うちの子って発達障害!? コミックエッセイ ただいま子育て迷走中 (ヒューマンケアブックス)
- 学研教育出版 (2013年5月23日発売)


- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784054054592
作品紹介・あらすじ
集団に参加できない息子を恥ずかしがりやだと思っていた母。しかし、そこには発達障害の問題があった。検査、進路選択、きょうだい・夫との関係など、さまざまな問題に直面した母(漫画家)が、どのように道を見つけて歩んできたかを綴るコミックエッセイ。
感想・レビュー・書評
-
納得できるまで 調べてみたり
時には あまり気にしないで
日々を過ごすことだって大事
心配や悩みで
親子ともども潰れちゃわないで
それぞれに正解の道は
ないかもしれないけど
ベストじゃなくても ベターを考える
心の余裕も人それぞれ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
トマコさんの気持ちが分かりすぎて、電車で涙流しながら読んだ。特にググッときたところを引用に記載しておこう。
-
1時間半でいっき読み。途中途中で涙が出た。
この本すごくいい!!
不安がらない。子供を、自分を信じる。 -
発達障害がよく分かった。
自分の物差しだけではなく、個性を理解し場合によっては病院で診断するのが必要。
知らず知らず偏見を持っていたような気がする。
子供が苦しまないよう様々な可能性を考える必要がある -
以前読んだ「高機能自閉症児を育てる」という本で、高橋さんという研究者であり母である方が、まだ日本に発達障害というものがあまり理解されていない時代に、様々な情報を手掛かりに、少ない支援を利用しながら、息子さんを大学院に進学するまで支えたエピソードを知りました。
高橋さんの場合は、研究者ということもあって、比較的冷静に息子さんのことを理解できたらしいことや、支援先などの情報収集が上手だったので、息子さんの発達障害とうまく向き合えたのではないかということがありましたが、25年以上前に生まれたお子さんという意味では、かなりのレアケースだったのではないかと思います。
対して、この本の著者の親子さんは、いろいろと悩んだり辛いこともあったりしながらも、昔に比べると発達障がい児に対応した教育や福祉も充実してきた中で、割と適切な支援を受け、お子さんもすくすく育っているように見えます。
もちろん本当のご苦労は当事者にしかわからないわけで、著者のお母さんは明るい方のようなので、暗いことをあまりおっしゃらない方なのかもしれませんし、又は単にこの本には辛かったことを過度に書きすぎないようにされてるだけかもしれません。
しかしこの著者のお母さんは、自分が子どもの抱える課題に気づくのが遅くて、そのせいでお子さんがより適切な支援を受けられたのではないかということを悔やんでおられるのですが、それは裏を返せば、振り返ってみれば周囲に適切な支援があったことが後になって分かったということでもあります。
この親子さんが活用した様々な支援を挙げると、
・幼稚園の個人相談
・幼稚園の参観時のグループセッション
・未就学児用の通級指導教室
・病院
・就学時献身
・小学校入学前の個別相談
・教育委員会の個別相談
・通級指導教室(ことばの教室、情緒の教室)
・地区担当の保健師
と本当にいろいろありますね。
ただし、著者本人も言っておられるように、このお子さんの低学年の時の担任の先生は発達障害的な傾向にも深い理解を持ち適切に対応できる方だったようで、まだまだすべての学校・先生がそうでもないだろうと思うと、比較的恵まれたケースなのかもしれません。
また、様々な支援があっても、親御さんたちの心中は複雑で、単に適切な支援を受けたい、受ければいいということでもないのが難しいですね。
我が子を発達障害だと思いたくないとか、特別な支援を利用するとわが子が普通の人生のルートからはずれてしまうのではないかと心配になったりとか、親族や他人から、特別支援を利用するのは子供がかわいそうと言われたり、大して普通の子と変わらないのに自分たちだけ特別な支援を受けて楽をしようとしているなどと色々言われて何がよいのか良く分からなくなったりだとか。
著者は、一番大事なのは子どもの状態を親が把握し、集団の中で見せる子どもの問題を受け入れ、いろんな支援も受けながら、かつぶれないで、その子の「トリセツ(取扱説明書)」を読むように、最も適切な関わり方を考えることが大事だとも言っておられます。
これもとても素晴らしいコミックエッセイでした。おススメです!
著者プロフィール
トマコの作品





