プロメテウスの罠 2

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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054053854

作品紹介・あらすじ

ふるさとを追われ、いまだ帰還のめどがたたない被災者たちの苦悩、新たに発掘された事故の原因と背景などを、朝日新聞の気鋭の記者たちがリポート。

感想・レビュー・書評

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  • 原発事故直後を描いた一巻と比べると面白さは落ちるけど、そもそも『面白さ』を求めて読む本では無いので、それを言ったら不謹慎ではあります。
    津波と原発事故のダブルパンチの中、福島にいた人達が何を考えどう動いたか。自分がどう考え暮らすべきなのかを振り返るよすがになるシリーズです。

  • 第2弾は我が家が朝日新聞を止めた後のため、全て初見。
    ネタ切れ(?)なのか、前作と比較すると事故そのものより周辺エピソード中心の構成。
    六ヶ所村に再処理施設が出来るまでを綴った「ロスの灯り」も読みごたえがあったが、衝撃的だったのは気象庁の津波警報の顛末を追った「遅れた警報」。
    以下、要約。

    ~気象庁が出した当初の津波警報(マグニチュードから自動計算)は「岩手3メートル、宮城6メートル、福島3メートル」。一方、三陸沖の水圧計は5メートルの津波を計測。沿岸になるほど津波は高くなり、気象庁の計算式では沖合の5倍(=30メートル!)が沿岸の津波の高さ。しかし水圧計の数値は活かされず、気象庁が「10メートル以上」と修正したのは、大津波が襲ったあと。もし水圧計を重視していたら、死者行方不明者1万9千人のうち1万人は助かった(!)との見方もあるという~

  • 朝日新聞が震災後、原発事故の真相を追った連載記事の単行本化第二弾。1,2同時に図書館に予約をいれたが1の方が人気があるようで、2が先にきたので読了。新聞記者出身の小説家は人間が描けないという話をどこかで読んだ覚えがある。この本も小説ではないがこれもそんな印象をうけた。というのもどこに本質的な問題があったというより、帰納的な推論のための材料の開陳という姿勢にあるのだろう。そのため
    面と向かって被災者や当事者と話をしたというより、当事者が誰かと話をしていてその話をすぐ近くで耳をそばだてて聞いた。そんな書きっぷりになっている。発言者の気持ちが伝わりにくい。にもかかわらず、当事者目線で事態を理解させようとする。決して鳥瞰視はしない。
    もっとちゃんとまとめろよ。そういいたくなる。そうは言ってもさすがは新聞記者、いろんな人の話を聞いている。とくに青森をロサンジェルスのような電気煌々の街にしようとして、失敗、空っぽの土地が六ヶ所村として放射性物質が持ち込まれることになる経緯はなんとも物悲しい。原子力は現場の作業員や放射性廃棄物の保管場所や一部の犠牲の上になりたっている。先日もファルージャで劣化ウラン弾の使用により先天的異常の新生児の割合が四人に一人というドキュメンタリーをNHKでやっていた。国民に知らしめず、一部の人が利権をむさぼるという構図にピタッピタッとはまっていく。
     気象庁が、津波の高さ予想をするにあたり沖合の水圧計のデータを有効に利用できなかったという話も示唆に富む。普段考えていないようなことに直面するとその瞬間決して考えられないものなのだ。

    津波が来るから逃げよと言っても逃げない人が多数いた。九死に一生を得たひともいたが、そうでないひとたくさんいた。

    ようやく首都圏でも推定死亡者の数が極端に低く発表されることがなくなってきたことがせめてもの救いか。

  • 頑張って2巻まで読んだけれど、もうお腹いっぱい。

    お涙ちょうだいのストーリーと原子力反対の内容ばかり。
    もっと中立的にものをかけないのか。

  • 2022/01/25

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/58598

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所: 3階開架
    請求記号: 543.5//A82//2

    【選書理由・おすすめコメント】
    東日本大震災から3年が過ぎましたが、被災地の復興は地域によって、その進度に格差があり、復興の進んでいる所の報道にばかり触れていると実感が伝わらなくなってしまいます。特に原発事故については、事実上、事故は収束していないのにも関わらず、真相が見えません。この本は、朝日新聞での連載記事を最初から編集少し加筆したものを順次、単行本にまとめていっているもので現在も新聞の連載は続いています。過去の真相から直近の状況までをまとめて知ることができます。
    (経営学部 持丸邦子先生)

  • 福島第一原発事故では、ディスコミュニケーションの問題が指摘される。本当に電力会社の闇は深い。だって当人すらうかがいしれないのだから。

  • 考えさせる

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著者プロフィール

朝日新聞報道局につくられた調査報道専門の取材チーム。2011年の福島原発事故による放射能汚染の惨劇を受け、検証記事を作製するために、特別編成取材班がつくられた。

「2015年 『プロメテウスの罠 9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朝日新聞特別報道部の作品

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