナナフシ
    冬の畑の生きものたちと相転移〔ほか〕

    [ POP ]


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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 森達也、まさかの生きもの本。

    本人曰く、前々から生きもの作品は手がけてみたかったとのこと。
    そう言及しているだけあって生き物分析の切り口は多様。

    「そういえば、いつも見ている鳥をこういう角度で見たことはなかったな」
    と、少し考えれば気づけるハズのことをパッと見せてくる。

    ただ、本書のようしょようしょに「森達也が本当に言いたいこと」が垣間見える。
    イラク派遣だったり、オウムの話だったり、大衆社会の話だったり。
    書きたいのなら、書いて欲しい。生きもの本に紛れ込ませるのではなくて、堂々と、1冊出して欲しい。少なくとも私はキチンと目を通す。

    紛らわさなければいけないほど、日本の言論の自由が奪われているわけではないでしょう。多分。そうだと信じたい。

  • じゅんさんに教えていただいた森達也さんの新刊。学研の新書なので探すのが大変でした(^^)「社会派」「硬派」なイメージの森さんが「何故?」と思うんだけれど、元々お好きなジャンルだったらしい。首都圏に生息する生き物の生態を追ったエッセイ。所々脱線して政治の話や、「人間」の身勝手さに突っ込むところが森さんらしい。印象に残ったのはカラスの話。お約束のように脱線してテロリズムと報復の話に繋げたのはお見事でした。(ちょっとあざというと本人も言ってますが(笑))

  • へ~この方、生き物のことも書くんだ、と思い買ってみたのですが。

    森達也氏が好きな人ならものすごく面白く読めると思いますが私はどちらかと言うと日高先生とかマンボウ氏のような動物ものを期待していたのでアテが外れました。

    と言う訳でこの点数ですが多分好みだとは思います。
    それにしても最近読んでまんぼう昆虫記はやはり秀逸だなあ~と思いました。

  • 面白かったです!(#^.^#)森さんが珍しく生き物観察記?首都圏に住む哺乳類から鳥類、虫に至るまでを生き物大好き少年のような理科的な目でワクワクと観察。あとがきにも、かつてテレビディレクターをしていた時、バラエティや幼児向け番組、政府の広報番組などなんでもやったのに、自然もののドキュメンタリーを作らなかったのが心残りだ、とあったので元々生き物がお好きだったんでしょうね。で、身近な生き物を実験を交えたり(プラナリアを三つに切っちゃうんだもの!!)、百科事典的な分類法が生態に関する薀蓄を披露したり、また御自宅周辺の自然環境、子ども時代の思い出なども含めて、とても面白い理科的読み物になっていた・・・・んだけど、でもそこで終わらないのがやっぱり森さんでね。皇居のお堀の住人たちがほとんど外来種であることに言及、そこから今上天皇が、桓武天皇と百済の国王との血縁関係について述べられ、見事にマスコミからスルーされてしまったあの日韓ワールドカップでの驚き、また、蜂の警戒色から今の日本のセキュリティ意識の異常な高まりに視点をずらし、「正当な理由なくカッターナイフを持ち歩いた」としてもそれを理由に逮捕されるような社会に僕は住みたくない、と結んだり、人間の適応能力の高さから「いつの間にか」社会の変化に気づかずにかなりのところまできてしまう我々の日常のこと、カラスによる「被害」の実態を考証することにより、やられる前にやれ、と過剰防衛に走った東京都の捕獲作戦の底の浅さ、などなど、やはり森さんの視点になっていて、御自分でも「視点を変えることで世界は変わるとか書けば、いかにも森達也らしい文章になってうんざりだ。」なんて言っておられるくらい。(#^.^#)でも、少し前に読んだ「誰が誰に何を言ってるの?」の救いがないような悲しい文章に比べると、(むしろそっちに驚いたのだけど)、うん、私たちはまだ大丈夫と思えるほろ苦さが嬉しかった。自分の頭で考えたい、自分の視点でものごとを見たい。いつも森さんの著書を読むと思うことでその意味ではもう飽きたよ、と言ってもいいくらいだと思うのに、今回もまた新しい「うん、そうだよねぇ〜〜」がいくつも挙げられていて、もしかして森さんという人は、私が普段思っている以上の「只者ではない人」なんじゃないだろうか、なんて。またそのうちにゆっくり再読したい本でした。続編も期待したいな。

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著者プロフィール

森 達也(もり・たつや) 広島県呉市生まれ。映画監督。作家。テレビ番組制作会社を経て独立。1998年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i―新聞記者ドキュメント―』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社)、『死刑』(朝日出版社)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(ちくま文庫)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)、『集団に流されず個人として活きるには』(ちくまプリマー選書)、『歯車にならないためのレッスン』(青土社)、『COVID‐19』(論創社)など多数。編著に『定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会』シリーズ(論創社)など。
2023年9月1日、関東大震災の5日後に千葉県の福田村で起きた行商団9人の虐殺事件をテーマにした映画『福田村事件』が公開。

「2024年 『ガザ虐殺を考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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