新島八重 波瀾万丈 幕末のジャンヌ・ダルク (学研M文庫)

  • 学研パブリッシング
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 13
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054055377

作品紹介・あらすじ

銃を手に籠城戦を戦い抜いた会津藩砲術指南役の娘、八重。維新後に兄のつてで京都に出るが、そこには思いもかけぬ出会いが待ち受けていた。幕末、明治、大正、昭和――激動の世を駆け抜けた“会津のジャンヌ・ダルク”の波瀾万丈の人生!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 978-4-05-405537-7 295p 2012・12・25 初版

  • 幕末のジャンヌダルク、とは少し言い過ぎかもしれない。しかし滅亡寸前の会津藩にとってはそう見えたのだろう。

    今年の大河ドラマの主人公、新島八重。

    初めて聞くこの名に興味を覚え、入門書のつもりで読んでみた。

    維新後、幕府側の会津藩とともに新政府軍に立ち向かい、夫の川崎尚之助と鶴ヶ城に立てこもって、銃で応戦する八重。
    当時としては銃や大砲の知識に詳しい女性は珍しく、このころから世間の常識や立場に捕らわれない発想の持ち主だったことが分かる。

    のちに二番目の夫となる新島襄と結婚してからは、クリスチャンとなり夫を懸命に支える。

    白虎隊の悲劇や城下での集団自決など、会津戦争で多くの人を失い壮絶で凄惨な体験をした彼女にとって、夫が進めるキリスト教を元にした学校運営を手伝うことは、ある種の救いだったのだろう。


    人生の後半、積極的に西洋的なものを生活に取り入れ、教師や看護活動に尽力したその姿は、二度と会津戦争のような悲劇を日本に繰り返させない為だったようにも思える。

    小説では同志社大学を設立した新島襄の他、八重の兄、覚馬と交流のあった佐久間象山や勝海舟も登場する。

    大河ドラマでは会津藩お預かりの新撰組も登場するようで、どのような描かれ方をするか興味深い。

    まったく違った二つの時代を生きた新島八重の生き方を知ることは、今の時代にとって大いに参考になるものと思われる。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

函館市生まれ。編集者を経て現在は歴史作家。歴史の意外な側面や人物のもう一つの顔に焦点を当て、執筆を続けている。著書に『江戸東京の地名散歩』(ベスト新書)、『江戸三〇〇年 あの大名たちの顚末』『江戸っ子はなぜこんなに遊び上手なのか』『水の都 東京の歴史散歩』(いずれも小社刊)など多数。

「2023年 『図説 家康が築いた 江戸の見取り図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中江克己の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×